第7話「窓際LOVER」
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5月になり、GWが明けた直後のある日。この日の5限は古文の授業だった。
大園「……(カキカキ」
○○『……』
森田「ふぁ…」
田村「zzz…」
大園はマジメに、○○は一応授業を聞いているが森田はあくびをし、田村に至っては完全に寝落ちしている。そんな午後の教室である。
教員「じゃあここを…松田。」
松田「はい、えー…(スラスラ」
カーテンが風に揺れ、隙間から見える青空はどこか物欲しげである。
藤吉「……」
板書を写すフリをしながらチラチラと○○を見る藤吉。
藤吉「(こっち見てくれたらもう少し頑張れるのに…あれ?)」
ここで、自らの想いに対しなにか感じた藤吉。
藤吉「(今までこんなこと思ったこともなかったのに…)」
○○『??』
藤吉「!?」
視線を感じたのか○○が突然顔をこちらに向けた。あまりに急のことだったのでバッチリ視線が交錯する。
藤吉「……///」
○○『??』
よくよく見ると整った顔立ちの○○と視線がぶつかり、思わず赤面してしまった。彼の方は何のことやら、と言った表情で再び黒板の方を向いた。
藤吉「(いきなりこっち見られたら心臓に悪いって…)」
”キーンコーンカーンコーン”
松田「ありがとうございました。」
『ありゃしたー』
ピン「はいお疲れー。」
山﨑「○○!練習行くよ!!」
○○『そんな多目的室は逃げたりしないから…』
多目的室にて。
藤吉「……」
的野「藤吉さん?」
藤吉「……なに?」
的野「何か悩み事でもあるんですか?ものすごい眉間にシワ寄ってますけど。」
藤吉「……別に。」
彼女の視線をたどる的野、その先には1年生と話をする○○がいた。
的野「もしかしてですけど……相良先輩のことですか?」
藤吉「!?」
的野「その反応だと図星っぽいですね…」
藤吉「実はね…」
そう言っていきさつを話す藤吉。
的野「なるほど…その件以来他の人と違う感情が相良先輩に対してあるってことですね。」
藤吉「うん。」
的野「それ…恋なんじゃないですか?」
藤吉「……やっぱり?」
的野「逆に恋じゃなかったら何なんですか?」
藤吉「……」
後輩にまでビシッと言われ、いよいよ腹を括らざるを得なくなった藤吉。
藤吉「多分…これが恋なんだと思う。でも、今はまだ俯瞰して見ていたい。」
的野「どういうことですか?」
藤吉「小説もそうだけど、自分事で動くより俯瞰して見ている方が楽しいから…」
的野「そうですかね…」
松田「練習始めるよー!」
藤吉「…行こっか。」
的野「はい。」
その日の練習後。
○○『忘れ物ない?』
小田倉「はい。」
谷口「大丈夫でーす!」
そう言って多目的室の鍵を閉め、下校していく○○たち。
向井「そういえば先輩。」
○○『んー?』
向井「先輩ってこれだけたくさんの女子に囲まれてるじゃないですか??」
○○『そうだね。』
向井「誰が一番かわいいと思ってます?」
○○『かわいい、か…考えたこともなかったな。』
的野「それ、私も気になるかも。」
石森「美青ちゃんも気になるの?」
的野「ちょっとね。」
○○『まあ…かわいいっていうか、気になる人はいるけどね。』
『えーっ!』
村山「それって誰ですか?」
○○『うーん…ひと言でいえば”月”みたいな人かな。』
中嶋「誰だろう…」
的野「(まさか…!?)」
○○の言う”月”のような人…それが誰かは彼のみぞ知る所だった。その晩。
藤吉「……」
藤吉は自宅の机でスマホのカメラロールを操作していた。自ら写した風景写真が連なる中、1枚の写真で手が止まった。
藤吉「(こんなの、いつの間に撮ったんだろう)」
それは実行委員の練習中に○○を隠し撮りした写真だった。が、本人も無意識のうちに撮っていたようで、全く身に覚えがない。
藤吉「……」
その写真をお気に入りに登録する。風景写真ばかりの中に○○がいる。その違和感すらも今の彼女には楽しく思えた。
藤吉「(これが恋なのかな…)」
どうやらようやく自覚したらしい。
藤吉「(明日は何か相良くんと話したい…)」
決意を胸に床に就いた藤吉であった。
教室の片隅で恋をしてる
そばにいても遠くの人
ゆっくりと過ぎて行くハートの針
変わらないこの距離に切なくなる
もどかしい窓際LOVER
To be continued…
次回
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