日常 ~桜城市編⑥ 前編~
瑛(あきら)です。
今回は『ようこそ、桜城市へ』のリレー小説から外れた別の日常をお届けします
桜城市役所、市長室。
椅子に座っているのは、市長の英王英だ。
目の前の机には、何枚かの紙が置かれている。
「どう思う?」





目の前に立っているのは、秘書……ではなく、桜城市マスコットガールを務める桜城舞花だ。
「そうですね……。というかこれは桜城市の皆さんの投票で決めるのはどうでしょうか?」
「確かにそうだな。それもありだな」
舞花の提案に乗る王英だった。
桜城市。
竜原県にあり、一年中咲く桜と市内のどこからでも見える桜城が魅力の都市。
ここの市長、英王英は、どこか変わっている。
通りいっぺんの堅物ではなく、話はちゃんと聞くタイプであり、特に市民の意見は真摯に受け止めて市政に反映させていく。
その為には桜城市内を護衛を伴うことも無く、普通に歩くことも多い。
『ぱんだ鉄道』桜城市駅。
桜色のツインテールに青色のワンピースという『ぱんだ鉄道』の広報担当、さちかぜさくらが、駅の改札口付近に立っている。
「おはようございます! 今日も行ってらっしゃいませ~」
さくらの声がヘッドセットを介して、駅内の放送で流れる。
「疲れた~」
通勤ラッシュが終わり、ヘッドセットを外して一息つくさくら。
そして遠くに見える桜城を見ながら、何かを思い出したように呟く。
「そういえば、今週の日曜日、桜城市、イベントありませんでしたっけ?」
桜城前。
Sean O'tantin(ショーン・オタンティン)とその妻、オタンティン(阿保)那古が、そこにいた。
根っからの日本人では無いためオタンティンにとって桜の良さは、はっきりいって全く分からない。
「桜城の桜は本当に綺麗ね」
「桜、というのは、どこがいいんだ?」
「桜は本当は季節でいうと春に咲く花で、一般的には学校の卒業式~入学式辺りに一週間ぐらい咲くの。で桜が散るときに風が吹けば、桜の花びらが吹雪のように舞う桜吹雪という現象が、とても綺麗に見えるの」
「桜吹雪……」
「日本では桜というのは、人々の暮らしに結びついているの。例えば合格を表す『サクラサク』と、不合格を表す『サクラチル』、春には桜の花を見たり、その下でパーティーしたりする『花見』もそう」
「そんなものなのか」
桜を見ながら、オタンティンはそう言う。
日曜日、桜城前。
「緊張……ですぅ」
貴島ありすは、緊張を紛らそうと一人、桜城の方へ歩いていく。
同時刻、桜城前。
「ママ~」
比呂川まこは六月一日志央莉の左手を握り、聞く。

