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第13話「強化合宿1日目」

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8月1日。

ピンキーの引率で芸能科候補生と○○を乗せたバスが夏休みの高速道路を千葉・九十九里に向けて走っていた。


田村「相良くん、これ食べる?」

○○『お菓子?』

森田「このお菓子美味しいよ。」

○○『じゃあもらおうかな。』


そう言って前の席に座る田村からお菓子を受け取る○○。


○○『ほんとだ、美味い。(モグモグ』

田村「やろ?」

○○『それどこで売ってた?』

森田「普通にコンビニで売ってるよ。」

○○『ありがとう、東京帰ったら探してみる。』


やがて休憩のパーキングエリアに到着した。


○○『よいしょ、っと…あっつ…』


それもそのはず、この日の千葉は最高気温36℃の予報であり文字通りの猛暑であった。用を足し、自販機で飲み物を買ってバスへ戻ると…


○○『藤吉?』

藤吉「天がうるさくてこっちに移ってきた。」

○○『それ山﨑が聞いたら泣くよ?』

藤吉「今いないから大丈夫。」


やがて全員戻り、バスは再び走り始めた。すると奥の方に座っていた山﨑が……


山﨑「誰か夏鈴知らない?」

○○『かり…じゃなかった藤吉ならここにいるぞー。』

山﨑「なんで!?」

藤吉「天ちゃんテンション高すぎ……」

○○『山﨑、お前のテンションが高すぎてついて行けないってさ。』

山﨑「うそん!!」

『www』


○○が一本取ったかと思ったこのやり取り、思わぬ形で横槍が入る。彼の後ろに座っていた村山が言った。


村山「でも相良先輩、今藤吉さんのこと夏鈴って呼びそうになってましたよね。」

山﨑「あ、そうじゃん!私の夏鈴取らないでよ!!」

○○『山﨑のじゃないしオレのでもないから!!』

『www』


やがてバスは目的地・九十九里に到着した。バスを降り、荷物を持って宿へ移動する。


ピン「今日からお世話になります櫻坂学院大付属高校芸能科です。よろしくお願いします。」

『よろしくお願いします!』

女将「ようこそいらっしゃいました。早速お部屋に案内させていただきます。」


女将に部屋の案内をしてもらう。


女将「こちらの大広間と他ふた部屋のご予約になっております。」

『えぇー!!』

ピン「どうした?なにか不満か??」

幸阪「先生と相良くんだけ1人部屋なんですか?」

○○『そうだけど??』

向井「みんなで一緒に寝たかった〜!!」

ピン「メシ食うときはみんなで食うからそれで我慢してくれ……」

『は~い!』


メンバーは大広間に荷物を置く。


○○『着替えたら玄関前集合ね!』


○○も自分の部屋に行き、荷物を置いて外に出る。しばらくして、着替え終わったメンバーたちが外に出てきた。


ピン「集まったなー?それじゃあまず、初めに体力作りとしてマラソンをやってから筋トレをしようと思う。」


マラソンと聞いて全員の顔が強ばる。


ピン「とりあえず、この民宿の周りを走ってもらう。準備体操したら始めるから、各自でやってくれ。それから相良は終わったあとにみんなが飲むポカリを準備してくれ。」

○○『分かりました。』

『はーい……』


各自で準備体操やストレッチを行い、玄関先から道に出る。


ピン「準備終わったな〜?それじゃあ、始めるぞ!用意……」


“ピ-ッ!”


ピンキーの笛の音ともにメンバーたちが走り出す。ついに強化合宿が幕を開けた。メンバーが走り出した後、ドリンクを作り終えた○○は民宿にある自転車を借りて彼女たちの後を追った。追いかけていると小田倉がキツそうに走っているのが見えた。


○○『小田倉、大丈夫?』

小田倉「はぁ…はぁ…大丈夫です……」

○○『無理しないで、ゆっくりでいいから頑張ろうな?』


小田倉が頷いたので彼女を抜かしていくと、次に光莉が走っていた。


○○『えんぴか、頑張ってるか?」

光莉「相良くん!頑張ってるよ!」

○○『そうか。午後もあるし、無理しないでな?』

光莉「うん、ありがとう!」


追い越したりすれ違うメンバー1人1人に声をかけていく。それは彼だけでなく、2年生たちもキツそうにしている後輩に声をかけたりしていた。そうして走っていると先頭を行く村井の姿が見えてきた。


