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「自分でやるにはどうしたらいいですか?」〜臨床19年目PTが語る、行動変容を引き出す“魔法の一言”と、その裏側〜

■ はじめに:「この一言」を引き出せていますか?

「先生、自分でやるにはどうしたらいいですか?」

この一言が、患者さんの口から自然に出てくるとき。
それは、“行動変容のスイッチ”が入った瞬間です。

臨床19年、外来リハビリに特化した実践の中で、私は数えきれないほどの症例と向き合ってきました。
そしてわかったのは、どれだけ技術を駆使しても、人は自分の意思で変わろうとしない限り変われないという事実。

「病院に通うことが目的になっているA氏」
「痛い場所を聞いても教えてくれず、マッサージ目的のB氏」
「リハビリ中に寝るC氏」
どの方も受け身になりがちな方々です。

そのため、
「やる気を引き出す」ではなく、
「やりたい」と思わせる関わりを作れるか。

この記事では、私が実際に意識している考え方や関わり方、そしてこの一言を引き出すために行っている具体的な行動を、全てお話しします。

なぜこの記事を書くに至ったのか
それは病院で入院患者さんへのリハビリと外来通院の患者さんではアプローチ方法が大きく異なるということに気付いたからです。
そこに気付くまでに約10か月も要しました。
でも、この記事を読んでいればその10か月が半分の5か月になるかもしれない、その分もっと違うことにチャレンジできる時間が作れるかもしれないと思いました。
時間は有限です。
だからこそ、失敗をあえて踏む必要もありません。
先人の知恵である本を読むことはその人生を凝縮して学ぶことにほかなりません。
私の記事は稚拙な内容も多いですが、悩み・もがいた跡があちらこちらに書かれています。臨床経験19年目PTでもこのような状態なのです。それほど、理学療法士と言う職業は奥深いということです。
この記事が誰かの糧になれば幸いです
では、どうぞ。



■ 第1章:なぜ「自分でやるには?」が重要なのか?

「自分でやるにはどうしたらいいですか?」
この質問には、3つの重要な要素が含まれています。

  • 主語が「自分」(=能動性)

  • 依存ではなく、自律した意志(=内発的動機)

  • 解決策を“選ぼう”としている(=自己決定)

これは、自己決定理論(Self-Determination Theory)でいう「自律性・有能感・関係性」のうち、
特に**“自律性”と“有能感”が芽生えた状態**です。

人は「やらされている」うちは変わりません。
でも、「自分で選んでやりたい」と思ったとき、ようやく変わる準備が整います。


■ 第2章:「自分でやりたい」と思ってもらうための関わり方

この一言を引き出すために、私が日々の外来リハで意識していることを3つの視点でご紹介します。


①【悩みの共有】

“痛み”そのものより、“できなくなった生活”に注目する

私は、症状よりもまず「その人が困っている日常」に焦点を当てます。

  • 「階段が怖い」

  • 「孫を抱っこできない」

  • 「スーパーに行くのが億劫」

それに対して、「改善すれば何ができるようになるか」「どういう日常が取り戻せるか」を対話の中で共有します。

目的が「痛みをとる」ではなく、「○○できる体になる」に変わったとき、患者さんの内側にエネルギーが生まれるのです。


②【注目を引き出す】

評価・施術中に“わかりやすく伝える”工夫を

施術や評価の流れを丁寧に説明することで、患者さんの**「理解」と「納得」**が得られます。

  • 「ここが硬いと、代わりに膝が頑張ってしまうんですよ」

  • 「ここを少し動かせるだけで、〇〇がしやすくなります」

さらに私は、ネット画像やYouTubeを一緒に見ることで視覚的理解もサポートします。
「なるほど!」と理解できると、患者さんは自分の身体に関心を持ち始めます。
それが能動的な行動への第一歩です。


③【効果の“実感”を設計する】

再現可能な変化をその場で体験してもらう

ここが最も難しく、でも最も効果的な関わり方です。
私が重視しているのは、「施術を受けて楽になる」ではなく、
「自分でやってみて楽になる」経験をしてもらうこと。

  • セルフトレーニングをその場で一緒に実施

  • Before / After をわかりやすく比較

  • 「今、どこがどう変わった感じがしますか?」と気づきを促す

このように、「自分でも効果が出せた」という体験を積み重ねると、
自然と「これなら自分でもできそう」という気持ちが芽生えます。


■ 第3章:実際のエピソードから見る“行動変容の兆し”

◯ 50代女性・慢性腰痛のケース

何年も病院を転々としてきた患者さん。
初回では身体に触れず、じっくりと生活背景を聴きました。
3回目の来院で、こう聞かれました。

「先生、自分でやるには何をすればいいですか?」

この言葉をきっかけに、本格的なリハビリ開始。
週1回の通院+自宅トレーニングが始まり、
半年後には「ほとんど気にならない状態」に。

ポイントは、焦って指導しなかったこと。
そして、“聞かれるまで待つ”勇気を持てたことです。
すぐに手を入れて、結果を出したくなるんですが、そこはじっと待ちます。
まるで釣り師のように…


■ 第4章:やる気にさせるのではなく、“やる気になる仕組み”を作る

人のモチベーションは、常に一定ではありません。
一時的にやる気になっても、それが継続するとは限りません。
まるでダイエットのように、気持ちには“リバウンド”があるのです。

だからこそ必要なのは、気づきを日常生活に落とし込む仕組み


■ 習慣化のカギは「生活に溶け込ませる」こと

いきなりこう言われたら、あなたはどう感じますか?

「この運動を、朝昼晩30回ずつお願いします」

…正直、私も「続けられる自信はない」です。
それが普通です。だからこそ、こう考えます。

🔸 電子レンジの“チン”を待ってる間にもも上げを1回
🔸 お風呂上がりに、ドライヤーをかけながら踵上げを2回

たったこれだけでも、**積み重なれば立派な“習慣”**です。
その人の暮らしの中に入り込むようなトレーニング提案こそ、効果を継続させるカギになります。


■ 「やってません」に対して、否定してはいけない

「できませんでした」
「サボっちゃいました」
…そう言われたとき、絶対に責めてはいけません。

「やってないんですか?」
「ちゃんとやらないとよくなりませんよ」

こんな言葉をかけてしまえば、次はもう来てくれないかもしれません。

私たちは、「正しいことを教える立場」ではなく、
**“その人のライフスタイルにお邪魔している存在”**だという意識を忘れてはいけません。

「またやってみようかな」
「できなかったけど、話を聞いてもらえた」
そんな風に思える関わり方が、行動変容への道をつなぎます。


■ おわりに:この一言を引き出す関わりを

「自分でやるには、どうしたらいいですか?」

この一言は、患者さんの内側から出る“能動性の証”です。
そしてそれを引き出せたとき、あなたの関わりは間違いなく届いている

このnoteが、あなたの臨床に新たな視点をもたらし、
患者さんとの関わりが一歩深まるきっかけになれば幸いです。


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4姉妹の父親 PTダダ もうすぐ4人の娘を育てる父親として、毎日の育児や家族との小さな出来事をリアルにお届けしています。チップで応援していただけると、育児の工夫や家族旅行の裏話、日常のちょっとした学びなどを、もっと深くシェアできます✨ 「読んで共感した!」と思ったら、ぜひ応援してもらえると嬉しいです😊