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太極剣は身体の一部になるのか?ー 宇宙最強の剣士と剣を交える

ふと思った。

相手を想定すれば、
太極剣がもっと面白くなるのではないか?

相手は……最強の剣士がいい。

ダグラス・カイエンか。

その日から、
宇宙最強の剣士と太極剣の練習を始めた。


開始して二週間頃の話である。

太極剣の練習は快調だった。

そもそも私は、
剣を握ること自体が快感だった。

数か月前に始めた太極拳は、
半ば置き去りになっていた。

太極拳と同じく、
太極剣もYoutubeを相手に独学で進めていた。

最初に参考にしたのは、
中村げんこう氏の動画。

分かりやすい。

しかし、遅い。

次は竹内健二氏の動画。

こちらは速かった。

当時の自分には、
こちらのほうが合っていた。

速いと、
テンポよく技を繋げられる。

動きも覚えやすい。

そして何より、
速いほうが楽しい。


太極剣には、
旋転平抹という技がある。

身体を回転させながら、
周囲をなぎ払うように斬る技だ。
それも360°!!!
知らなければ想像もつかない技。

私はこの技を見た時、
「これは正に飛燕剣だ」
と思った。

宇宙最強の剣士、
ダグラス・カイエンの技である。

漫画『ファイブスター物語』に登場するキャラクターだ。

その日から、
宇宙最強の剣士と戦いながら、
太極剣を練習するようになった。

左右弓歩欄で剣を受け、
撤歩反撃で翻弄し、
弓歩直刺でトドメを刺す。

そんな妄想をしながら、
剣を振っていた。


今思えば、
かなり雑だったと思う。

速度を優先し、
動きも荒かった。

だが、
その頃はそれで良かった。

とにかく楽しかったのである。

しかし後に、
私は気づくことになる。

それは、
太極剣の表面を追っていただけだった。

このやり方では、
意識は外へ向かう。

身体の内側には、
向かわない。


(つづく)


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