『ホラーが書けない』7話 ホラーの登場人物に霊感が標準装備されてるのはなぜ?【Web小説】
第7話 ホラーにおける異能について考えてみた
ホラー小説を書きたいが、どうも恐怖がうまく描写できない。こんなときは外部からの情報、参考になる資料が必要だ。執筆を中断し、加入している動画配信サービスを使ってホラー映画を鑑賞することにした。
幽霊が登場するホラー映画は、登場人物たちが霊感をもっている前提が多い。鑑賞している映画も最初から幽霊が視える設定で、零感の俺には少し納得いかない。
不満があったことと海外の作品で現実味を感じなかったせいか、ホラーランキング1位の映画を見てもあまり恐怖を感じなかった。
異能をもたない者にとっては謎すぎる「霊感」。体験できないから情報を集めて想像するしか方法はなく、ホラー小説を書くには知識が必要だ。そこで俺なりにホラーに関係する異能を調べてみた。
小説や漫画、映画にネット動画など、いろんなところから情報収集していくうちに、異能を分類できることに気づいた。
まとめたものを紹介するが、あくまで個人の意見だから「こんなふうに考えているんだ」と参考程度にしてくれよな。
※ 注意 ※
一.異能とは変わった能力のことを指す
二.異能者とは霊感がある人を指す
三.異能者はいるという設定
ホラー作品の登場人物は次の異能を標準でもっていることが多い。
霊体が視える
霊体の声が聴こえる
ホラー作品で俺が真っ先に違和感をもつのは、登場人物たちが「視覚」と「聴覚」で霊体を感知できる異能をもっていることが前提になっている点だ。
しかも能力は高く、「こんな幽霊がいて」「こう言っていた」など、霊体をまるで生きている人のように感知できている。
この標準装備となっている視覚と聴覚の異能は、かけ合わせで違いがでることがある。
パターンA: 視えるし聴こえる
パターンB: 視えるけど聞こえない
パターンC: 見えないけど聴こえる
異能者の多くはパターンAだが、BとCの異能者が登場する作品も多い。例えばこんなシチュエーションだ。
パターンB(視えるけど聞こえない)
例 『亡くなった親族が夜中に部屋に現れてこちらを見ている。口を動かしてなにか言っているけど、言葉は聞き取れない』
パターンC(見えないけど聴こえる)
例 『自分以外にはだれもいない空間なのに、ぶつぶつと文句を言っている声だけが近くから聴こえてくる』
視る異能があれば、表情や動作から喜怒哀楽を読み取ることができる。聴く異能があれば、発した言葉から考えがわかることもある。つまり異能をもっていれば妖の言動を分析できることにつながるわけだ。
そう考えると、エンターテインメント作品の登場人物たちが、視えて聴こえる「霊感あり」が標準となっているのも納得できる。霊感がないと物語が進まないからな。
わかりやすい異能から紹介したけど、異能は視覚と聴覚だけではない。視覚と聴覚にプラスするかのように次の異能がある。
① 霊体は見えないがニオイがする
② 霊体から攻撃されたりふれられたりする
③ 見えないモノの味を感じる
①は「嗅覚」、②は「触覚」、③は「味覚」のことだ。例をあげると、『なにもないところで線香のニオイがした』や『誰もいないのに腕をつかまれた』というホラー体験などだ。
ホラーを映像作品にする場合は「だんだんと危険が迫ってくる」設定の視覚と触覚を使ったわかりやすい恐怖が多い。このタイプは観る側が共感しやすいから人気作にもなっているように思える。
対して味覚に関するホラーは圧倒的に数が少ない。それでも『幽霊の血反吐が顔にかかり、口の中で血の味がした』というホラーがあったから0ではないようだ。
これまでをまとめてホラー作品に登場する異能者を★で表現したら、こんな感じかな。
異能者の能力値
視覚:★★★★★
聴覚:★★★★
触覚:★★★
嗅覚:★★
味覚:★
★の数=よく登場する異能
そうそう、ホラー作品には悪霊などを祓える霊能者や、妖を操れる霊能者、道具を使って探知したり祓ったりする霊能者なども登場するけど、そこまでくると完全に俺のキャパをオーバーしているので除外している。
零感の俺には霊体を感知する仕組みを知る術がない。そこで異能者は「なにを基準に霊体を感知しているのか」に注目して五感で分けてみたけど、やっぱり霊感のある人がどんな世界を見ているのかはわかりにくいなあ。
映画を観て執筆の足がかりにしようとしたのに、またしても俺はホラーが書けないまま悶々とするはめになった……。
▼Web小説『ホラーが書けない』をまとめているマガジン
