【ファンタジー小説】大魔法使いユウロは大魔法しか使えない (13)
魔法の吹き矢が見張りの首に突き刺さる。
「おやすみ」
見張りはそのまま座り込み眠りにつく。
ユウロはゴブレット商会に潜入している。
「ドウタイ ハンノウ ナシ」
メーティルが小声で言う。
「よし、慎重に進もう」
ユウロは警戒しながら進む。
ゴブレット商会の大倉庫には、様々な商品が置かれていた。
書類、薬の材料、魔法の巻物、瓶、鉱石、モンスターの牙、精霊人形のパーツ。
「色々と扱っているんだな」
「ゴブレット ショウカイハ ウレルモノハ ナンデモウル シンジョウ」
「店の評判は?」
「イロイロ フツウノワリニ オオキナミセ フシギニオモワレテイル」
「……裏稼業か」
「ワルイ ウワサ タクサン」
「例えば?」
「ホカノミセ ボウガイ キョウハク セットウ ユウカイ」
「よく潰れないね」
「マチノ ケンリョクシャ ナカガイイ」
「よく聞く話だ」
倉庫を探したがルドウィンは見つからなかった。
「おかしいな、この倉庫のどこかにいるはずなんだけど」
「ソウコハ スベテ サガシタ」
「ということは、この店2階はないから、地下か。メーティル、地下の入口を探して」
「リョウカイ」
ユウロとメーティルは手分けして地下の入口を探す。
「ユウロ ジュウタンノハシニ ユカノ キレメガアル」
メーティルは絨毯の端を指さす。
「まず、乗っている箱をどかさないと」
ユウロは絨毯の上に乗っている箱をどかす。
「よし、絨毯をどかして」
絨毯をどかすと床の切れ目と取っ手を見つけた。
「開けてみよう」
取っ手を掴み上方にあげると地下への階段を発見した。
「おそらく、ここだろうね」
慎重に階段を降りるユウロとメーティル。
「暗いな」
倉庫は薄暗い程度だったが、地下は更に暗く、よく見えない。
「アカルク スル」
メーティルの頭部のレンズから光が照射される。
「本当に便利だね、君は」
奥で何かが動く音がした。
「動体反応は?」
「ドウタイハンノウ 1」
「ルドウィンさんかな?」
音の鳴った方に向かう。
椅子に座った状態で縛られ、もがいている男を発見した。
「メーティル、ルドウィンさんで間違いない?」
「ルドウィン マチガイナイ」
ユウロはルドウィンを解放した。
「ふう、助かった、ありがとうよ」
「僕はユウロ。エルディさんの依頼で探しにきました」
「おう、そうか、メーティルもありがとうよ」
「ドウイタシマシテ」
「まずは、脱出しましょう」
「おう、それがいい。見つかる前に逃げるとしよう」
ユウロは、ルドウィンを連れてゴブレット商会を脱出した。
――そのころ
「はぁ、はぁ、ねえ、まだかかりそうかな?」
アネモネの息が上がってきた。
「はぁ、はぁ、はぁ、お前はまだ武器が軽いからマシだろう、こっちは重いんだよ」
巨大な剣を振り回してバテているガスト。
口笛の音が響く。
「はぁ、はぁ、やった、合図だ」
「はぁ、はぁ、はぁ、やるじゃねえか、お前。気に入ったぜ、詫びの代わりに一杯奢らせろ」
剣をしまうガスト。
「はぁ、はぁ、あ、あんたもね。ちょうど喉が乾いたし、一杯貰おうじゃないの」
短剣をしまうアネモネ。
二人は合流地点に向かう。
続く
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