【恋愛小説】RØM3Ø & JUL13T (11)
「夜でよかった。夜の仮面がなければ、この真っ赤な頬が露わになるところでした。
――この際、体裁など構うものですか。
もし、私を愛してくださるなら、それを真実だと信じたい。
約束など不要です。約束が破られることなどよくあることです。
ああ、ロミオ、愛してくださるなら、その通り正直に言ってください。」
「あの輝く月に誓って……」
「ああ、月など、毎日位置を変えてしまいます。そのようなものに誓って、あなたの心が月のように変わってしまうかと思うと……。」
「では、何に誓えば……?」
「誓約など不要です。私を女神とも思うあなたの心からの言葉を。」
「私の心にかけて真実の愛を約束……」
「ああ、本当に約束などいらないのです。それは嬉しい気持ちもあります。
ですが、今宵、すぐに約束するのは、軽はずみで、思慮が浅く、あまりに急過ぎて、瞬きの間に消える稲妻のようで……。
そのようなものは……欲しくはありません。
さようなら、恋しいお方。
蕾がいつか美しく咲くことを願っています……。」
「今宵は、これで帰れというのですか?」
「これ以上、どうしろというのです!」
「私は、今宵、あなたの誓約を聞きたい。」
「私の誓約は、すでに捧げてしまいました。誓約は何度も捧げるものではありません……。」
――奥から乳母の呼ぶ声がする。
「ちょっと待って、今行くから! ロミオ、一旦部屋に入りますが、すぐに戻ります。」
ジュリエットは部屋に入る。
「何という嬉しい夜だろう! 夢のようだ。あまりに嬉しすぎて現実でないようだ。」
ジュリエットが戻ってくる。
「ロミオ、あと少しだけ。もし本当に結婚する気があるなら、明日使者を送るので、結婚式の日取りや場所を決めてください。
そうすれば、私は、あなたの妻となり、生涯、世界のどこまでもついていきます。」
「お嬢様~」
「今、行きます! もし、私をからかっているだけなら……。」
「ジュリエット様~」
「今、行くから! 返事は不要です。」
「この命をかけて。」
「さようなら。このまま、ずっとお話ししていたいのですが……。」
ジュリエットは部屋に入る。
「光が行ってしまった。強い光ほど消えたときの喪失感が強いものだ……。」
ジュリエットが再び顔を出し口笛を吹く。
「ローミオー。ああ、鷹を呼び戻す、鷹匠の声が欲しいな。ここでは自由に大声も出せない。もし自由だったら、山彦もびっくりして黙るほどの大きな声で、ロミオと何度も叫ぶのに!」
「私の名を呼ぶのは君か、ジュリエット! ああ、君の声は白銀の鈴のようにやさしくて、心が温かくなって懐かしいような気分だ!」
「ローミオー!」
「ジュリエット!」
「明日、何時に使者を送ればいい?」
「9時に。」
「9時ね、わかった。ああ、その時が何十年後みたいに遠く感じる!
……えっと何の話をしてたっけ?」
「思い出すまで、ここに立っていようか?」
「じゃあ、ずっと忘れていようかな。一緒にいたい気持ちは忘れないけど。」
「いやなことだけ全部忘れて。」
「もう夜が明ける。帰って欲しいけど、帰したくない。きままな少女が、小鳥を放つのをためらっているみたいに。」
「君の小鳥か、それも悪くない。」
「あなたが小鳥だったらいいのに!でもこのままじゃ、殺されてしまう。さよならしなくちゃ。このまま夜が明けるまで、さよならと言い続けられたらいいのに……。」
ジュリエットは背を向けて部屋に戻る。
「おやすみ、ジュリエット。……この幸運を喜んでばかりもいられないな。そうだ、あの人に相談してみよう。」
ロミオは修道院へ向かう。
続く
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