○○『村井!あとちょっとだからな!』

村井「はぁ…はぁ…相良先輩…さすがにちょっとキツいですけど……もう少しでゴールだから頑張ります!」

○○『うん。頑張れ!先行って飲み物用意して待ってるから!』


○○は先に民宿に戻り、給水できる様に準備をする。そして数分後、村井が到着した。


○○『お疲れ、よく頑張ったな!」


○○は彼女にドリンクを渡す。


村井「ふーっ……生き返った!」

○○『そりゃよかった。はい、これタオル。汗拭いて身体を冷やさないようにな?』


その後も続々とやってくるメンバーのケアを行っていく。先頭の村井がゴールしてから約20分、最後尾を走っていた小田倉が到着した。


山下「麗奈お疲れさま!よく頑張ったね!」

谷口「これ、タオルとドリンク!」

小田倉「はぁ…はぁ…ありがと…」

ピン「お前らよく頑張ったな!昼メシ食べて、休憩したら午後からは筋トレするぞー。」

『はーい……』


力のない返事とともに民宿の中へ入っていくメンバーたちであった。昼食を食べ、道を挟んで向かい側にある体育館へ移動する。


ピン「よし集まったな!それじゃあ筋トレ始めるぞ。2人1組になってやるからペアを組んでくれ。相良は…そうだな……しばらくやることもないからその辺で見ててくれ。」

○○『分かりました。』


腕立て・腹筋など、単純な内容ではあるが回数をこなすためハードなものとなった。


守屋「もう無理〜!身体動かない〜!」

武元「麗奈ちゃん、もう少しだから頑張ろ?」

大園「でも、さすがに私たちもキツいね…」

井上「そうだね…でも、上手くなるためには頑張らなくちゃ。」

大沼「そうだね。」

○○『みんな……大丈夫?』


○○がそう聞いても、1年生は無言で首を横に振るだけだった。


ピン「よし、今日はここまで!風邪引かないように汗しっかり流せよ!」

○○『みんなお疲れ様!』

『お疲れ様でした!!』


バタバタと体育館を出ていくメンバーたち。○○も後片付けを済ませ、汗を流しに大浴場へ向かう。入浴を済ませ、出てくるとそこには山﨑がいた。


山﨑「お疲れ様。」

○○『お疲れ。今日どうだった?』

山﨑「めっちゃ疲れた!でも、明日からはもっとハードなんでしょ?」

○○『オレも詳しくは知らないけどそんな気がする。』

山﨑「じゃあ、もっと頑張らなきゃだね。」

○○『でも頑張りすぎてケガとかだけはしないでね。』

山﨑「分かってるって!」


その後も少し雑談をし、お互いの部屋に戻った。夕食の時間になったので食堂に向かう。九十九里ということで今夜は千葉の海鮮が振る舞われた。


○○『美味い…(モグモグ』


しばらくして夕食が終わった。みな空腹だったこともあり一様に完食していた。


ピン「今から消灯までは自由時間にするけど、明日もあるから夜更かししないようにな!」


各々自由時間を満喫する。○○は自室でパソコンを使って事務作業をしていた。すると……


“コンコン”


○○『どうぞー。(カタカタ』

藤吉「入るよ。」


○○の部屋に藤吉がやってきた。


藤吉「何やってんの?」

○○『今日の日誌作ってる。(カタカタ』

藤吉「ふーん…」

○○『なんか用があって来たんでしょ?(カタカタ』

藤吉「用がなきゃ来ちゃダメ?」

○○『みんなといないのかなって思って。(カタカタ』

藤吉「……」

○○『……なぜ無言??(ッタ-ン!』

藤吉「こっち着いてからあんまり話せなかった……」

○○『藤吉って…実は意外と甘えん坊?(カタカタ』

藤吉「うるさい…///」


○○は画面から視線を離さずにに言ったため見ていないが、藤吉の顔は真っ赤であった。


○○『そういえば、今日1日メニューこなしてみてどうだった?』 

藤吉「大変だった……けど、やり甲斐はあったかな。」

○○『そっか。明日からもっとハードになると思うけど、その調子で頑張れ。藤吉ならできるから。』

藤吉「うん……(*ˊᵕˋ*)」


その後も作業しながら他愛もない話をした2人。消灯間近になり、戻り際に藤吉が一言言った。


藤吉「明日も頑張るから…相良くんの元気が欲しい……」

○○『オレの?』

藤吉「……うん。」

○○『(オレの元気って…オレ、元気吸われるの??)……分かった。』


そう思いつつも彼女の両手を握る。


○○『頑張れ、藤吉ならできるから。』

藤吉「うん…頑張るから、ちゃんと見ててね。」


○○もしっかり頷く。


○○『1人で戻って大丈夫?』

藤吉「そんなにビビりじゃないから……」

○○『……わかった、明日も頑張ろうね。』

藤吉「うん、おやすみ。」

○○『おやすみ。』


藤吉が戻ってしばらくして、今度はピンキーがやってきた。


ピン「お疲れ。もうすぐ消灯だから、適当なところで切り上げろよ。」

○○『はい。これだけやったら今日は終わりなんで。』

ピン「そうか、いつもありがとうな。じゃあ、オレは部屋に戻るから。明日もよろしくな。」

○○『はい。お疲れ様です。』


○○も作業を終わらせ、眠りに就く。こうして、九十九里初日の夜は更けていくのであった。


To be continued…

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