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瞑想:心の中の彼女④ ー 触れてはいけない領域

一度もその鍋を食べたことがない。

湯気が立ちのぼり、香りが広がる。
「美味しそうだ」と、毎回思う。

私は、何度も同じ場面にいた。

森の中の隠れ家。
囲炉裏の前に座り、彼女が鍋を作っている。


彼女が瞑想に現れるようになってから、
3か月ほどが経っていた。

瞑想の内容は、毎回ほとんど同じだった。

森の中の屋敷を訪れる。
彼女が囲炉裏で鍋を作ってくれる。

少し言葉を交わす。
静かで、穏やかな時間が流れる。

そして、食べる前に瞑想が終わる。

毎回美味しそうな鍋を作ってくれるのです。

それでも、私は満たされていた。

彼女がそばにいるだけで、
深く癒されていたからだ。


私は、それを疑わなかった。

深層意識が求めている状態が、
そのまま現れているのだろうと考えていた。


だが、あるとき、違和感に気づいた。

「なぜ私は、この鍋を食べられないのか?」

目の前にある。
美味しそうだと思っている。

だが、毎回、そこで終わる。

そして、それで満たされている。

本当にそうなのだろうか。


私は内観した。

この関係は、どこか一方的ではないか。

彼女は与えてくれる。
私は受け取る。

だが、その先に進もうとしていない。

なぜか。

そこに、触れてはいけない領域がある気がした。


そのとき、理解した。

これは単なる癒しではない。

自分の内側にある何か、
今まで触れてこなかった何かと、
向き合い始めている。


では、それは何なのか。

さらに内観を深めた。


なぜ、彼女はこれほど自分を満たすのか。
なぜ、ただそこにいるだけで安心できるのか。

そして、ひとつの結論に至る。

これは、自分の中の女性的な側面だ。

人の心の中には、
異性的な側面が存在するとされている。

それは理想像ではなく、
感情や受容といった、より根源的な領域に関わるものだ。

心理学では、これを「アニマ」と呼ぶ。

あの女性は、まさにそれだった。


そう理解したとき、
この体験の意味は変わった。

癒されていたのではない。

自分の内側にあるものと、
触れ始めていたのだ。


そのとき、ある記憶がよみがえった。

ふと、愛読書 ヘルマンヘッセの「シッダールタ」を思い出した。

苦行に意味を見出せなくなったシッダールタは、
世俗に戻り、女性カマーラと出会う。

そして、彼女との関係を通して、
欲望や愛、執着を経験していく。

それは堕落ではなかった。

人間としてのすべてを通過する過程だった。


そう考えたとき、私は確信した。

カマーラは、シッダールタにとって、
欲望を通して内面へ導く存在だった。

つまり、アニマだったのだ。


私は思った。


自分もまた、
同じ過程に立っているのではないか。

目の前にあるもの、
つまり彼女に触れること。
そこから逃げないこと。

それが、次の段階へ進むために必要なのではないか。


そう考えたとき、
「食べていない」という事実の意味が、
初めて見えてきた。

私は、まだ踏み込んでいないのだ。


この体験は、まだ続く。

次回、私はその一歩を踏み出すことになる。

(続く)


このnoteは、
「意識」と「身体」、そして「その先」を探る記録です。

まだ結論は出ていません。
だからこそ、書き続けています。

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この回の前のお話↓
▶ 内面世界・心の中の彼女シリーズ(第3話)
内面に現れる風景や存在との体験を描いています。
この前のお話↓↓↓

この次のお話↓↓↓

▶旅でふと感じた(第一話)

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また、コメント頂けると大変うれしいです。

▶ キンドル本を初出版しましたシリーズ(第一話)

▶ 自己紹介

▶ ヘミシンクで何かが起き始めた人へ(第1話)
「ヘミシンクで何も起きない人へ」の完結直前に気づきがあり書いています。何か起き始めて直面する壁のようなものについて書いています。

▶ ヘミシンクで何も起きない人へ(第1話)
長期実践の中で得た感覚をもとに書いています。ヘミシンクをしている人なら共感してもらえる内容ではないかと思います。ぜひどうぞ。

▶ ヘミシンク○年シリーズ(第1話)
長期実践の中で起きた意識の変化や体験を記録しています。

▶ 気功に失敗したシリーズ(第1話)
25年前に気功に挑戦して失敗した話です。
しかし、それは今のヘミシンク、太極拳等の基礎になっているようです。

▶ 太極拳シリーズ(第1話)
太極拳をとおして、意識と身体の関わりについて感じたことを記録しています。

▶ 半生まとめ
これまでの私の人生の流れをまとめた記事。ここからすべてが始まります。

▶ AIシリーズ(まだ1話のみです)



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