見出し画像

【ファンタジー小説】大魔法使いユウロは大魔法しか使えない (11)


エルディが奥から人形を連れてきた。

人形というが特に人型というわけではなく、それは小型の二足歩行の機械だった。

人間の幼児程の大きさで、頭部にはカメラのレンズのような目がついている。腕や足は骨格のような棒状のものが見えており、足には車輪がついている。全体的に丸みを帯びており、人ではないことが一目でわかる。

「メーティル デス ヨロシク」

メーティルが自己紹介をした。

「へ~喋るんだ、精霊人形を見るの初めて~」

アネモネが歓声をあげる。

「本当は精霊人形かどうか、よくわからないんですけどね」

エルディが苦笑する。

「わからないって、どういうことだ?」

ガストが疑問の声を発する。

「この子、精霊人形が発明される前から、この街にいるらしいんです」

「じゃあ、精霊人形じゃないの? なんなのコレ?」

アネモネがちょっと残念そうに言う。

「えっとですね、自動的に動く人工物はいくつかあるんですけど、一般的なのはゴーレムですね」

「ああ、ゴーレムの大きいヤツの攻撃力と耐久力はやっかいだな」

「でも、単調な動きしかしないから、攻撃力と耐久力以外は大したことないよね」

「そうなんです。ゴーレムは単純な命令しか受け付けないんです。そこで開発されたのが精霊人形」

エルディの眼鏡が光る。

「簡単な会話ができたり、簡単なお買い物ができたり、感情があるように動き、より複雑な命令を受け付けるんですね、えっへん」

エルディの眼鏡が再び光る。

「お~、なんかすごい!」

アネモネは拍手している。

「そういう人工物を総称して精霊人形と呼んでいます。ま、私が発明したわけじゃないんですけどね」

「つまり、実際に精霊が入っているわけではない?」

ユウロが質問する。

「はい。あたかも精霊が入ってるような~という感じです」

少し残念そうなエルディ。

「でも、これは……」

近くでまじまじと見るユウロ。

「何か気になることでも?」

ユウロを見るエルディ。

「どこか魔力のようなものを感じるような……気がする」

ユウロはメーティルを見ながら言う。

「本当に精霊が入っているのかもね~」

アネモネが冗談で言う。

「あの~、そろそろ師匠を探しに行ってもらえるとありがたいんですが~」

「おう、任せておけ」

ガストが胸を叩く。

「じゃあ、道案内よろしくね、メーティル! あ、私、アネモネ」

アネモネがメーティルに顔を近づける。

「ミチアンナイ マカセテ アネモネ」

「すごーい!名前をおぼえられるんだ!」

「よろしくな、俺はガストだ!」

「ヨロシク ガスト」

ガストの方を向くメーティル。

「アナタハ……」

ユウロの方を向くメーティル。

「こいつは、ユウロ」

ユウロの背中を叩くガスト。

「ユウロ……?」

「ユウロさんがどうかしたのメーティル?」

エルディが質問する。

「ヨロシク ユウロ」

「うん、よろしくね、メーティル」

ユウロを見つめるメーティル。


続く




#創作大賞2025
#ファンタジー小説部門
#ファンタジー小説
#大魔法
#創作
#創作小説


いいなと思ったら応援しよう!

三千白 おやつくださいにゃ。