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AIに雇用を奪われる側からAI業界への公開質問状(草案ver.1)

さて、この話のつづきでござる。

AI業界の皆様へ。

私はAIそのものに反対する立場ではありません。

実際、私自身も日常的にAIを利用し、その可能性を評価しています。

しかし、AIによって雇用を奪われた側の人間として、どうしてもお聞きしたいことがあります。

AI業界の皆様は、

「AIによって単純作業は減る。」

「より創造的で価値の高い仕事へ移ればよい。」

「一次情報を取りに行くことが重要になる。」

「営業で人と会う能力が重要になる。」

「人に好かれる能力が重要になる。」

と語ります。

しかし、それらの言葉だけでは、私たちの疑問や不安には答えられていません。

そこで、以下の質問に率直に答えていただきたいと思います。

質問1 本当に失われる雇用を吸収できるだけの仕事はあるのですか

AIによってホワイトカラーの仕事が減ると言われています。

経理。

法務。

総務。

人事。

事務。

コールセンター。

営業。

様々な職種が効率化されると言われています。

一方でAI業界は、

「新しい仕事が生まれる。」

と言います。

しかし、私たちが知りたいのは、

何人分の仕事が生まれるのか。

ということです。

仕事が一つ生まれることと、

百万人分の雇用を吸収できることは全く違います。

雇用の「質」だけではなく、

雇用の「量」について具体的な説明をお願いします。


質問2 「営業で人と会え」というのは本当に答えなのですか

営業と言っても仕事は様々です。

私自身、過労で倒れて公務員の事務職を辞めてベンチャー企業へ転職し、

営業初日に一日中テレアポを経験しました。

99回連続で断られ続けました。

営業という一言で語れるほど簡単な仕事ではありません。

しかも、

現在では機械音声による営業電話が普通に使われています。

AIは営業の一部を既に代替し始めています。

本当に、

「営業へ行けばよい。」

という説明で済むのでしょうか。


質問3 「一次情報を取りに行く仕事」は本当に増えるのでしょうか

IoT。

ドローン。

人工衛星。

各種センサー。

AIカメラ。

これらはまさに一次情報を自動取得する技術です。

農業。

工場。

林業。

物流。

インフラ管理。

あらゆる現場で人間が行って確認していた仕事は減っています。

一次情報を取得する仕事もAIやIoTで減るのであれば、

その受け皿はどこにあるのでしょうか。


質問4 皆さん自身は、その仕事を本当にやりたいと思っていますか

AI業界の皆さんは、

「営業へ。」

「人と会え。」

と言います。

しかし、

その泥臭い仕事をしたくないから、

皆さん自身はAI研究者やAIエンジニアという仕事を選んだのではないでしょうか。

もし本当にそれが最も価値の高い仕事なら、

なぜ皆さん自身がその仕事へ転職しようとしないのでしょうか。

他人には勧めるが、

自分は選ばない。

そのように受け止められてしまう発言ではないでしょうか。


質問5 高度外国人AI人材の受け入れと日本人の雇用をどう考えていますか

AI産業振興のために、

海外の優秀なAI人材をもっと受け入れるべきだという意見があります。

しかし、

その方々が開発したAIによって、

日本人ホワイトカラーの仕事が減るとしたら、

それをどのように説明するのでしょうか。

問題は外国人と日本人が直接競争することではありません。

海外の優秀なAI人材が開発したAIによって、

日本人の雇用そのものが減る可能性です。

AI産業振興と雇用政策をどのように両立させるのでしょうか。


質問6 リスキリングと言いますが、その間の生活は誰が支えるのですか

AI業界はよく、

「リスキリングしましょう。」

と言います。

しかし、

勉強している間、

生活費は誰が払うのでしょうか。

住宅ローン。

家賃。

食費。

子どもの教育費。

親の介護。

現実には毎月お金が必要です。

勉強している間は、

働けない時間も増えます。

その生活は誰が保証するのでしょうか。


質問7 リスキリングしたら雇用は保証されるのですか

仮に新しいスキルを身につけたとしても、

就職できる保証はありません。

企業が採用する保証もありません。

年齢制限もあります。

50代前半団塊ジュニア世代就職氷河期世代でも雇用は保証されるのでしょうか。

AI業界は、

「勉強すれば大丈夫。」

という前提で話をしていますが、

その前提は現実と一致しているのでしょうか。


質問8 新しい仕事が、自分に向いていなかったらどうするのですか

人には向き不向きがあります。

営業が向いている人もいます。

向いていない人もいます。

研究者向きの人もいます。

事務職向きの人もいます。

経理が天職という人もいます。

AIによって、

その人が長年培ってきた適性を活かせる仕事がなくなった場合、

本人はどうすればよいのでしょうか。

全員が営業に向いているわけではありません。

全員がAIエンジニアになれるわけでもありません。


質問9 人間は工場の部品ではありません

AI業界では、

「この仕事がなくなったら別の仕事へ。」

という話がよくあります。

しかし、

人間は工場の部品ではありません。

長年苦労して培ってきた知識。

技術。

経験。

人間関係。

自分の長所。

それらを活かして働けることが、

その人の人生そのものです。

その仕事を失うということは、

単に職種が変わることではありません。

これまで歩んできた人生そのものを否定されることでもあります。

人間の尊厳に関わる問題です。


質問10 人間はそんなに強くありません

AI業界では、

「仕事を失ったら学び直せばよい。」

という話を耳にします。

しかし、

人生をかけて築いてきた仕事を失った人は、

そこまで簡単に立ち直れません。

自信を失います。

誇りを失います。

精神的にも大きなダメージを受けます。

その状態から、

新しい勉強を始め、

生活費を工面し、

再就職活動をし、

新しい職場へ適応する。

そんなことを、

誰もが当たり前のようにできるほど、

人間は強くありません。


最後に

私はAIを止めろと言いたいのではありません。

AIを開発するなとも言いません。

しかし、

AIによって利益を得る側と、

AIによって人生が大きく変わる側では、

見えている景色が違います。

だからお願いがあります。

「AIは便利です。」

「生産性が上がります。」

「新しい仕事が生まれます。」

という話だけではなく、

AIによって仕事を失う人、

人生設計が変わる人、

自尊心を傷つけられる人に対しても、

真正面から向き合ってください。

AIは技術の問題であると同時に、

人間の人生と尊厳の問題でもあります。

その問いから目をそらさずに議論していただきたい。

それが、AIに雇用を奪われる側からの切実な願いです。

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