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【恋愛小説】RØM3Ø & JUL13T (19)


「ロミオ、無茶だ」

ベンヴォーリオがロミオをとめる。

「ベンヴォーリオ、ここは私に任せてくれ」

「そんなこと言ったって、お前、剣術の稽古なんてろくにしてないじゃないか……」

ベンヴォーリオが冷静に言う。

「笑止。剣を持つ手が震えているぞ」

ティボルトが余裕を見せる。

「せめて、かすり傷でも与えないと、代わりに死んだマキューシオに申し訳が立たない」

自らに言い聞かせるロミオ。

「仲良くスクラップになれば、マキューシオも文句は言うまい!」

ティボルトが切り付ける。

「ぐっ!」

ロミオの腕に浅い傷がつき、液体が流れる。

「ん? 赤い人工血液だと? なぜ、性能の落ちる赤い血を使う?人間にでもなりたいのか、ロミオ?」

「知るものか。前からずっと赤い」

「次に復旧するときは、白い血を入れることだ。もっとも、どちらでも無駄だろうがな!」

一つ、二つとロミオに傷が増えていく。

「それで本気なのか? かすり傷しかついていないぞ!」

ロミオが虚勢を張る。

「馬鹿を言え。わざと急所を外しているのがわからないとはな」

ティボルトが鼻で笑う。

「なんだと!」

ロミオはできる限り防御するも、傷は増える一方だった。

「貴様を、ゆっくりと刻んで、苦しませてからスクラップにしてやろうと言うのだ!」

「そこまで狂っているとは……」

「顔だけはそのままにしておいてやろう……誰だか分からなくなるだろうからな」

「くっ、視界が歪む……」

「ロミオ!それ以上くらうとまずい! 使えるものは何でも使って何とかしろ!」

「使えるもの、そんなこと言ったって……」

機体診断プログラム起動。
大量の出血を検出。
警告:機能維持に重大な支障あり
推奨:未来予知システム起動

「どうした?ぼーっとして、まだ、寝るには早いぞ!」

ティボルトがロミオに切りかかる。

「なっ!」

ロミオが半身になって剣をかわす。

「まぐれか。これならどうだ!」

最小限の動きで次々と剣をかわすロミオ。

「見える。貴様の未来の色が」

「わけのわからんことを……」

ロミオの眼には、いくつものティボルトの影のようなものが見えていた。

ティボルト本体から近いものから紫、青、緑、黄、赤と、距離が変わると色が変わり、遠いほど薄く透明になっていく。

ティボルトが剣を振り上げるときはいくつも見えていた影が、剣を振り下ろすときは、収束されて、薄かった色が濃く変わっていた。

それは、ほぼ正確に形状、距離が反映されていた。

その赤いティボルトの影に触れない限り、ティボルトの剣がロミオに触れることはない。

「ええい、なぜ当たらん!」

ティボルトは剣を振り回すが全て空を切る。

「貴様は元々動きが単調だから、読めれば、かわすのは簡単だ」

「かわすのが簡単だと……」

「もうやめよう。こうなっては憐れに感じる」

「ぐぐぐ……貴様は傷だらけで俺は無傷! どう考えても貴様が劣勢であろう!」

「言っただろう、貴様の未来の色が見えると。この場は退くんだ、ティボルト」

剣をしまうロミオ。

「おのれ、どこまでも愚弄するか、ロミオ!」

極端に低い姿勢をとるティボルト。

「ロミオ! ティボルトは差し違える気だ!」

「ティボルト、死ぬぞ」

再び剣を抜くロミオ。

「どうせ、何度でも復旧される。やれるものなら、やってみろ!」

ティボルトは轟音とともに、凄まじい勢いでロミオに向けて剣を突き出す。

同時にロミオが剣を突き出し前に飛ぶ。

砂埃が辺りを覆う。

砂埃が落ちると、ロミオの手には何もなく、ティボルトの胸に剣が突き刺さっていた。


続く





#恋愛小説
#SF
#ロミオとジュリエット

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