(24)【動くだけ】人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。-失踪編-
■この物語は筆者の実体験をもとに執筆しています。
・正直、極限まで恥をさらしてます。
・僕が生きてきた記録(ノンフィクション)です。
・ほぼ毎日更新を目指しています。
【動くだけ】
朝4時。
目が覚めた。
___何も感じない。
昨日のことは覚えている。
全部、覚えている。
でも___
何も思わない。
【悔しさも】
【悲しさも】
【怒りも】
何もない。
ただ、起きた。
体を起こす。
顔を洗う。
いつもと同じ動作。
頭は動いていないのに
体だけが動く。
【無心】
これが一番近い。
コーヒーメーカーに水を入れる。
コーヒーをセットして
スイッチを押す。
コーヒーの香り___
___何も感じない。
出来上がったコーヒーを注ぐ。
立ち上る湯気。
近くなった香り
何も思わない。
カップを持つ。
一口、飲む。
___苦い。
その感覚だけは
はっきりと分かった。
それだけだった。
「さぁ、働くでぇ〜。」
松下さんの声。
いつもと同じ時間。
いつもと同じ声。
「。。。はい。」
自分の声が
少し遅れて出た。
準備をする。
服を着る。
靴を履く。
何も考えない。
考えたくないのか
考えられないのか ___。
もう分からない。
外に出る。
朝の空気。
冷たい。
ただ。。。それだけ。
C班、ドライバー
今日から3人か___。
僕と松下さんと吉田。
現場に向かう。
オンボロの
ボロボロの車の中。
会話はあったはずだ___
朝礼が始まる。
体操をする。
職長が何か言ってる___。
聞こえてるのに聞こえない。
理解出来ないのか?
違う。
話が脳に伝わらないんだ___。
「今日から水撒きやな。」
松下さんが肩を叩きながら
話しかけてきた。
水撒きってなんだろ?
言われたことをやればいいか___。
この時は、わからなかった。
___でも、
自分には合っていたのかもしれない。
ヘルメットと安全帯___。
何も考えないでも、
身体が覚えてる
現場の流れ。
現場開始までの待機時間に
缶コーヒーを飲む。
何も感じない。
目を閉じる。。。
その瞬間___。
ほんの一瞬だけ
頭に浮かんだ。
昨日の光景。
消えていく金。
空っぽになった財布。
___だが。
すぐに消えた。
何も残らない。
何も感じない。
空っぽだ。
完全に。
周りの声さえ聞こえない___。
___いや。
違う。
目を開ける。

置いてある缶コーヒー
数個の缶コーヒー。
それを見た時___
ほんの少しだけ
何かが身体の中で動いた気がした。
でも、それが何かは
分からなかった。
分からないまま
現場へ向かう
何も考えないまま___。
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「人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。」
【第一章・失踪編】
→目次から読む
→第1話から読む
【第二章・新聞配達編】
→目次から読む
→第1話から読む
