「思いっていうのは、言葉にしないと伝わらないのに」|葬送のフリーレン
アニメ『葬送のフリーレン』では、しばしば異なる場面で異なるキャラクターが、ほぼ同じ意味のセリフを言うことがある。
ここ何回かにわたって書いてきた「相互理解」に関しても、繰り返し耳に残り、私の心に留まったセリフがあった。
それが、S1E12『本物の勇者』 でシュタルクの誕生日を祝う際に、フリーレンが言う以下のセリフだ。
思いっていうのは、言葉にしないと伝わらないのに。
これは、フリーレンがシュタルクの誕生日に「ばかみたいにデカいハンバーグ」を焼いた際、不器用なアイゼンに言及して言ったセリフだ。
シュタルクは今まで、自分は誕生日プレゼントをもらったことがない、と思っていた。
しかしフリーレンから、アイゼンは頑張っている戦士を労うつもりで、誕生日プレゼントとしてシュタルクにハンバーグを焼いていた、という話を聞く。
不器用なアイゼンは、自分が作るハンバーグが誕生日プレゼントであることを、シュタルクに伝えていなかった。
シュタルクはこのとき、兄のシュトルツもアイゼンと同じように、毎年シュタルクの誕生日に「ばかみたいにデカいハンバーグ」を作ってくれていたことを思い出す。
師匠も兄も、毎年自分に誕生日プレゼントを贈ってくれていたことを、ここで知るのだ。
自分の気持ちを言葉にしてシュタルクに伝えなかったアイゼンについて、「戦士ってのは不器用だね」と話すフリーレンに対し、フェルンは少し呆れたように「フリーレン様がそれを言うんですか」と返す。
しかし別の場面では、フェルン自身が似た言葉を受け取る側にまわるのだ。
S1E14『若者の特権』では、今度はフェルンの誕生日の様子が描かれる。
シュタルクがフェルンへの誕生日プレゼントを買わなかった、という理由でフェルンが怒り、シュタルクとフェルンは喧嘩をしてしまう。
その際に2人の仲裁に入ったザインが、フェルンに以下のような言葉をかける。
仲直り、したいんだろ?
思いってのは、言葉にしないと伝わらないんだぜ。
このあとフェルン、シュタルクの2人は話し合い、シュタルクが「プレゼントを一緒に買いに行きたい」と思っていたこと、フェルンも怒りすぎたことを反省していることを打ち明け合い、仲直りする。
シュタルクとフェルンが、それぞれ、自分の誕生日というタイミングで「思いは言葉にしないと伝わらない」というメッセージを受け取る。
この対になる構成が、私はとても好きだ。
そしてもしかしたら、2人がお互いに対して感じているほのかな好意についても、暗に指しているのかもしれない、と想像してみたりする。
そうであればきっとこの先、2人は伝え合うのだろう。
2人とも、「思いは言葉にしないと伝わらない」ことを、学んだのだから。
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