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【バリ島旅行記 第2話】怒りの妻と秘密のジンバル。そしていざ、ギリ島ミッションへ

俺がマレーシアの空港で旅情に浸っていた頃、一足先にバリ島へ上陸したよもぎは、孤独で過酷なミッションに挑んでいた。

バリ島に到着したよもぎからの最初のLINEは、とても弾んでいた。 『空港から歩いて行ける距離に繁華街があって、すっごく便利!最高!』 ここを拠点にすれば楽勝だ、と彼女も俺も思っていた。しかし、本当の地獄はそこからだったのだ。


よもぎ談:予め日本で購入していた物理SIMを、デンパサール空港で設定したものの、うまくスマホがつながらず。。
どうしようと悩んだ末、空港からホテルまでのGoogleマップのスクリーンショット(日本でスクショしていたもの)のみで、なんとなくで歩き、最後迷った先にあったお店の人に道を聞いたら、目の前にホテルがあったとか。本当にすごい。



ギリ島へ向かうには港から船に乗る必要があるのだが、その港が空港のある繁華街ウブドから遠かった。おまけに、そこへ直行するような便利な路線バスなど走っていない。 異国の地で、頼れるのは己の足と交渉力のみ。よもぎはインターネットを駆使したり、バリ島の熱い日差しの中を歩き回り、現地の旅行会社やチケット売り場を駆けずり回ったらしい。 その結果、持ち前の根性とプロジェクトマネージャー顔負けの調整力で、ギリ島へのボートのチケットと、前泊するための港近くのホテル(一泊2人で4,000円)を見事にもぎ取ってきたのだ。

そんなよもぎの壮絶な苦労など露知らず、俺はついにバリ島のデンパサール空港に降り立った。 到着ゲートを抜けると、そこには2日ぶりの妻の姿があった。本来なら感動の再会、あるいは「長旅お疲れ様!」「チケット手配ありがとう!」と抱き合うシーンだろう。

しかし、俺の手には「ある秘密兵器」が握られていた。 実はこの旅のために、よもぎに内緒でスマートフォン用の『ジンバル(手ブレを抑えて映画のように撮影できる機材)』を購入していたのだ。 「おーい!よもぎー!」 俺は意気揚々とジンバルを構え、再会の感動をYouTuberさながらの滑らかなカメラワークで撮影しながら彼女に近づいていった。

レンズの向こうのよもぎの顔が、みるみるうちに無表情になっていくのがわかった。 「…… なにそれ。買ったの?」
「いや、これでギリ島の綺麗な海を撮ったら絶対最高だと思って……」 感動の再会は、呆れ果てたよもぎの冷たい視線によって幕を開けた。とはいえ、大雑把な俺が家の鍵を開けっ放しにすることもなく、無事にバリ島で合流できたのだ。最後は二人で笑い合い、バリ島のクタエリアへ歩き出した。

空港から歩いてクタビーチにも行けるし、ショッピングモールで両替をして、ブラブラした。

クタビーチ
クタのエリア
バリって感じの建物がいっぱい

今回、俺たちのスケジュールにはある戦略があった。 「俺が合流してからの前半4泊をギリ島にあてて、後半でウブドに行く」というものだ。 ギリ島への船旅は、天候や波の高さ次第で容赦なく欠航になる。もし旅の後半にギリ島を組み込んでいて、帰りの船が欠航になれば、日本へ帰る飛行機に乗り遅れてしまうという最悪のリスクがあった。 「船旅は、スケジュールに余裕がある前半に組み込むべし」 よもぎが叩き出したこの危機管理スケジュールが、のちに別の意味で俺たちの命を救う(?)ことになるとは、この時のジンバル男は知る由もなかった。

夕食
クタビーチからの夕陽
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