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【イラスト小説】コードの果て【#35】第6章 Reverse - 才能の選択|光と闇のAIバトル

イラスト小説「コードの果て」ゼロにバンから降りるよう命令されるレンの画像。「コードの果て」で検索!

バンがクロノヴェクス・インダストリーズ本社の地下駐車場に滑り込んだ。
エンジン音が消え、ドアが開く。
ゼロが先に降り、レオンを引っ張り出すように促した。

「降りろ。」

レオンは足を踏み出し、周囲を見回した。
広大なコンクリートの空間に、数台の黒い車両が整然と並んでいる。

空気は冷たく、金属とオイルの匂いがした。

イラスト小説「コードの果て」地下駐車場のエレベーターに乗り込むゼロとレオンの画像。noto、小説家になろうで連載中。「コードの果て」で検索!

「ここはどこだ?」

ゼロは答えず、レオンの背中を軽く押してエレベーターへ向かわせた。
顔認証が瞬時に通り、最上階へ上昇する。

エレベーターが止まり、重いドアが開く。
最上階の廊下は静寂に包まれ、足音だけが響いた。

イラスト小説「コードの果て」CEO室の認証パネルに話しかけるゼロの画像。「コードの果て」で検索!

ゼロがCEO室の前に立ち、ドアの横にある認証パネルに短く話しかける。

「対象を連れてきました。」

静かな声が返ってきた。

「入りなさい。」

ドアが開き、ゼロがレオンを押し込む。

イラスト小説「コードの果て」CEO室でレオンを出迎えるカシアの画像。「コードの果て」で検索!

デスクの向こうに、カシアが立っている。
銀色の髪が照明に輝き、瞳は深く静かだった。

レオンは思わず息を呑んだ。
テレビやネットで見た「カシア」の顔。

世界有数のIT企業のCEO。
今目の前にいる女性は、圧倒的な存在感とカリスマを放っていた。
カシアはゆっくりとデスクを回り、レオンに近づいた。
視線が彼を捉える。

「レオン・ヴァレン。」

彼女の声は穏やかで、しかし部屋全体を支配する響きがあった。

「ようやく会えたわね。」

レオンは喉を鳴らした。

「会えたって……俺を拉致してまで? 何のつもりだよ。」

カシアは微かに唇を曲げた。
それは微笑みとも、冷笑ともつかないものだった。

「あなたの才能が欲しいの。」

彼女は一歩踏み出し、言葉を続けた。

「グラン・ラボラトリーズ社であなたが作った適応型学習アルゴリズム……あれは素晴らしいわ。
なのに、才能を腐らせたまま、借金取りに追われて終わるつもり?」

レオンは目を逸らした。

「関係ないだろ……俺の人生だ。」

「関係あるわ。」

カシアの声が少し強くなった。

「私は、優秀な人間が腐っていくのを、見ていられないの。
あなたに選択肢をあげるわ。

ひとつは、このまま才能を腐らせて逃げ続ける。

もうひとつは、ここに残って、私の下で働く。
報酬も、借金の肩代わりも、すべて私が面倒を見るわ。
――そして、二度とあなたの才能を無駄にさせない。」

レオンはカシアの瞳を見つめ返した。
そこにあったのは、冷たさだけではなかった。
深い、底知れぬ決意のようなもの。

「……本気か?」

カシアは静かに答えた。

「本気よ。あなたが選びなさい、レオン。このまま腐るか、それとも、私と共に、世界を変えるか。」

二人の間に、張りつめた空気が流れた。


次回【#36】クロノスの胎動

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