第12話「芸能科」
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満開ライブ翌日。終業式を終えて実行委員は再び多目的室に集まっていた。ピンキーが話を切り出す。
ピン「まずはみんな満開ライブお疲れ様。」
『お疲れさまでした!!』
ピン「みんな満足してるようで何よりだ。そしてオレも久々に手ごたえを感じてる。これも相良を中心にお前たちがよくやってくれたおかげだ、本当にありがとう。」
一同の顔に笑顔が浮かぶ。
ピン「そこで、お前たちに1つ提案がある。実は夏休み明けて2学期からこの学校に芸能科が新設されることになっている。」
松田「芸能科…?」
ピン「そうだ。相良には前に1度話をしたんだがここで改めてオファーを出そうと思う。お前ら、芸能科に興味はないか?」
ピンキーのオファーにざわつく一同。
ピン「相良には満開ライブの結果次第と話をしたんだが、校長たちもぜひやってほしいと言っていた。オレもやってほしいと思ってる。どうだ??」
相良『決断そのものは個人個人に任せるけど、やってみる価値は十分にある…と、オレは思ってる。』
森田「相良くんがそこまで言うなら…やってみよっかな。」
田村「ひぃちゃんがやるなら私も。」
山﨑「○○が言うなら私もやる。」
2年生が次々とオファーに乗る。
山下「しーも…やります。」
谷口「瞳月がやるなら私も。」
理子「りーもやります。」
1年生もオファーを承諾していく。
小池「……」
しかし、唯一の3年生・小池はうつむいたままだった。
ピン「小池はどうするんだ?」
小池「私は…」
ピン「すぐに結論出せとは言わないから、じっくり考えてくれ。」
小池「はい…」
○○『……』
ピン「で、参加を決めたメンバーは8月第1週に強化合宿に参加してもらう。」
『強化合宿!?』
井上「海ですか?山ですか??」
ピン「合宿先は千葉の九十九里……すなわち海だ。でも遊びに行くんじゃないからな。」
武元「分かってますよ!」
ピン「詳しくは相良がプリントを配るからそれを見てくれ。」
○○の手によって詳細が書かれたプリントが配布される。
大園「ダンス、基礎からやってくれるんだね。」
大沼「表現力のレッスンもある。」
○○『はい、小池先輩の分です。一応渡しておきますね。』
小池「ありがと…」
○○『それと…解散後、昇降口で待っててください。』
小池「分かった。」
解散後、小池の待つ昇降口へ急ぐ○○。
○○『お待たせしました。』
小池「遅~い。」
○○『行きましょうか。』
小池「うん。」
小池とともに帰宅の途に就く…と思いきや。
○○『先輩、やっぱ落ち着かないんでどっか入りましょう。』
小池「え、どこ行くん?」
○○『まあ、ついて来て下さい。』
そう言って小池を引っ張って来たのはとある喫茶店。
○○『……先輩?』
小池「こんな学校の近くで寄り道したりして怒られたりせぇへん?」
○○『その時は…2人で一緒に怒られましょう。』
そう言って小池の手を引いて店の中へと入る。
店員「ご注文はいかがなさいますか?」
○○『じゃあ…クリームソーダで。』
小池「私は…カラメルラテをアイスで。」
店員「かしこまりました。」
店員が戻っていくと、○○が切り出す。
○○『小池先輩。』
小池「なに?」
○○『やっぱり悩みますか?芸能科のこと。』
小池「そうやね…うちはあと半年で卒業やし、その半年だけ編入するのもどうなんかなって思ってん…」
○○『そうなんですね。』
小池「実は私な、高校に入る時に兵庫からこっちに引っ越して来てん。高校で環境変ったからって、青春っぽいことできると思ってなくて最初からあきらめてたんよね。」
○○『……』
小池「でもテニス部入って、学校が楽しくなっていって…もっと青春したいって気持ちになって……満開ライブも興味あったけど、あと1歩が踏み出せなかったんよ。」
○○『そうだったんですね。』
小池「だから、いのり(井上)が誘ってくれてうれしかった。」
○○『……』
小池「でも、ライブが終わって実行委員の皆は芸能科に行くって聞いて…私もついて行きたい気持ちはあんねん。でも…半年だけで卒業する人がそれだけの理由で入っていいのかな…って思ってん。」
○○『小池先輩が悩んでるのは良く分かりました。オレだって同じ立場だったらそう思いますし、実際オレも悩んでます。委員長とはいえ、パフォーマンスもしてない人間が行くのもどうなんだろうか、って。でも結局決めるのは自分自身ですから、オレは自分の信じたようにやりますし、先輩の信じたようにやればいいんじゃないですか?』
小池「もし芸能科に行かないって言っても…文句言わん?」
○○『先輩が悩んで考えて出した結論がそれなら、オレは文句言いません。』
小池「ありがと……なんか、相良くんに話してスッキリしたわ。」
○○『役に立てたなら何よりです。』
店員「お待たせしました。クリームソーダとアイスカラメルラテになります。」
○○『ありがとうございます。先輩、この話はここまでです。甘いものでも飲んで息抜きしましょう。』
小池「そうやね。そうしよう。」
それから2人は喫茶店タイムを楽しんで店を後にした。余談だが、どちらがお代を払うかでひと悶着あったとかなかったとか。
○○『いやーおいしかった。』
小池「ええ店知ってるね。」
○○『前通るたびにいつも気になってたんですよ。』
小池「そうなんや。ところでなんやけど…」
○○『何ですか?』
小池「もし芸能科に行かなくても…みんな私と仲良くしてくれるかな……?」
○○『当たり前じゃないですか。たとえ芸能科に行かなくても小池さんは実行委員の仲間ですから。』
小池「そうやね…みんな仲間やもんな。」
小池の照れたような笑顔が彼の印象に残っていた。
翌日。
小池「私は…普通科に残ります。」
小池はメンバーたちの前で芸能科には行かないことを告げた。
小池「でも、これで終わりやないと思ってます。みんなは私にとっていつまでも仲間やから。」
○○『そういうことだから…今のところ24人が芸能科立ち上げメンバーになります。オレもまだ保留って状態なんで。』
向井「先輩はこのこと知ってたんですか?」
○○『1から10まで全部知ってたわけじゃないけど、何となくこうなるだろうな、とは思ってた。』
するとここで守屋が…
守屋「そういえば昨日、相良くんと小池先輩が学校の近くのカフェにいるの見たよ?」
『えーっ!!』
○○『見られてたか…』
小池「えへへ…」
田村「まさか…」
松田「デート?」
○○『いや、違うから。』
石森「でも私たちに黙ってたってことはそうですよね?」
○○『だから違うって…先輩もなんか言ってくださいよ……』
小池「昨日は楽しかったな❤」
そう言って○○の腕にしがみつく小池。
『あーっ!!』
増本「相良くん、いつの間に小池先輩誑かしてたんですね?」
理子「みんなの小池先輩なのに!」
谷口「ふしぃ!」
○○『だから誤解だってば!!』
○○が一同の誤解を解くのには小一時間かかった模様。
To be continued…
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