イポーもやしの写真では伝わらない魅力@ペナンマレーシア | 『CMFデザイナーの食観察記』
工業製品のCMFデザイナーを生業とする私。
昨年8月に訪れたマレーシアのペナンで食べた映えないのに主役級であるイポーもやしについてぜひ伝えたい。
小さい頃から、もやしが好き。
もやし炒め、もやしサラダ、鍋のもやし、ナムル。
豆部分の食感に特徴ある豆もやし、ピーナッツもやし。
細もやしや、アルファルファ、ブロッコリースプラウト。
色々あるけど大体好き。
そんな私が去年の夏、マレーシアのペナン島でだいぶ主張の強いもやしに出会った。
きっかけはGrabだった。
ホテルで夕飯をどうしようかとデリバリーアプリを眺めていると、
「イポー麺」
というメニューが目に入った。
イポー?
料理名かと思ったら、どうやらマレーシアの都市の名前らしい。
もやし好きとしては気になる。
アプリ上では写真掲載がなくちょっと心配。
ご当地ものを食べたい私としては、ペナンからだいぶ離れたイポーの食べ物をここで注文するべきかも迷わせる要素だった。
でもせっかくなので注文してみることにした。
届いた料理を見て最初に思ったのは、地味だけどワクワクする!何この短いもやし!

醤油と油がメインの味付けでやや甘さもある
写真も撮ってはあったのですが当時は誰かに見せるつもりがなかったので、ただの思い出し用。美しくなくてすみません。
観光地であるペナンには、見た目整えられた素敵なメニューも沢山あるけどそれとは対極にいる。
見せるために撮ったとしてもきっとそんなに映えてないと思う。
まず一口。
食感が違う。
シャキシャキではない。
ポキポキ?
パキッ?
うまく表現できないのだけれど、日本で食べるもやしとは明らかに違う。
太くて、水分が多くて、噛んだ時の存在感がある。
そして麺も美味しい。
つるっとした太麺が、このもやしとよく合う。

日本にももちろん「もやしラーメン」があるけど、あれはまだ主権はラーメン側にある。
現地でなんと呼ばれているかはわからないが、イポーもやし麺は、明らかにもやしが主役。
この料理に出会えたのはGrabのおかげだと思う。ペナンのガイドブックだけを頼りに旅をしていたら、きっと選ばなかった。
イポーという地名さえも知らなかったが、この出会いをきっかけに興味が湧いてしまった。
食感、それは写真に映らない。
素材そのものは、もやし。
誰もが知っている身近な食材である。
それなのに、食感が変わるだけで特別な存在になる。
CMFデザインの世界でも似たことがある。
同じ樹脂でも、表面の仕上げや触った時の感覚が変わるだけで、人が受ける印象は大きく変わる。
私たちCMFデザイナーはその僅かな差を作り込むのが仕事。
機能的で、質感高く感じてもらえる様にしてる。
でも.....触感は写真に映りきらない。
きっと細かすぎて伝わらないレベルの仕事。
実際に製品を買ってもらい日常に入り込んで、こっそりと使い勝手に貢献してるけど、良いCMFほど気付かれにくいくらい自然に存在する。
イポーもやしを食べながら、そんなことを考えていた。
なんでも分かった気になってしまう、AI時代。
その中でも私たちの仕事ってまだまだ価値がありそうかなと、思えたもやしとの出会いでした。
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