【恋愛小説】RØM3Ø & JUL13T (15)
キャピュレット家の庭でジュリエットが乳母を待つ。
「ばあや、まだ帰ってこない。ばあやが家を出たのが9時になる前のはず。30分で帰るって言ってたのに。
もしかして会えなかったのかな。
まさか、そんなことはないと思うけど……。
そういえば、ばあやは足が故障気味だって言ってたな。
早く修理した方がいいと言ったら、そのうち修理するって取り合わなかった。
思いは光より速く伝わる。光は反射したり、吸収されるけど、強い思いは全てを貫く……というのに、ばあやときたら。
もう太陽が一番高い位置にある。9時から12時で3時間も経ってる。なんて長い3時間……。
まだ帰ってこない。
ばあやの足は鉛でできているのかな。
どうせなら、足の代わりに車輪に変えてもらえばいいのに」
乳母とピーターが帰ってくる。
「ああ、やっと帰ってきた。
……ピーターはあっちで休んでて。
ねえ、ばあや、どうだったの?あの方に会えたの?」
「ああ、疲れた!少し休ませてください。ああ、足の間接がきしむ!どれだけ歩き回ったことか!」
乳母はげんなりとしている。
「さあ、ばあや早く報告して」
そんなことはどうでもいい、と言わんばかりの迫力。
「少し休ませてくださいな」
座る場所を探す乳母。
「は、や、く、お願い!」
くっつきそうな程、顔を近づけるジュリエット。
「わかりましたよ。そんなに睨まなくても……」
「是なの、非なの?早く言ってそれさえ言ってくれたら詳しいことは後でもいいから早く安心させて是なの非なのなんでもったいぶる必要があるの、早く言いなさい!」
早口言葉のように話すジュリエット。
「……あの方は、ロミオ様でしたっけ?顔は非常に良いが、体つきは普通ですね。行儀作法も普通。ペットの機械羊のように穏やかな性格といったところですかね。
お昼を食べに行ってもいいですか?」
「いいわけないでしょ?そんなこと全部知ってる。そうじゃなくて、ロミオは結婚式のことを何と言ったの?さあ、それを教えて」
「疲労のあまり、ああ、頭痛がする。頭が故障してしまったのかしら。背中もなんだか違和感が。乳母を壊れるまで使い倒さなくてもいいでしょうに」
「……ネジ1本までオーバーホールしてあげようかしら。聞きたいことは記憶装置に聞けばいいし」
冗談を言っているようには見えないジュリエット。
「……怒り方が奥様にそっくりですよ、お嬢様」
真顔で見つめるジュリエット。
「言いますよ、全く。奥様はどちらに?」
「母上?さあ、知らない」
「今日、外出のお許しは出たんですか?」
「ええ、もちろん」
何度も頷くジュリエット。
「では、急いでロレンス様の庵まで行ってください。そこで、あの方が、お待ちですよ。
――まぁ、怒っても嬉しくても、お顔が真っ赤じゃないですか」
「わかった、ありがとう、ばあや。ゆっくり休んで」
「はいはい、お気を付けて。乳母はお昼休憩を頂きますよ」
走り去るジュリエット。
続く
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