「おっ、なんや」
「今日は何あるの?」
「こっこ、今日は何あるんや?」
「今日は~、ご当地アイドルグループ『Sakura Castle Girls(サクラ・キャッスル・ガールズ)』のお披露目会~」
「また皇グループなんか」
「違います~」
「皇先輩のグループ主催では無いのが珍しいですね」
「全部が全部、皇グループではないです~」
「あれですぅ?」
貴島ありすはふと周りを見渡す。
考え事をしていて気づかず間に、桜城の天守閣の方まで近づいていた。
「で、どうするんだ?」
「うーん、ホイップたこ焼きを狙った犯人も分からないままだしね」
黄色いアヒルの言葉に、首を傾げる日々ちゃん。
「犯人を探しつつ、これも整備が必要かな」
日々ちゃんはアサルトライフルの入った箱を取りだし、蓋を開けて、中身を取りだした。
「あっ、あの、あっ、」
驚いた女子の声が聞こえたので、日々ちゃんと黄色いアヒルがその方を見る。
「な、何を、ですぅ」
貴島ありすは目を見開く。
「あっ、ちょっと、待て」
黄色いアヒルの静止を無視して、貴島ありすは後退りを始める。
「あっ!」
日々ちゃんの驚きと共に、ありすは反対方向に走り出した。
「あっ、そっちは……」
日々ちゃんはありすの方向を見て言う。
「キャッ!」
柵が切れている部分があり、そこからありすは飛び出してしまう。
「あれっ?」
志央莉は目の先に見えた光景に、まこの手を離し、そこへ走る。
ありすは思わず目をつぶる。
「……ん?」
体を地面にぶつけたような感覚は全くない。
「大丈夫かいな」
どこかで聞いた浪花言葉に恐る恐る目を開けると、ありすの体はセーラー服にポニーテールの女子高生にお姫様抱っこされていた。
「あっ、あの、あっ、」
いい歳してお姫様抱っこなんて恥ずかしすぎて、ありすの顔は真っ赤になっていく。
「何あったんか知らんけど、飛び降りはあかんで」
「は、早く降ろしてぇですぅ」
「か、かんにんかんにん」
ありすの体を下に降ろす志央莉。
「どないしたんや」
「あっ、えーっと……、私……」
ありすは自分のことを話そうとして気づいた。
(喋っちゃいけないんだったんですぅ)
「ご、ごめんなさいですぅ!」
ありすは一目散に走り出した。
「えっ? なんなん?」
志央莉は目を丸くする。
「何か事情がありそうです~」
「助かったことに、お礼ぐらい言うべきですよね」
瑚々愛、帆乃華は納得いかない様子だった。
ご当地アイドルグループ『Sakura Castle Girls(サクラ・キャッスル・ガールズ)』のお披露目会会場。
「貴島さんがいないのですけど……」
軍上真乃愛は、不安な顔で会場内をウロウロしている。
畔川瑠美、村崎澪、百々原春香、碧川紗奈、瑞井蘆花は、そんな真乃愛の姿を個々に眼で追っている。
「それでは聞いてみましょう、桜木さん~」
FM桜城局のラジオパーソナリティー、涼風桜子は、桜城前にいるリポーターの桜木花凛に聞く。
「はい、リポーターの桜木花凛です、ご当地アイドルグループ『Sakura Castle Girls(サクラ・キャッスル・ガールズ)』のお披露目会場の近くまで来ております」
桜木花凛が後ろを振り返りながら、なおも喋ろうとした時だった。
「もうすぐ始まりま……えっ、キャッ!!」
花凛の声がそこから途絶える。
「ど、どうしました、桜木さん!」
「ご、ごめんなさい、ですぅ」
花凛を心配する桜子の耳に入ってきたのは、花凛ではない別の女性の声だった。
続く
桜城市長
英 王英(はなぶさ きみひで)

桜城市マスコットガール
桜城 舞花(さくらのじょう まいか)

ご当地アイドルグループ
Sakura Castle Girls
(サクラ・キャッスル・ガールズ)

『メンバー』
黒……畔川 瑠美(くろかわ るみ)
黄……貴島 ありす(きじま ありす)
紫……村崎 澪(むらさき みお)
群青……軍上 真乃愛(ぐんじょう まのあ)
桃……百々原 春香(ももはら はるか)
緑……碧川 紗奈(みどりかわ さな)
水色……瑞井 蘆花(みずい ろか)
リポーター
桜木 花凛(さくらぎ かりん)

御丹珍様
Sean O'tantin(ショーン・オタンティン)
オタンティン(阿保)那古
織の日々是好日様
日々ちゃん
黄色いアヒル
こぱんだちゃん様
さちかぜさくら
まあ!様
比呂川 まこ
さくら様
涼風 桜子
織の日々是好日様とまあ!様に更新を追い抜かされながらも、ようやく前編公開となりますw
桜城市の市章ですが、この記事の作成時では決め兼ねていましたが、Whiskにさらにいくつか作成してもらいました。
とりあえず候補③を適用していますが、①~⑤の中で、これがいいというのがあればコメント欄で教えて下さい。
この記事の作成時には織の日々是好日様の最新記事は出ていませんでしたので、日々ちゃんはホイップたこ焼きを撃った犯人を知りませんw
ここまでご覧いただきありがとうございました!
後編に続きます!
架空都市『桜城市』へ来てみませんか?
コラボ作品、沢山ありますよー
FM桜城局、開局~
#桜城市
#ようこそ、桜城市へ
