七夕のクーリングオフ
時が経つのはあっという間。
つい先日、クリスマスがあったばかりなのに、もうすぐ七夕。
今回は私の思い出話。
当時、保育園児だった私。
園のイベントで、七夕の短冊に願いを書くことになった。
他の園児達が、思い思いの願い事を順調に書いていく。
ある人はケーキ屋さん。ある人はJリーガー。
そういう子供らしい夢を書いているのを見て、当時の私はこう思った。
「いや~…現実的には厳しいんじゃない?なかなかなれるもんじゃないと思うけど…」
こんな風にひねくれていたから、将来の夢を書くのに苦戦した。
周りの園児は、一人、また一人と短冊を提出していく。
謎の焦燥感が出る。
園児にとって、仕事みたいに感じたのかも。
早く提出しないと…
私は何になりたいのか真面目に考えたが、どうにも決められなかった。
最後に残ったのは私だけ。
あまりにも長く迷ってたから、先生が心配して見に来てくれた。
「どうしたの?なりたい職業が見つからないの?」
「うん…」
「そう。でもなんだっていいんだよ。例えば、お医者さんとかパイロットとか…」
「じゃ、パイロット」
私の返事が適当に見えたのだろう。
優しく寄り添ってくれた先生の態度が変わった。
「アンタねぇ!パイロットなんて簡単にはなれないんだから!
う~んと沢山勉強しないといけないの!ちゃんと分かってる?」
(……?)
先生は子供達に、純粋な夢を書いて欲しかったのだろう。
打算や手抜きじゃない、キラキラした夢。
私が雑に決めたのが良くなかったのかも…
当時の私は、子供ながらにそう思った。
今振り返ると、当時園児だった私は、先生にこう言いたかったのかもしれない…
「おいおい、ネエちゃん。
将来の夢ったって、そうそう簡単に決まるものじゃないぜ?
どだい、俺はまだまだ未熟な青二才。
知ってる職業にも限りがある。
花屋やケーキ屋、そういったシノギにも大して興味がわかねぇし、ポリ公やセンコーになんざ、なりたかねぇ。
まぁ、ただ…Jリーガーやアイドルなんかを夢見れない程度には現実を解っちまってるだけ。
今日は七夕。
もう少し夢を見させてくれよな…
5才の俺に、現実はまだ早い。
やれやれ…
これだから、大人ってヤツはよ。
どっちのケツが青いのか知れたもんじゃねぇな。
…ま、とりあえず、ネエちゃんの勧める、パイロットってヤツに決めてみるぜ。」
時代は遡り、当時の会話。
「アンタ、本当にパイロットになりたいの?」
「うん…」
「本当?たくさん勉強しなきゃいけないけど、それでもなりたいの?」
「うん。パイロットになる。(こうでも言わないと、決まらねぇだろうが)」
こうして、私の将来の夢は、ひとまず、なりたくもないパイロットに決まった。
でも、次の年の七夕には、あっけなく夢は変わった。
「産業廃棄物処理の仕事」みたいな事を書いた。
テレビかなんかで観た、環境問題とかを真に受けただけだったはず。
怒られる前に願い事を提出できて安心した記憶がある。
今年の七夕の願い事は何にしよう…
竹に入った水羊羹が食べたい、とかにしようかな。
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迷ってばかりなのも問題があるかも…
