【イラスト小説】コードの果て【#38】第6章 Reverse - 影の訪問者|光と闇のAIバトル

カシアは会議で使う資料の修正を進めていた。
「ふう、なんとか間に合ったわ……そろそろ会議の時間ね。」
「そういえば、レオンは大丈夫かしら。徹夜してるみたいだけど、体も大事にしてもらわないと……」
カシアはデスクのモニターから特殊部隊のチャンネルに接続した。
「ゼロ。レオンの様子を見に行ってほしいの。具合が悪そうなら、しばらく休暇を取るように伝えて。」
ゼロが短く答える。
「了解。出動します。」

薄暗い開発室。
レオンはキーボードを叩きつつ、背後に冷たい視線を感じて振り向いた。

そこには黒い戦闘服の女性が立っていた。ゼロだ。
「げっ! ゼロ! なんでお前がここにいるんだよ!」
ゼロが冷たい声で応える。
「お前がさぼっていないか、確認に来た。」
「さぼってねーよ!! ちゃんとやってるだろ!」
レオンは大げさに肩をすくめてみせたが、すぐに真顔に戻った。
「そういえば、聞きたいことがあるんだ。」
「なんだ。」
「なんで企業にお前みたいなのがいるんだ? 特殊部隊みたいじゃん。」
ゼロはわずかに眉を寄せた。
「クロノヴェクス・インダストリーズは急成長した。そのことを快く思わない者も多い。会社を潰そうとしたり、カシア様の命を狙おうとしたり……それらを防ぐためだ。」
レオンは静かに頷いた。
「なるほど……大変なんだな……」
そのまま彼は淡々と作業に戻った。
キーボードの音だけが部屋に響く。
ゼロは無言でその様子を眺めていたが、やがて小さくつぶやいた。
「……大丈夫そうだな……」

レオンが再び振り向いた。
「見られていると気が散るんだ。帰ってくれないか。」
しかし、そこにゼロの姿はもうなかった。まるで最初から誰もいなかったかのように……
レオンは目をぱちくりさせた。
「消えた!? 忍者かよ!」

レオンの頭の上に、一枚のメモがひらりと落ちてきた。
「……ん!? なんだこれ?」
メモには短いメッセージが書かれていた。
"Take care of yourself."(体に気をつけて)
