【ファンタジー小説】大魔法使いユウロは大魔法しか使えない (3)
「とりあえず、お昼を食べてから内容を話そうか」
ユウロはレストランの看板を指さす。
「おう!」
「そうね!」
喜んでレストランに入る2人と1人。
カランカランとドアのベルが鳴る。
「は~い!3名様ですね~、こちらにどうぞ~」
うさ耳のウェイトレスに先導されて奥のテーブルに着く。
「ユウロ、本当に奢ってくれるのか?」
「好きなもの頼んでいいよ」
「ユウロ大好き!」
料理の映像が浮かび上がる魔法のタブレットでメニューから料理を物色する。
「私は、水晶アボカドと羽エビのオープンサンド」
「俺は、よろい猪とベヒーモスの合挽チーズハンバーグ」
「パンとスープ」
「なんだ、子供はもっと食わないと成長しないぞ?」
「そうそう。ユウロは成長したら、いい男になりそうだし、いっぱい食べなよ」
「そういうのは、お金を出す人が言うものじゃないかな……?」
ガストとアネモネはボヤキを聞く気もないようで、ウキウキしながら料理を待つ。
「水晶アボカドと羽エビのオープンサンドで~す」
うさ耳のウェイトレスが料理をテーブルに置く。
「ちょっと見てよ、このキラキラ感!?
前からこの料理、気になってたの!
わぁ~、ほんとに綺麗。いつまでも見ていられそうな美しさ!
水晶アボカドって初めて食べるけど、本当に宝石みたいに透き通ってて、食べるのがもったいないくらい!羽エビも、ピンク色が可愛くて、乙女心をくすぐるわ!」
ガストがアネモネを見る。
「どこに乙女がいるのかって言いたいの?」
「お、俺は、何も言ってねぇぞ!」
ガストが否定するのを無視して、アネモネは自分の魔法のタブレットで料理の映像を撮っている。
「いただきま~す。もぐもぐ、うん、綺麗ですっきりとした見た目と違って、ねっとりとして濃厚なアボカド。その意外性が、アクセントになっていて美味しい!
そして、羽エビ!ぷりっぷりの食感が素晴らしいわ!噛めば噛むほど、羽エビの甘みが口に広がって、幸せの爆発系魔法って感じ!
パンは、焦げ目が付くまで、じっくりと焼いてあって、濃厚な水晶アボカドと羽エビの味をしっかりと受けとめているわ!」
アネモネは満足そうに料理を食べている。
「よろい猪とベヒーモスの合挽チーズハンバーグで~す。お熱いので気を付けてくださいね~」
うさ耳のウェイトレスが、ジュウジュウと音を立てる鉄板をテーブルに置く。
「来た来た!肉、肉」
ガストはナイフを振り下ろしハンバーグを切る。
「おいおい!ハンバーグ切ったら中から、チーズが出てくるぜ!こりゃたまらん!ガツガツ、あつい!ムシャムシャ。
よろい猪の野性的な肉の味と、ベヒーモスの上品な脂の味が、驚くほど調和してやがる。
さらにトロトロのチーズ、これは反則だぜ!あとから旨味のバックアタックをかけてきやがる!」
ガストは満足そうに料理を食べている。
「ユウロ~、お前も料理の感想、何か言えよ。」
いつのまにか、ユウロの料理もテーブルに並んでいた。
「そうそう、そんなんじゃ、何も感想が伝わらないよ?」
ユウロは誰に感想を伝えるつもりなんだろうと不思議に思った。
「普通に美味しいパンと普通に美味しいスープだね」
「あちゃ~!これは0点だな」
顔を覆ってダメ出しをするガスト。
「ユウロは食レポ苦手なのね、大丈夫、お姉さんが教えてあ、げ、る!」
教えて貰わなくていいと無言で訴えるユウロ。
「店員さ~ん、デザートの星詠みのタルト持ってきて~!」
アネモネは、いつの間にか食後のデザートを注文していた。
続く
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