【ファンタジー小説】大魔法使いユウロは大魔法しか使えない (18)
「ああ、そういえば、どっかで見たような顔だと思ったら、ゴブ吉くんか!」
ルドウィンが手をぽんと叩く。
「昔のあだなで呼ぶな! そうやって要らないことばかり言うから、今回のように問題に巻き込まれるのだ」
ゴブ吉くんが怒っている。
「どういうことだ?」
ルドウィンは困惑している。
「子供のころ、お前が、この鍵を俺に見せびらかして、この鍵ね~すごいんだよ~精霊巨兵ネルギアスをね~動かせるんだよ~お母さんにね~絶対に秘密だからねっていわれたから絶対ほんとだよ~って言ってただろう」
変な芝居をしながらゴブ吉くんが説明する。
「う~ん、全然覚えてないな」
ルドウィンは顎をなでながら言う。
「お前は昔からそうだ、何かいたずらをする度に俺のせいにしやがった! お前のせいで、この街で俺を信用する奴は誰もいない。お陰で俺はまっとうな仕事に就けなかった!」
ゴブ吉くんが回想を交えながら長い説明をする。
お茶を飲みながら聞く一同。
「どうだ! 貴様の非道、思い出したか?」
「この菓子うまいな、どこで売ってたんだ?」
「そこの屋台です。お嬢ちゃんカワイイから、おまけしてあげるって言われちゃいました。えへへ」
ルドウィンとエルディは長い説明に飽きていた。
「貴様ら……。まぁいい、その態度も二度と見ることもなくなるのだからな。行け!精霊巨兵ネルギアス」
ネルギアスの咆哮が街中に響く。
「おい、ユウロ、これはまずいんじゃないか?」
ガストの顔が引きつっている。
「ユウロ、大魔法でやっつけちゃって!」
アネモネが涙目でユウロに願う。
「街ごと吹き飛ばせと? とりあえず、今は、逃げた方がいいと思うけど」
ユウロは冷静に答える。
「師匠、あれ、とめる方法とか知らないんですか?」
「えっと、うーん、あっ、そうだ鍵があれば!」
その時、ネルギアスが腕を降り下ろし建物の屋根を破壊した。
鍵はゴブ吉くんごと瓦礫の下敷きになる。
「あっ」
その場の全員が同じことを言った。
「逃げろ!」
ガストが大声をあげると同時に皆逃げ出す。
それぞれ、バラバラの方向に逃げるが、ユウロ、ガスト、アネモネは同じ方向に走る。
大きな咆哮をあげて、街を破壊しながら追いかけるネルギアス。
「ちょっと、なんで私らばっかり追いかけてくるの!他にもいっぱい人いるでしょ!」
アネモネは涙目で抗議する。
「あいつ、そんなに足は早くないが、俺はいつまでももたないぞ!」
ガストは巨大な剣を強調する。
「そんなデカいの買うからでしょ!」
アネモネはツッコミを忘れない。
「バラバラに逃げよう」
ユウロが提案する。
「おう、恨みっこなしだぜ」
「ええ~、こっち来たらどうしよう……」
「散開!」
ユウロの合図で3人は、それぞれ別の方向に逃げる。
ネルギアスはユウロを追う。
続く
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