第11話「Time has come」
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7月某日。終業式前日のこの日、いよいよ満開ライブ当日を迎えた。通常は放課後すぐの開催だが今回は委員長・○○の要請で完全下校を19時まで遅らせて17時半からの1時間で開催となった。
会場となった中庭にはステージが設営され、通例では桜のアーチが架けられる。しかし○○の権限で今回はスクリーンが設置された。そして普段は単色のものを使っていたサーチライトも複数色出せるものを設置した。
本当はスモークやレーザーなども使いたかったそうだが予算オーバーで断念、あまりにもいろいろ要求するのでピンキーどころか校長から「もう勘弁してくれ」と言われたらしい。尤も、○○自身は『好きにやっていいって言ったのはあなた方でしょうよ…』と不満そうだったが。
昼休み、実行委員のメンバーたちがライブ会場を一足早く見学した。
『うわぁー!!』
田村「すごー!!」
谷口「ひろーい!!」
森田「それにしてもよくここまで用意できたね。」
○○『まあ…あっちこっち駆けずり回った甲斐はあった、って思ってるね。本当はもっといろいろ用意したかったけど校長に勘弁してくれって言われた。』
松田「いくらかけるつもりだったの……??」
○○『オレが納得いくまで。』
『……(校長先生、止めて正解です。)』
理子「でもこんなすごいステージでライブできるなんて夢みたいですね!」
小池「せやな…なんならまだ夢見てる気分かも。」
放課後、最終リハーサルのために多目的室に集まったメンバーたち。
石森「緊張してきた…」
的野「私も…」
村井「もうすぐ始まる…」
向井「始まったら終わる…」
『どうしよーーーーーーーっ!!!!!!!』
○○『おいおい、落ち着けって。』
村井「先輩何とかしてください!!」
○○『何とかしろって言ってもな…』
向井「このままだと緊張でどうかしちゃいそうです!」
○○『まあ無理もないか、あの松田ですら靴を左右逆に履くぐらいに緊張してるから。』
村井「そうなんですか!?」
○○『ちょっと松田呼んでみよっか。松田集合!!』
松田「はい!!」
松田がこちらに駆け寄ってくる。
松田「はい!松田です!!」
○○『ここまで来るときなんか歩きづらくなかった?』
松田「言われてみれば確かに。」
○○『そりゃ左右逆に靴履いてるからね。』
松田「またまたそんな~…ほんとだ!」
○○『見ての通り、松田ですらこうなるぐらいに緊張してるんだ。2人が緊張するなんて当たり前のこと。』
村井「そう考えたら…」
向井「ちょっと楽になってきました。」
○○『だろ?だったらこの緊張感を楽しまなきゃ。』
『はい!』
○○『よし、松田。』
松田「はい!」
○○『悪いがオレたちの用件は以上だ。』
松田「えーっ!!」
一方その頃。会場には多くの観衆が詰めかけていた。場内には○○選曲のダンスミュージックが流れている。『無音はどうなんだ?』と思った彼がレコード店を駆け回った成果が遺憾なく発揮されていた。
そして、ライブ開始数分前、場内が暗転する。
「Mighty Wings」のメロディーに乗せて『Blossom Sensation』のキャッチコピーとともにメンバーを紹介するVTRがスクリーンに映し出された。
メンバーたちがステージに姿を見せると、客席から自然と歓声が上がる。今回のライブにはサクコーの生徒の他に一般客も入っていた。
森田「本日は第xx回満開ライブ『Blossom Sensation』にお越しいただき、誠にありがとうございます!」
藤吉「シンボルの桜は残念ながら満開とはいきませんでしたが…」
『www』
田村「私たちは普通の生徒ではありますが、この日のために一生懸命練習してきました。」
山﨑「みんな、盛り上がる準備はできてるかー!!」
山﨑の煽りに観衆も応える。
谷口「1年生の皆さんは、入学したばかりでまだまだ不安なことも多いと思います。」
山下「新しい環境に合わせられなくて戸惑うこともあるだろうけど、大丈夫…私も同じだから。」
山下の言葉に聴き入るように、観衆が静まっていく。
山下「一緒に満開に咲きましょう。」
その言葉を合図に、静寂を破るようにイントロが流れる。○○が神保町のレコード店で店主に勧められた曲だ。彼の脳裏にこれまでの日々が去来する。曲が終わった途端、拍手喝さいが沸き起こる。
山下「ありがとうございました!!」
○○『(山下、お前最高だよ)』
すると。
守屋「え、桜?」
小島「どこから?」
谷口「きれい…」
桜が咲いたわけではないが、ステージ上には満開の笑顔が咲いていた。終演後。
「いつかまたここで」が流れる中、観客が会場を後にしていく。
○○『……』
松田「何してんの?」
○○『実行委員長として感慨に浸ってた。』
山﨑「何それw」
○○『みんなオレの予想以上のモノ出して来て、ステージ横でびっくりしながら見てた。』
田村「そうだったんや。」
森田「でも感慨もそうだけど、満足感がやばい!」
大園「確かに。」
ピン「おーい、お疲れさん!」
○○『お疲れ様です。あと、花吹雪ありがとうございました。』
実は先ほどの花吹雪、数日前に○○が偶然倉庫で発見したものをピンキーに頼んで上から降らせてもらったのだ。
ピン「オレまで使ってくるとは思わなかったけどな。」
○○『それはいいじゃないですか。でも助かりました。』
武元「あの演出良かったよ、グッときちゃったもん。」
増本「私も、ちょっと泣きそうでした。」
○○『それはないな。w』
幸阪「ないね。」
増本「ウソじゃないですよ!」
的野「でも、あんなふうに盛り上げてくれるなんてさすがプロデューサーですね!」
○○『かっこよくまとめようとしたから桜吹雪って合うのかと思ってたけど意外と合ってたね。』
大園「でも、これで全部終わっちゃったね。」
大園の言葉に一気に消沈するメンバーたち。
村井「最後…」
○○『まあ、そういうことだよね。』
理子「相良先輩は平気なんですか?これで終わりなんですよ??」
○○『寂しくないって言えばウソになるかもね。』
小田倉「思い返せば充実してたなぁ…」
向井「うん、めっちゃ楽しかった。」
松田「これで私たちの青春も終わっちゃうのかな…」
井上「また元通りの生活に戻るの?」
○○『実は…そうならない方法が1つだけある。』
光莉「あるの?」
○○『みんな知りたい?』
大沼「知りたいに決まってるじゃん!」
中嶋「教えてください!!」
○○『そ・れ・は…』
全員が○○を見つめる。
○○『詳しくはピンキーから説明があるから明日の放課後、多目的室に来るように!!』
彼の発言に一斉にずっこけるメンバーたち。
田村「もったいぶってそういう感じなん!?」
森田「でも明日の放課後分かるってことだよね?」
○○『そういうこと。』
松田「これは行かなきゃだね。」
山﨑「それはさておき、ライブ成功の記念写真撮らない?」
藤吉「そうだね。」
山﨑「○○真ん中ね!」
○○『なんで。』
山﨑「委員長だしプロデューサーだから!」
○○『…わかったよ!』
ステージ上に集まり、3列に並んだ。
ピン「撮るぞー。笑えよー?」
”カシャ”
こうして、201X年度満開ライブは大成功のうちに幕を下ろしたのであった。
To be continued…
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