【ファンタジー小説】大魔法使いユウロは大魔法しか使えない (2)
――街についた一行。
「腹へったなぁ、飯でも食いに行くか?ユウロ、一緒に行くだろ?」
街は雨雲で薄暗かったが、まだ昼時だった。
「いいけど、先にギルドに行って報告しないと」
雨除けのフードを被りなおすユウロ。
「そうそう、報酬を貰ってから美味しいものを食べよう。何、食べようかな~」
水溜まりを軽く蹴りあげながら、色々な美味しい料理を思い浮かべるアネモネ。
3人は依頼を受けたギルドに向かう。
――ギルドに入り、依頼達成の報告をするユウロ。
「これが今回の報酬。金貨1枚」
受付の不愛想な男が報酬をユウロに渡す。
「おいおい、何の冗談だ。これじゃ少なすぎるだろう」
ユウロの報酬のはずなのに、なぜか文句を言うガスト。
「確か成功報酬で金貨10枚だったはずでしょ!」
ユウロの報酬のはずなのに、なぜか文句を言うアネモネ。
「何で、お前らが文句を言うんだ?お前らの報酬はギルドから前金で出してるし、関係ないだろう」
受付の不愛想な男が、不機嫌そうに言った。
「雨を降らせたら、金貨10枚という案件だったはずだけど」
ユウロは表情を変えずに受付の男に尋ねる。
「いいや、危険なモンスターが出てないか森の様子を見に行くという案件だ。危険手当混みで金貨1枚。多すぎるくらいだ」
「はぁあ!お前何言ってんだ!」
台を叩きつけ、眉間にしわを寄せながら前のめりに怒鳴るガスト。
「どうあっても、金貨1枚しか払う気はないと」
今にも殴りかかりそうなガストを制止するユウロ。
「大体、初級魔法も使えないガキが、大魔法で雨なんか降らせられるわけないだろう」
「実際、雨、降ってるんだけど?」
アネモネが呆れながら言った。
「偶然だ、偶然。とにかくそれ以上は銅貨1枚出す気はない。とっとと帰れ!」
「1ヵ月降らなかった雨が依頼した途端に雨が降る。そんな偶然あるんだ。ふーん」
馬鹿にした態度で言うアネモネ。
「一つ確認したいんだけど、この街の総意と受け取ってもいいの?」
「ああ、依頼主の街の長の決定だ。わかったら、もう帰れ」
そう言い放つと受付の男は奥に行ってしまった。
足取り重く、ギルドを後にする三人。
「ああ、腹が立つ!」
「ほんと、サイテー」
「なんで、二人がそんなに腹を立ててるの?」
二人の態度に少し呆れるユウロ。
「だってよー」
「だってさー」
「もしかして、僕にお昼を奢らせようと思ってたの?」
「気にするな、安い店でいいからって言おうと思ってたのに」
「そんなことするわけないじゃない。今、いっちばん、おすすめのデザートを教えてあげようと思っただけ」
「いいよ。別にそれぐらい」
「え、いいのか?」
「え、いいの?」
「その代わりと言っては何だけど、二人には何日か付き合って欲しいんだ」
続く
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