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⑴気づくのが遅れたのは、あなたのせいじゃない——夫婦崩壊を認められないままでいやすい性格タイプ

あなたは今、何かがおかしいと感じているのに、言葉にできずにいますか?

「でも、私の気のせいかもしれない」
「もう少し頑張れば、きっと変わる」
「こんなことで離婚なんて、大げさかな」

そう思いながら、何年も過ごしていませんか?

私はそうでした。26年間。

別居してDVだとわかり、離婚の準備を始めた今、やっとこの言葉を書けるようになりました。
気づくのが遅れた理由は、弱さじゃなかった。
性格の構造と、DVそのものの仕組みにあったのだと、今は思っています。

同じように苦しんでいる人に届けたくて、この記事を書きます。


私がISFJとして、気づくのに26年かかった理由

MBTIの性格タイプで言うと、私はISFJ(擁護者)です。

あるとき、ENTP(討論者)タイプの人に夫婦のことを少し話したら、すぐに問題の本質を見抜かれました。
なぜENTPにはすぐ見えて、私には見えなかったのか。

ISFJの認知機能の構造に、答えがありました。

Si(内向き感覚)——主機能 過去の記憶と経験を積み重ねて現実を認識します。「ずっとこうだった」という歴史の重みが、現実を新しく定義し直すことを妨げます。
26年という時間は、「この結婚は正常だ」という記憶の積み重ねになっていました。

F(感情・Feeling) 他者の感情に寄り添い、場の調和を守ることを優先します。この共感の力が、「認めたら全部壊れる」という恐怖を生み出します。相手を傷つけたくない、家族を守りたい——その気持ちが、直視を妨げます。

J(判断・Judging) 一度作った枠組みを維持しようとします。「この結婚は正常だ」「夫はこういう人だ」という枠を、崩せない。
崩すことへの抵抗が、無意識に働き続けます。

過去への信頼 × 関係を守りたい × 枠を崩せない

この三重の力が重なって、ISFJは現実を受け入れるまでに、長い時間がかかります。

気づいていても、認められない。
認めることは、自分が築いてきた全てを否定することだから。
弱かったわけじゃない。
そういう構造だったのだと、今は思っています。


夫婦崩壊に気づくのが遅れやすい5つの性格タイプ

同じように苦しんでいる人がいるかもしれないと思って、性格タイプ別に書いておきます。

MBTIはあくまで自己理解のためのひとつのツールです。
全ての人に当てはまるわけではありません。
でも「なぜ自分は気づけなかったのか」を考えるヒントになればと思います。

ISFJ(擁護者)——「守る人」

責任感が強く、家族のために献身します。その献身が、自分が傷つけられていることへの気づきを遅らせます。
「私がもっと頑張れば」という思考が長く続きます。

過去の積み重ねへの信頼、関係の調和を守りたいF、枠を崩せないJ
——この三つが重なって、現実の受け入れに時間がかかります。

でも一度受け入れたら、静かに、そして強く動き始めます。

INFJ(提唱者)——「洞察する人」

他者への洞察力は鋭いのに、自分のことは見えにくい。
「相手には良いところもある」という理想視が長く続きます。

INFJは相手の奥深くにある善意を信じようとします。
「本当はこういう人のはずだ」という理想像に現実が重ならなくても、理想を手放せない。孤独に耐えながら、一人で抱え込む傾向があります。

ESFJ(領事官)——「気配りの人」

周囲の評価、家族の体裁を守ることへの動機が強く、「外から見てどう見られるか」が判断の基準になります。

「離婚は恥ずかしい」「周りになんと言われるか」という意識が、現実直視を妨げます。
家族や親族のネットワークの中で生きているため、そのネットワークを壊すことへの恐怖が非常に大きい。

INFP(仲介者)——「理想を持つ人」

理想の関係像にしがみつきます。
「本当の愛はこういうもの」「いつか変わってくれる」という希望を手放せません。

INFPは関係に深い意味を見出します。
だからその関係が壊れていると認めることは、自分の信じてきた「意味」ごと失うことになる。
長く、夢の中に留まり続けます。

ENFJ(主人公)——「導く人」

「私が支えれば、この人は良くなる」という強い使命感を持ちます。
DVや問題行動があっても、「まだ変われる」「私の愛が足りない」と解釈してしまいます。

ENFJは人の可能性を信じる力が強い。
自分が疲弊するまで、関係の改善に力を注ぎ続けます。


これらのタイプに共通しているもの

「F(感情・Feeling)」を持つことと、関係を維持・改善しようとする動機の強さです。

感情機能は、共感の力であり、人との繋がりを大切にする力です。
それは素晴らしい資質です。
でもその力が、傷ついている自分を見えにくくすることがある。

「相手を傷つけたくない」 「家族を壊したくない」 「まだ信じたい」

その気持ちは、本物です。
でもその気持ちのせいで、自分が傷つき続けることがある。

私自身がそれを言葉にしてもらったのは、グラビティで知り合ったISTJ(管理者)の人からでした。

「あなたは誰かのために生きようとしているように見えます。楽しそうに思えません」

その一言で、私は言葉を失いました。

その人は続けてこう言いました。
自分は家族に優しくするけれど、それは家族のためじゃない。
自分が幸せになるためだ、と。

その言葉にハッとしました。
私はずっと、自分を後回しにすることが「愛情」だと思っていた。
でもそれは、自分を消すことだったのかもしれない。

MBTIはあくまで「傾向」をみるものなので、「このタイプだから絶対にこうなる」と断定はできません。

ですが、「自分が良かれと思って使っている長所(優しさや責任感)が、時に自分を縛る盲点(弱点)になり得る」


DVでは、「気づき」が意図的に遅らされる

もうひとつ、大切なことを書きます。

DVの関係では、気づくのが遅れるのは性格だけの問題ではありません。
加害者が意図的に、被害者の「気づき」を遅らせるのです。

孤立させる——相談できる人間関係を少しずつ壊していきます。「あの友人はおかしい」「実家には行くな」。気づいたときには、話せる人がいなくなっています。

自信を奪う——「お前には判断力がない」「俺がいなければ何もできない」。繰り返されることで、自分の感覚を信じられなくなります。

「これが普通だ」と思わせる——異常な状況を、少しずつ日常にしていきます。ひとつひとつは小さく見えても、積み重なると麻痺していく。

私が気づくのに26年かかったのは、ISFJという性格だけが理由ではなかった。
この仕組みの中に、長い時間をかけて閉じ込められていたのだと思います。

だから。

気づくのが遅れたことを、自分を責める必要はありません。


もし今、「なんかおかしい」と感じているなら

その感覚は正しいです。

言葉にするのが怖くても。
離婚になるのが怖くても。
「大げさかな」と思っていても。

その「なんかおかしい」という感覚は、あなたの中の何かが、助けを求めているサインかもしれません。

一人で抱え込まず、
女性相談窓口や配偶者暴力相談支援センター、
法テラスといった支援機関に、
まず話を聞いてもらうことから始めてみてください。


気づくのが遅れたのは、あなたのせいじゃない。

あなたが関係を守ろうとした、その力が働いていたからです。
そしてその力を利用する人が、そばにいたからです。

私は26年かかりました。
でも今、やっと自分のために生きようとしています。

あなたにも、そのときが来ることを願っています。


MBTIは自己理解のためのひとつのツールであり、診断や断定を目的としたものではありません。

DV・モラハラに関する相談は、
女性相談(各都道府県)、
配偶者暴力相談支援センター(各都道府県)、
法テラス(0570-078374)に
電話やチャットなどで連絡してみてください。

自分の違和感が何なのか探る助けになります。



第二回

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