母さんの徒歩キャンデビュー②御所の台オートキャンプ場へ向かう
お酒を楽しむ「飲み鉄」と「キャンプ」を掛け合わせたハイブリッド旅。
45Lのザックを背負った母さん、目的地のハタハタ館を目指して秋田駅からいざ乗車。移動編です。
波乱の幕開けか?!
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最初、リゾートしらかみに乗る予定でいたものだから、秋田駅まで行こうとしていた。
しかし、鈍行なら自宅最寄りの駅から乗れる。それに気づいたら残念で夫に話した。
「トピコの中で何かおいしいもの買って昼に食べようと思ってたのに、秋田駅まで行かなくてもよくなったから、それ、できなくなったんだよね」
「秋田駅まで行げばいいねが」
ニヤニヤしながら私を冷やかす。
夫は材料の都合で急遽この日が休みになっていた。
「送ってくれるなら秋田駅まで行きたいけど、送ってくれるの?」
私も冗談半分、期待半分で返す。
「考えでおぐ」
完全に私をおちょくっている。
しばらくしてから
「何時よ?」
と聞いてきたので
「わりいな。11:00に家出たい」と私が言う。
夫が畳み掛ける。
「1500円でいいや」
微妙にタクシーより安い価格設定が憎い。
私も返す。
「1000円に負げでけれでぇ〜」
普段私は使わない、秋田弁のオヤジたちの言語である。
夫はニヤリと笑った。
約束通り1000円を渡すと夫は
「おっ!貰って良いの?」
「いいよ」
前に飲み会に送った時に夫が「これでビールでも買え」と1000円くれた経緯があるから、まぁお返しみたいなもんだけど、家の前のバス停から秋田駅まで乗ったほうが安かった事に後から気づく。
まあ、これもコミュニケーションのうち。
トンカツのさぼてんで「かつサンド」を買った。
改札に行き、紙の切符を買う。
あきた白神駅ではICが使えない。
久しぶりに手にした切符は現実味があって良い。

電車に乗って気づいたことは、奥羽線は椅子が横一列のロングシート。
『飲み鉄』目的で徒歩キャンプを始める決意をしたのだが、ズラッと並んだ他人の目。
両隣も他人である。
金曜の11:40発鈍行列車で「プシュっ」は犯罪に等しかった。
仕方なくペットボトルの水を飲む。
◆
電車がどんどん県央から離れるに従って風景がのどかになる。
田植え前の水を張った田んぼが鏡のようだし、森に入れば自生する藤が紫色に枝垂れる。

約1時間で乗り換え先の東能代に到着。
既に五能線はホームで待機しており、スムーズに乗り換えられた。
朗報。
シートが2人掛け2つずつのボックス席と、1人掛け2つずつのボックス席がある。
しかも、空いている。
これは「飲み鉄」チャンスだ。
早速「かつサンド」を出して、プルタブを引いた。
「プシュッ!」
洞窟ぐらい音が反響したんだが……
しーんとしていた車内全体が耳をそばだてている気がした。恥ずかしい。
まあ、開けてしまえば飲むしかないよね!
至福とはこのこと。
かつサンドをパクり、ビールをゴクり。
そうなの、これがしたかったの。

東八森駅を抜けたあたりから海が見えた。
車で通った時もワクワクしたけど、溶岩流からできた海岸はゴツゴツと黒く、そこに青い海が広がる。
五能線を利用する醍醐味はこれだなと思う。

13:04の五能線に乗って13:41あきた白神駅に到着。

到着早々、残念なお知らせがある。
明日の帰りは10:10か、13:59の電車しかないということだ。
リゾートしらかみは指定席予約をしていないので論外。
チェックアウトは13:00。
さっさと帰るのか?チェックアウトギリギリまで粘って駅で1時間待つのか?
到着早々ファイナルアンサーを求められたのである。

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