【ファンタジー小説】大魔法使いユウロは大魔法しか使えない (20)
ガストとアネモネはネルギアスを追う。
「結局、ユウロはどうなったんだ?」
「ネルギアスのあの変化を見るに、ユウロが絡んでるとは思うけど?」
ネルギアスは街の外の人気のない場所で停止した。
「お、止まったぞ」
ガストとアネモネは武器を構える。
ネルギアスは片膝をつくと、胸部が開いた。
開いた胸部から紐のような昇降装置でユウロが降りてくる。
「お、ユウロ! やっぱりお前か!」
「ユウロ、心配したよ~」
武器をしまうガストとアネモネ。
「心配というのはカフェでお茶することを言うんだね」
ユウロが無表情で言う。
「だ、だってさ、私がいてもさ足手まといになると思ったから……ごめんなさい!」
「俺は、アネモネについていっただけだぜ」
「あんたね~、ユウロ、ネルギアスでお仕置きしちゃって!」
「お、おい! 俺が悪かった許してくれ!」
必死に謝るガスト。
「いいよ最初から期待してないし。それにネルギアスに乗ると魔力の消費が激しいんだ」
「お、おう、そうなのか。無理するなよ!」
ほっとするガスト。
「ユウロ、何があったのか教えて」
ユウロは二人と別れた後のことを説明した。
「へ~、ネルギアスは起動キーだけじゃダメで、メーティルもいないと暴走しちゃうのね」
納得するアネモネ。
「誰も、ネルギアスを動かせる魔力を持つものがいなかったから、ずっと広場に置かれていたのか」
納得するガスト。
「メーティルによると、ネルギアスは遥か昔に作られたらしい。最強の搭乗兵器を作るという目標で作られた。
目標通りの強すぎる武器、飛行能力、自動回復能力を持った最強の兵器が完成した……まではよかったが、消費魔力のことを計算にいれていなかったため、誰も、まともに動かすことができなかった。
空間から魔力を吸収する装置のおかげで、短時間だけ搭乗者の魔力消費なしで動くことが可能。もちろん武器は何も使えない。僕でも動かすだけで、かなりの魔力を持っていかれる」
「なるほどな~」
「なるほどね~」
納得する二人。
「それで、ネルギアスはどうするんだ? 元の場所に戻すのか?」
「それはまずいんじゃない? 何が守護神だ!って街の人、めちゃくちゃ怒ってたよ?」
「う~ん、どうしようかな。とりあえず、ルドウィンさんに相談してみようか。起動キーのこともあるし」
「これ、ここに置いておくのか?」
ガストは、ネルギアスを指さす。
「ああ、それなら」
ユウロは魔法の鞄をネルギアスに向ける。
「鞄に入れ」
ネルギアスは魔法の鞄に吸い込まれていった。
「え、え、どうなってるの?」
アネモネは驚いている。
「魔道具なら大体入るみたいだね。メーティルも入ったし。メーティル出ておいで」
魔法の鞄からメーティルが出てくる。
「何でもアリだな、お前は……」
ガストが呆れている。
続く
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