【恋愛小説】RØM3Ø & JUL13T (23)
「誰か来た。ロミオ、早くどこかに隠れなさい」
「私は隠れない。捕まったら死罪になるのだから、隠れる必要がない」
「話を聞けば、考えも変わると言うのに」
「私と同じ体験をあなたがしているのなら、話が参考になったかもしれない。ジュリエットが恋人で、婚礼の式を挙げてほんの少しも経たないうちにティボルトを殺して、私のように恋い焦がれ、私のように情けなく追放された上でなら、私に話すこともあるだろう」
「全く、どうなっても知らんぞ……はい、どちら様ですか?」
時間を稼いでからロレンスが戸に近づく。
「ジュリエット様の乳母です。ジュリエット様からお知らせがございます」
「どうぞ、お入りください」
ロレンスは戸を開けてジュリエットの乳母を中に入れる。
「修道士様、ロミオ様はどこに?」
「そこに、転がって泣いていますな」
床を指すロレンス。
「ジュリエット様も、まあ、そんな感じです……」
「何とも痛ましいことだ。悲しみの共鳴、気の毒な境遇」
「おお、乳母さん!」
乳母を見てロミオは飛び起きる。
「ジュリエット様は、あなた様をとても心配していますよ」
「今ジュリエットと言ったのか? 彼女はどうしている? 私を、恐ろしい殺人者だと思っているのでは? どこにいる? どうしている?」
まくしたてるロミオ。
「何もおっしゃらず、泣いてばかり。ベッドの上に倒れたかと思うと、すぐにまた飛び起きてティボルトと叫んだかと思うと、ロミオと叫んで、また横倒しになられます」
「私がティボルトを殺してしまったから……。ロレンスさん、教えてください、この体のどこに、私の醜い心が宿っている? 切り取ってやる!」
剣を抜くロミオ。
「落ち着きなさい。やはり、どこか故障しているのではないか? と言ってもデータサーバーが全損していて、修理してやるわけにもいかない」
「データサーバー全損? どういうことですか?」
思いがけない情報に驚くロミオ。
「先ほどの爆音、そなたにも聞こえただろう? データーサーバー3基が爆発して失われたとのことだ」
「なんということだ……。マキューシオ……。やはり、私は呪われているのか?」
「すべきことをしようとせず、ただ何かを呪う。気をつけなさい、そういう輩は浅ましい最期を遂げる。
……宣告通り街を出なさい。そしてマンチュアに行くのだ。
その間に内緒の結婚を公にし、両家の確執を調停し、領主に追放を取り消してもらえるよう働きかけよう。
街を出る前に、ジュリエットに会いに行きなさい。
このままだと暴走しかねない。ただし、あまり長居はできないと思いなさい。
乳母さん、先に行ってジュリエットにこう言うのです。皆、泣きつかれているから寝るように、誰も音を立てずにただ寝るようにと、家のもの全員に言うのです。その隙にロミオがあなたの元に現れるでしょう。
そう確かに伝えてください」
「まあ、素晴らしい伝言ですね。ロミオ様、あなたと会えることをジュリエット様にお伝えしましょう」
「ああ、よろしくお願いします」
「そうそう、ジュリエット様があなたに、この指輪を渡して、最後の別れに来て欲しいと」
乳母は指輪をロミオに渡してから去る。
「ジュリエット、必ず会いに行く。この指輪は、その指にふさわしい」
「さあ、準備をして早く行きなさい。夜番が置かれないうちに出発するかさもなくば、夜明け頃姿を隠してこの街を遠ざかるか、二つに一つだ。
マンチュアに隠れていなさい。
時折、こちらの状況を知らせに誰かを送ろう。
私はここで、さらばだ」
「別れが惜しいですが、ジュリエットに会わなければなりません。色々とお世話になりました」
ロミオは準備を始める。
続く
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