ヘミシンクと太極拳の融合 ― 小周天で意識が深くなった体験
仕事からの帰り道だった。
私は変性意識状態であるフォーカス12に入ったまま歩いていた。
意識が静まり、身体感覚が少し変わるあの状態である。
その時、腕の動きに妙な軽さを感じた。
力を入れているわけではないのに、自然に動くような感覚。
ふと思った。
意識が身体に影響するのなら、
逆に、身体も意識に影響するのではないか。
同時にもう一つ、
頭に生じたエネルギーが腕へ広がる感覚もあった。
頭のエネルギーが身体に伝わったような感覚。
その時、ある記憶が蘇った。
二十年ほど前、
ヘミシンクと出会う前に読んだ気功の本。
そこに書かれていた「小周天」という方法。

丹田のエネルギーを背骨に沿って頭へ伝え、
前面を通して丹田へ戻す。
エネルギーを循環させる技法である。
いま感じている現象と、
どこか共通しているのではないか。
そう思った。
試さない手はない。
私はすぐに実験を始めた。
フォーカス12に入る。
丹田に意識を集中する。
丹田に宇宙をイメージする。
ここはヘミシンクで鍛えたイメージ力が活きた。
お腹の存在が消え、
丹田の付近に生じた宇宙に、
大腿骨と背骨が生えているような、
変な感覚が生まれた。
そこからエネルギーをイメージして、
背骨付近(督脈)を通して頭へ上げる。
頭部に到達した瞬間、
確かな感覚、頭のなかでフワッーとひろがるような感覚があった。
そして、そのエネルギーを丹田におろす。
本来は身体前面(任脈)を通すのが正しいらしいが、
うまくできないので背骨を通しておろした。
それでもエネルギーは明らかに増幅しているように感じた。
そして、再度、頭へエネルギーを上げた、その瞬間だった。
変性意識の広がりが急激に強くなった。
苦しい。

意識の体積が、
頭蓋骨の内側に閉じ込められているような感覚。
フォーカス12から15へ移行する時に似ているが、15に入れず苦しむ感じといえる。
まるで意識が膨張し、
物理的な容器、つまり、頭蓋骨に押し込められているようだった。
不安になり、
私は状態を解除した。
コントロールできなかった。
しかし、
明白な効果があったことだけは確信できた。
もう一度挑戦した。
頭蓋骨の制限を感じた瞬間に
頭の力を抜いた。
こめかみから息を吐く感覚に近い
すると、すーっと外へ広がる。
まさにフォーカス15の感覚。
前回の経験で、
何が発生するかわかっていたので、
冷静に対応できたようだ。
しばらくその状態に留まり、観察した。
すると次の制限が現れた。
今度は部屋の大きさだった。
意識が、
部屋の壁と同じ範囲までしか広がらない。
物理的な境界が、
そのまま、意識の境界になっているようだった。
物理世界が、精神世界に具体的に影響する???
不思議な体験だった。
しかし後から思えば、
それは「壁」という現実世界の概念が、
そのまま意識に影響していたのかもしれない。
その後、
一週間、一か月と続けるうちに、
この制限はいつしか消えていた。
私は理解した。
身体を使うことで、
変性意識状態を深化させることができる。
小周天には大きく三つのメリットがあると言われている。
① 変性意識状態の深化(最も重要)
② 瞑想の洞察力向上
③ 身体パフォーマンスの向上
このうち①は、
すでに体験として確認できた。
今後、
②と③を体感できる日を目指し、
私は小周天を続けていくことになる。

この後、小周天によって深まった変性意識状態で、私は瞑想を行った。その変化は確かだった。
しかし――
それが後に太極拳と結びつき、
さらに身体感覚を変えていくことになるとは、
この時の私はまだ知らなかった。
小周天を続ける中で、私は一つの確信を得ていた。
身体を使うことで、意識の深さは変わる。
これは理論ではなく、自分の体験としてはっきり存在していた。
しかし
エネルギーは循環している。
意識も確かに深くなる。
それでも、もっと外へ広がる
可能性があるのではないか。
そんな気がした。
そして、
気功の本の中で見た、
もう一つの言葉を思い出した。
大周天。
身体の内部だけでなく、
外界とつながる循環。
エネルギーの流れが、
身体の枠を超えて広がる状態。
小周天に成功した今、
大周天に挑戦するときが来た、
と感じた。
次は大周天体験のお話。
(続く)
このnoteは、
「意識」と「身体」、そして「その先」を探る記録です。
まだ結論は出ていません。
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