家づくりのコストダウン、それはモノを減らすこと
家づくりやリフォームを考えるとき、「どこを削れば予算に収まるんだろう」と悩むことは多いと思います。設備のグレードを落としたり、面積を削ったり……と考え始めると、暮らしの心地よさまで小さくなってしまいそうで迷いが生まれますよね。
そんなときに私がそっとお伝えしているのが、「モノを減らすことも、立派なコストダウンです」という視点です。
たくさんのモノを収めるために大きな収納をつくれば、その分だけ壁や建具、造作材が必要になり、工事費が積み重なります。
逆に、持ち物が厳選されていれば、収納はコンパクトで済み、結果的に費用を抑えられることが少なくありません。
私たちは「片づけにくい→収納を増やす→収納が増えるからモノが増える」という循環に巻き込まれがちです。
ここにもう一つ、見落とされがちな視点があります。
収納が占有する“土地コスト”のことです。
都心や人気エリアでは、1㎡あたりの土地コストは決して小さくありません。
たとえば——
●吉祥寺駅徒歩10分の戸建て用地(30坪〜35坪)
土地価格:おおよそ 110万〜150万円/㎡
これはあくまで参考値ですが、たとえば収納のために2㎡分を専有しているとしたら、それだけで約200万〜300万円相当の土地を“モノの置き場所”として使っている計算になります。
こうして数字で見てみると、「本当にモノのための場所にこれだけの価値を使っていてよいのかな」と、少し考えたくなりますよね。
私はいつも、収納計画を重視しますが、それ以前に、住まいは“モノが主役”ではなく、“人が主役”だと思っています。
家づくりとは、モノを守る空間を増やすことではなく、そこで過ごす人の時間や心地よさを整えることに近いのではないでしょうか。
モノを減らすことは派手ではありませんが、暮らしを軽くしてくれる“やさしいコストダウン”。
これから家づくりやリフォームを考える方の、小さな安心につながればうれしいです。
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