[42]【もう一度吉田に電話】人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。-新聞配達編-
◾️この物語は筆者の実体験をもとに執筆しています。
僕が生きてきた記録です。
午前一時。
コーヒーをいれる。
コーヒーメーカーで落としたコーヒーを、
お気に入りのカップで飲む。
吉田を人夫出しから救えないだろうか。
昨日からずっと、そのことを考えていた。
外田新聞店で雇ってもらえれば一番いい。
配達は自転車でもできる。
折込の手伝いもある。
慣れてくれば集金もできるかもしれない。
でも、僕が勝手に考えても仕方がない。
吉田本人が、
今の生活から抜け出したいと思っているのか。
まずは、それを聞かなければならなかった。
僕は携帯電話に手を伸ばした。
吉田の携帯。
もう許してもらえてるのに、まだドキドキする。
「もしもし。どうしたん?」
僕は余計なことを言わず、
そのまま聞いた。
「吉田、お前さ。人夫出し辞めたいと思ってる?」
電話の向こうで、
吉田は少し黙ってから答えた。
「そら辞めたいよ。」
いつもの軽い調子ではなかった。
「普通に働いて、普通に暮らしたいわ。」
その言葉を聞いて、
僕の中で迷いが消えた。
「じゃあ、鹿島に来るか?」
吉田は驚いたようだった。
外田新聞店で雇ってもらえるかは、
まだ分からない。
社長にも相談していない。
それでも、とりあえず鹿島に呼ぼうと思った。
外田新聞店がダメでも、
探せば何か仕事はあるだろう。
見つかるまでの間なら、
僕の給料でなんとかなる。
贅沢はできない。
部屋も狭い。
でも、二人が飯を食って、
雨風をしのぐくらいはできる。
僕は外田新聞店に来て、
ようやく普通の生活を取り戻し始めていた。
だから今度は、
吉田をこちら側に引っ張りたかった。
あの場所に置いたままには、
したくなかった。
吉田。
君には感謝しかない。
■「夕日」創作大賞2026応募作品。

■はじめての方へ
・僕のメチャクチャな人生の紹介です。

■ここまで読んでいただき、
ありがとうございます。
もし何か1つでも残ったら、
【スキ】で教えてください。
【フォロー】していただけると、
続きを書くエネルギーになります。
■以下連載(ノンフィクション)
・僕のメチャクチャな人生の恥を晒して書いています。
「人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。」
【第一章・失踪編】


【第ニ章・新聞配達編】


