【恋愛小説】RØM3Ø & JUL13T (21)
「人工太陽よ、夜を供に西へ向かえ。邪魔するもの遠ざけ街を闇で覆い隠せ。
その闇に閉ざされて、ロミオが見られもせず、噂もされず、私のこの腕の中へ飛び込んで来られるように。
私の目には、もはやロミオしか映らない。ロミオの麗しい光は、いつも闇を照らす。
さあ、夜よ早く来なさい。黒ずくめの服を着た、見るからに真面目で厳格なものよ。あなたの黒い外套でこの紅潮した頬を隠して。そうすれば臆病な心を隠して強くいられる。
夜よ、早く来い、ロミオを連れて!
明るく輝くロミオ。
あなたは夜の翼に降りて、烏の背に今降りかかるその雪の白よりも白く輝く。
早く来い、優しい、懐かしい夜の闇。
さあ、私のロミオを連れてきて。
ロミオはいつか天空に輝く星になるだろう。そうしたら天空が見渡す限り美しくなって、世界中の者が夜に惚れ、誰もがあの爛々とした人工太陽を疎ましく思うだろう。
ああ、式は挙げたけど、まだ実感がない。早く実感が欲しい」
乳母がバルコニーの下に現れる。
「ばあや、何しているの? 梯子をもって」
乳母が上がってくる。
「ばあや、何かあったの? そんなに取り乱して」
「ロ、ロ、ロストしたんですよ。む、無効です、もう無効なんですよ。何と悲しいことでしょう。失われた。破壊してしまった。破壊されてしまった」
「ロミオに何かあったの?」
「ロミオ様は無慈悲にも、ああ、ロ、ロミオ様が! こんなこと誰が予想できると? ロミオ様が!」
「ロミオがどうしたの? そんなに悪いことなの? まさか、ロミオが死んだとでもいうの? 早く言いなさい!」
「その傷を見ましたが、この眼で見ました……。……ちょうど胸元に。痛々しい、無残な、痛々しいお顔。蒼白く、灰のように蒼白くなって、白い血みどろになって、どこでも血が染みついて。私はもう頭がくらくらしてしまい……」
「そんな……。生きた心地がしない。まるで胸が引き裂かれたよう……」
「ティボルト様、ティボルト様、とても頼もしいお方だったのに! 親切で立派なティボルト様。この眼で、あなたのロストを見ることになるとは」
「ティボルト? ロミオが死んで、ティボルトも死んでしまったの? ロミオと従兄を同時に失ったと? 一体何が起きたというの?」
「ティボルト様は破壊されて、ロミオ様は追放になりました。ロミオ様がティボルト様を破壊したのです!」
「あのロミオが、ティボルトを? とても信じられない!」
「そうです、そうです。ああ、そうですとも!」
「ああ、あの美しい顔に似合わない毒蛇のような心があるというの? 」
「あれは、嘘つきで誓いを破る、ろくでなしの詐欺師です。酒を飲まずにはいられない! この苦しみ、この嘆き、この悲しみ! ロミオ、恥を知れ!」
「なんてことを言うの! ばあや、私のロミオの悪口はやめなさい!」
「ティボルト様を壊したものを、かばうのですか?」
「ああ、私の夫ロミオ、本当に私の従兄を殺したの? 涙が止まらない。ロミオは生きているというのに。追放……。あまりに重い言葉。
ティボルトが死んだ上に、ロミオは追放。言葉では言い尽くせないほどの不幸。
……ねぇ、ティボルトの復旧はできないの?」
「まだ、ご存知ありませんでしたか……。先ほどデータサーバーが全て爆発して消失しました」
「データサーバーが全消失? じゃあ、ティボルトは?」
「バックアップがロストしたので、復旧は永久にできません……」
「……そんな!……父上と母上はどちらに?」
「ティボルト様に縋りついて、泣いておられます。さあ、ジュリエット様も行ってください」
「ああ、この涙はいつ尽きるというの?」
「……ロミオ様は、今夜ここにいらっしゃるはずです。私が行って呼んで来ましょう。今は、ロレンス様の庵に隠れているはず」
「ばあや、ロミオにこの指輪を渡して。そして最後の別れに来て欲しいと伝えて」
続く
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