【恋愛小説】RØM3Ø & JUL13T (9)
ジュリエットとの邂逅に、ロザラインの事は綺麗さっぱり忘れ、もはや思い出すそぶりもない様子のロミオ。
一時はロザラインのことを考えるだけで機体が故障しかねない、と訴えていたが、そんな状態も夜会と共に終わりを告げた。
ロミオにとって初めて会ったはずのジュリエットの魅力は、それまでに経験した全てより重要なものになっていた。
結婚には興味がないと言っていたジュリエットも、初めて会ったロミオにそれまでに感じたことのない、強い何かを感じ、気づけばロミオの事ばかり考えていた。
このような変化を迎えた二人だが、この世界にいるのは、二人だけではない。
キャピュレット邸から出た後、ジュリエットに会うため忍び込むことを密かに決意するロミオ。
「私の心は彼女のもとに置いてきてしまった。このまま、ただ帰ることなんてできるものか。心のない哀れな人形よ、その穴の開いた空っぽの機体に、己の最も重要なものを取り戻すんだ。」
ロミオは石垣をよじ登って、暗いキャピュレット邸の庭へ飛び降りる。
「少しは気が晴れた、ロミオ?あれ、ロミオは?」
マキューシオはきょろきょろと、ロミオを探す。
「さっきまで、一緒にいたはずなんだが。」
ベンヴォーリオとマキューシオは、勝手にいなくなったロミオを探す。
石垣をよじ登るロミオを目撃するベンヴォーリオ。
「おーい、ロミオ!何してるんだ戻ってこい!おいどこに行くんだ!」
「視覚センサーのエラーじゃないの?ロミオだって、そこまでバカじゃないよ。もう家に帰って寝てるんじゃない?」
反対方向を探すマキューシオ。
「あれ見てみろよ!」
ベンヴォーリオはよじ登るロミオを指さす。
「バカだったかぁ……。」
よじ登るロミオを目撃して、マキューシオは眼を覆う。
「ロミオ、狂人ロミオさーん。愛しいロザラインから他の女性に簡単に乗り換える浮気者のロミオさーん。お友達がお待ちですよー。」
姿の見えないロミオに呼びかけるマキューシオ。
「聞こえたら怒るぞ、あいつ。」
「何で怒るのさ、全部本当の事じゃないか。いいから出てきなよー!」
マキューシオは構わずロミオに呼びかける。
「どうせ暗くて目立たない所で、わけのわからない詩でも詠んでるんだろう。……恋は盲目か。」
「ロミオならやりかねないね……。シミュレーションの中で、妄想の彼女といちゃついてるのかな?」
「返事もなしか。さて、どうする、マキューシオ?」
「夜も遅いし、僕もう帰りたいんだけど……。」
「探すにしても、キャピュレットの面々に見つからないように探すのは無理だな。しばらく様子を見るか。」
闇の中に佇む二人。
続く
いいなと思ったら応援しよう!
おやつくださいにゃ。