【恋愛小説】RØM3Ø & JUL13T (20)
ロミオは返り血を浴びることもなく立ち尽くす。
「何を呆けている! ロミオ、早く!早く逃げろ!町の人々が騒ぎ始めた。ティボルトは死んだ。うろたえている場合ではない。捕まれば死刑になってもおかしくない!早く逃げろ!」
「ああ、私は呪われているのか!」
「ロミオ、早くいけ!」
そこに役人が現れる。
「マキューシオを破壊したティボルトはどこだ?」
「ティボルトならそこに」
ベンヴォーリオがティボルトを指す。
「領主様に報告しなければ」
役人がエスカラス卿に報告する。
エスカラス卿、大勢の役人、モンタギュー夫妻、キャピュレット夫妻が集まっていた。
「不埒な争いを始めた者たちはどこにいる?」
エスカラス卿が口を開く。
「恐れながら、この不幸な出来事の顛末を私が申し上げましょう。そこに倒れている男が、御親戚のマキューシオ殿を破壊しました。それをロミオが討ち取ったのです」
ベンヴォーリオがゆっくりと確実に話す。
「ああ、ティボルト! ああ、私の甥、弟に何と言えば……。ああ、領主様!大切な親族の白い血が流されています!モンタギューに償いを!」
キャピュレット夫人はひどく取り乱している。
「ベンヴォーリオよ、この争いを始めたのは誰だ?」
エスカラス卿が怒りを抑えながら、ベンヴォーリオに問う。
「ティボルトです。先に剣を抜いたのはマキューシオ殿ですが、それは、ティボルトがロミオに対し剣を抜けと言ったからです。原因は明らかにティボルトにあります」
「この者はモンタギューの親戚ですから、信用に値しません!」
キャピュレット夫人は上ずったで言う。
「続けよ、ベンヴォーリオ」
エスカラス卿は眼を閉じてベンヴォーリオに命じる。
「その間にもロミオと私は二人をとめようとしましたが、二人とも剣をおさめませんでした。激しく剣を交えた後、ティボルトが突如ロミオに剣を向け突進しました。
マキューシオ殿がロミオをかばった結果、ティボルトの剣がマキューシオ殿の胸を貫きました。
ロミオと私はマキューシオ殿を安全な所まで運ぼうとしたのですが、途中でマキューシオ殿が機能停止しました。
そこにティボルトが追ってきて、ロミオがやむを得ず返り討ちにしたというのが事の顛末です」
「ロミオがティボルトを破壊した! 領主様! ロミオを破壊してください!」
キャピュレット夫人は、半ば何を言っているのか分からないほど取り乱している。
「ロミオはティボルトを、ティボルトはマキューシオを破壊したとすれば、マキューシオの血を償うべき者は誰だ?」
エスカラス卿は眼を見開き問う。
「それはロミオではありません。ロミオはマキューシオ殿の親友です。ロミオは、凶悪なティボルトをとめようとしたにすぎません」
モンタギュー卿が必死に訴える。
「ロミオに宣告する! その罪によって、即刻追放を申し付ける。
これはヴェローナ大公の決定であり、いかなる弁明も許さぬ!変更も認めぬ!
ロミオを退去させよ!
再びヴェローナに入ったら、見つけ次第、破壊せよ!」
モンタギュー卿が言い終わると同時に、激しい複数の爆音がヴェローナに響いた。
「何事だ!」
エスカラス卿はおびえるロボット馬を落ち着かせながら、役人に問う。
騒然とするのみで、誰も答えられるものはいなかった。
別々の方向で遠くにある建物が炎上しているのが見える。
立ちつくす一同。
しばらくして役人がエスカラス卿に報告する。
「申し上げます。データサーバーが3基、爆発炎上しています!」
「なんだと! 全てのデータサーバーが爆発だと! そんなバカな!
なんてことだ……急いで火を消さなくては……いや、バックアップを先に……」
エスカラス卿が細かく震えている。
「データサーバーが爆発すると何が問題なんだ?」
役人が小声で話している。
「お前なあ……。データサーバーで何を保存していると思っているんだ?」
「えっと、えっと、そうだ、俺たちのバックアップデータだ」
「そうだ。もう、いかなる復旧もできないってことだよ!」
「ええ! どうすんだよ、わけのわからないウィルスが流行っているんだぞ!」
「俺が知るかよ、これは、とんでもないことになったぞ……」
続く
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