【ファンタジー小説】大魔法使いユウロは大魔法しか使えない (21)
――アフロ工房。
「あ、皆さん!ご無事だったんですね。師匠、皆さん帰ってきましたよ!」
「おう、無事だったか、心配したぜ!」
ユウロは経緯をルドウィン達に話す。
「メーティルがネルギアスの制御キー? ネルギアスに乗って動かした? 全く理解が追いつきません!」
エルディは非常に驚いている。
「そうか、あの鍵だけだと暴走してしまうのか。それを制御するのがメーティルってわけか」
ルドウィンは腕を組んで納得している。
「それで、ネルギアスをどうするか相談しにきました」
ユウロはルドウィンにネルギアスの処遇について相談する。
「元の広場に戻せばいい……って訳には、いかねぇか」
ルドウィンは悩んでいる。
「えっ、それじゃダメなんですか?」
エルディは不思議に思う。
「幸い死人は出てないようだが、街が滅茶苦茶になっちまったからな。街の連中がどう思うか」
ルドウィンが残念そうに言う。
「そうですね、元の場所に戻しても、元のように扱わないどころか、怖がって誰も近づかないでしょうね」
エルディはどこか悲しそうだ。
「ユウロが貰っちゃえばいいじゃん、鞄の中に入るし」
アネモネが提案する。
「ユウロがネルギアスを持っていく、それは構わねぇ。どうせユウロ以外には使えないみたいだし。でもなあ、街の連中はネルギアスが、また戻ってくるかもって不安に思うんじゃねぇか?」
ルドウィンが危惧を口にする。
「そうですね、さっきも、巨像が戻ってきた、もうこの街は終わりだって、皆騒いでましたね」
エルディが悲しそうに言う。
一同、ネルギアスをどうするのが一番いいのか、答えが出ない。
「跡形もなく吹き飛ばしてしまえば、街のやつらもすっきりするんだろうがな……」
ガストが何気なく言う。
「そうね、ユウロの大魔法なら、吹き飛ばせそう」
アネモネもなんとなく同意する。
「……そうだね、大魔法を使うのはありだね」
珍しくユウロが賛成する。
「ユウロさんの大魔法が見られるんですか?嬉しいんですけど、ネルギアスのことを考えると……少し複雑な気分です」
「本当に、そんなことができるのか? まぁ、いい、俺はあれこれ考えるのは苦手なんだ。お前らに任せるぜ」
「おう、任せろ!」
「やるのはユウロだけどね」
「準備に時間がかかるから、明日の昼に決行予定ということにしよう」
ユウロ達は準備のために街の外れに向かう。
続く
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