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生きているうちに一度は乗りたいインド知られざる秘境鉄道!実は国鉄の魂が込められた山岳路線の正体


 

1.前回のおさらい


 先回の本編記事(リンク)では、インド最高収益を誇る山岳大動脈「コタヴァラーサ=キランドゥル線Kothavalasa–Kirandul line 」(通称:K-K線)の建設と電化に、かつての日本国有鉄道(旧国鉄)の技術者たちが深く関わっていた歴史を紐解いた。

 日本の高度経済成長を「鉄鉱石」で支えてくれたインドへの感謝。そして、険しい東ガーツ山脈に日本の山岳トンネル技術や、国鉄のEF65・ED75の技術を受け継いだ電気機関車WAG-5を走らせた技術者たちの思いは、私たち現代の日本人が大いに誇るべき歴史である。

ED75。インドとどう関係があるのかは先回の記事見てね

さて、そんな重厚な「歴史と技術の舞台」であるK-K線だが、実は現代、インド国内で「人気の絶景観光路線」としての側面も見せていることをご存知だろうか。今回は、この路線の「旅情」と、そこに隠された「地政学の謎」へとお連れしよう。

2.K-K線はどんな鉄道?

 そんなK-K線はあいにく日本で話題になることはほとんどない。実際に訪問してみたという話もほとんど聞かない。話題になるのは宮脇俊三氏が訪問したようなダージリンヒマラヤ鉄道やカルカ-シムラ鉄道である。これらは世界遺産にも登録されており、耳目にも触れやすい。

 実際のところどのような路線なのだろうか。私なりにご紹介させていただきたい。そもそもK-K線はアーンドラプラデシュ州、オディシャ州、チャティスガール州の三つの州にまたがって走る路線である。

 運転上の始発駅はヴィサーカパトナム駅である。この駅はコルカタ-チェンナイを結ぶ大幹線の途上にあり、町は製造業の拠点であるし、かつて日本への鉄鉱石はこの町の港から出荷された。加えて海軍の基地があるところとしても知られる。

 コタヴァラーサまではコルカタ方面の路線と一緒に走り、そこから進路を変えて東ガーツ山脈に分け入る。先回の記事でも触れたように勾配は16.7‰である。最大では28.6‰である。機関車牽引列車にはしんどい勾配だ。

 途中の見どころと言えばShimiliguda駅で、標高997mはかつてインド国鉄線の中で最高所にあったという。ちなみに日本の最高所駅は小海線の野辺山駅で標高1375mである。インド国鉄の現在の最高所駅はダージリンヒマラヤ鉄道のグーム駅で標高2258 mであり、将来的にラダック地方に鉄道が開業したら、Tengla Station の標高が5358mとなり世界最高となる。 

 そんなArakuには民族博物館などがあり、多くの人でにぎわっているという。

3.沿線の謎~次回予告

 Arakuを出発し、Koraputをすぎると沿線最後の主要駅であるJagdalpurはチャティスガール州にある。チャティスガール州の州都はRaipurなのだが、そこへ行くのに一旦オッディッシャ州を通らなければならない理由はなぜなのだろうか。
 
 そもそもなぜ眺望車はAraku止まりなのか。終点のキランドゥル駅に到着するのは21:15なのだが、なぜこの時間なのだろうか。そして472kmを走るのにどうして14時間以上かかるのか。表定速度にすると約32km/hである。遅いと有名なスイスの氷河急行と同じくらいである。

 次回の記事ではそのあたりの謎についてお話したい。キーワードはJagdalpurを中心にしたバスタール藩王国である。日本人が決して忘れてはいけない歴史についてお話する。

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