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なぜ9回も電話したのに!?─【ストーカー被害と110番の誤解②】

川崎ストーカー殺人事件で、被害者の女性が警察署に何度も連絡を入れていたという事実は、報道の中でも繰り返し取り上げられた。
しかしその「9回」は、事件の抑止に結びつくことはなかった。

被害者が9回も電話していたのに、なぜ届かなかったのか。
前編で見えてきた“通報の盲点”の先には、さらに多くの「違和感」が残されていました。本稿では、報道では語られなかった“対応の空白”と“責任の所在”を、静かに追っていきます。

▽前編はこちらです


〇それにしても9回も電話したのに・・・

川崎ストーカー事件では、被害者の女性が行方不明になる前に、9回にも渡り警察署に「電話を掛けていた」事実が判明しています。

それにまつわるボタンの掛け違いをあれこれ説明はしましたが、それにしても、9回も警察に電話をして一度も担当刑事に繋がらなかったというのも極めて不自然な話ですし、

繋がったとしても緊急時は110番通報をするように被害者に指導しなかったのかとの疑問も残ります。また、「電話番」かも知れませんが警察官には違いない電話交換台が、その異変を察知できなかったというのも違和感を感じるところです。

一方で、そんな状況が最悪の結果を招いたであろう、たくさん絡まり合った問題点の一つであることに間違いはないものの、被害者が被害を取り下げたり(それをしてはいけない理由は参考コラムを是非お読みください)、

警察署に来るよう何度申し向けても来なかったというような、一部被害者の行動にも問題があったかのような内容も報じられており、それらの情報の数々は、前回のコラムでも少し触れたように、私にこの種の事件の取り扱いが如何に困難を極めるのか改めて痛感させるものです。

〇おわりに

令和5年における、全国警察で認知されたストーカー相談件数は約2万件で、その内それに関連する刑法犯等で検挙した件数は約1,700件、更にその内殺人未遂で逮捕に至った件数は18件で、既遂に至っては0件です。

これは、先に述べたような通報システムをはじめ、ありとあらゆる捜査手法やノウハウを駆使して、令和5年中、全国警察は2万件ものストーカー案件を、最終的には殺人被害0件に防いだ、という事実を示す証左でもあります。

川崎ストーカー事件は、図らずも、ストーカー被害者と警察の捜査について、あらゆる問題を私たち国民に向けて提起する機会になってしまいました。

このコラムをここまで読んで下さった方の中には、筆者はつまるところ何が言いたいのだと疑問を抱いた人もいることでしょう。
筆者自身も、書き始めたころはもっと警察の問題点を浮き彫りにし、より警察批判に特化したコラムにしようと考えていました。

しかし、事件の報道内容や自分の過去の経験、また具体的なデータなどを総合的に踏まえ考察すればするほど、生半可警察内部の事情を知っているだけに、それを防ぐのが如何に難しかったか、

また、そうは言っても、やはりもっと事件化に向け積極的に行動を起こすタイミングがあったではないかなど、あらゆる思いが交錯して、決定的な問題解決案、絶対的指摘ができないのが実に心苦しいところです。

とは言っても、筆者はアナリストとして、今後もこの事件を、あらゆる角度から分析していくことに変わりはなく、これからも機を観てみなさんにご説明したいと考えております。

せめて、今回は、先に紹介した110番通報を効果的に活用することで、一件でも多くのストーカー被害が未然に防止に繋がるよう願ってやみません。

またお会いしましょう!

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