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ダンジョン第63階層【実録】『大魔女の冷酷な命令と徹夜の魔導設計書!10%削減を跳ね返すアナログの逆襲』

前回の物語はこちら👇️👇️👇️

01:アビス・ウィッチ・リポート〈深淵の魔女への報告〉



俺は青木工業という巨大な術式の受諾官(取引先)で突きつけられた。


10%の奉納金の削減(単価引き下げ)と断絶の境界線(納期)の死守。


無慈悲な条件に打ちのめされる田中工業のギルドマスター(社長)にねぎらいの言葉を掛けた。


「大丈夫です」

「3日で必ず完璧な解決策を作ってきます」


そう背水の陣で約束をする。


重い足取りのまま。

急ぎ魔導指導学校(資格学校)の東都校へと戻ったのである。

息つく暇もない。

俺は冷徹なる大魔女の絶対領域へ向かう。

現状の報告を行うことにした。

突然の状況の変化。

それも極めて理不尽な巨大ギルドからの要求。


大魔女は一体どのように受け止めるだろうか。


久しぶりに極度の緊張で胃を痛くしながら、俺は大魔女の前に立つ。


極度の緊張から、俺は「体臭を気にして時折ワキのニオイを嗅ぐ仕草」という痛々しいルーティンに走った。


自らの古の魔導師の残り香(加齢臭)を深く吸い込み、あまりの強烈さに白目を剥いて床に崩れ落ちピクピクと痙攣する。


『おい、おっさん』

『報告の前に自らの悪臭で自爆して、執務の間を毒の沼地に変えてる ワン!』



自滅的……………………………!!



俺は痛みを堪える。


一つ目の物理刃(自分軸)を心の中で詠唱した!


「発動せよ……!」


 アビス・ウィッチ・リポート〈深淵の魔女への報告〉 ッ!!


「今、お時間よろしいでしょうか」

「境界外の魔導委託(在宅)システムについて、待ったが入りました」



02:コールド・ブラッド・コマンド〈冷血なる絶対命令〉



大魔女はカチャカチャと魔導鍵盤(キーボード)を叩き続けている。

魔導板(パソコン)の画面から一切視線を外さずさない。



感情の読めない冷ややかな声で答えた。


「何? 私は忙しいの」

「要件を手短に言ってちょうだい」


俺は額から噴き出す魔力(脂汗)を流しながら、早口で報告を始める。



「乗り越えなければならない理の歪(課題)が2つあります」


「1つ目は魔法情報の流出(情報漏洩)に対する対策の提示」

「2つ目は断絶の境界線(納期)の維持と10%の奉納金の削減(単価引き下げ)の受け入れです」


一息つき、さらに続ける。


「ただし、条件を満たせば、仕事量については確実に増やすことが可能だと先方の領域の統治官(部長)からお話をいただきました」


大魔女はようやくタイピングの手を止める。

冷酷な目で俺を見た。



「状況はわかったわ」

「で……どうするの?」


「現状は、自信を持って魔導設計書(提案書)を出せる状況には至っていません」

「ですが、3日後にギルドマスター(社長)へ解決策を提案することになっています」

「分かったわ」

「私は結果さえ良ければ、それでいいの」

「何とかしなさい」

「これはお願いじゃないの。命令よ!!」


大魔女は無慈悲に業務を再開した。



相変わらずの冷徹な対応に俺のMPは激しく削られていた。

教室に戻った俺は椅子に深く腰掛け、頭を抱えた。



魔法情報の流出(情報漏洩)については、異門の傭兵徴用契約(業務委託契約)を結ぶ際に信徒(卒業生)から生還の誓約(同意書)を取ることが必要だろう。


だが、信徒(卒業生)たちが魔導錬成(作業)を行う環境は個々で異なる。

これをどう担保するのか。


ここで解説する ワン!!

通常、当時(2000年頃)の環境では、これほど高いレベルのセキュリティは求められなかった ワン。

紙切れ一枚の盟約書(契約書)にサインする程度だった ワン。


想定を遥かに超える難題に、俺は考えがまとまらずにいた。

ここでプレッシャーから、俺は「無駄に大げさなオーバーリアクション」という痛々しいルーティンに走った。

「ひらめいた!」と両手を大空に掲げた瞬間。



背後のロッカーに肘を強打し「骨がァ!」と叫びながら床を転げ回る。


戦慄的……………………………!!


激痛に悶えながら、俺は二つ目の物理刃(自分軸)を心の中で詠唱した!


「いでよ……! 」


コールド・ブラッド・コマンド〈冷血なる絶対命令〉 ッ!!



03:アナログ・ソリッド・ディフェンス〈物理的鉄壁防御〉



一人で悩んでいても、埒(らち)が明かない。


ここは直接、このプロジェクトの実働を担う連帯の小隊である魔導女師(女性講師)の平野と山口に相談することにした。

二人を講師控え室に集まってもらった。


俺は真剣な顔を見ながら現状の絶望的な状況を包み隠さず報告した。



「二人とも」

「この絶体絶命の現状を乗り切るために、あなたたちの力がどうしても必要です」

「術式の受諾官(取引先)から厳しい条件が求められている」

「実質的に3日で魔導錬成(作業)を終えることは可能でしょうか」


突然の深刻な相談。

二人の表情には明らかな戸惑いと不安が浮かんでいた。



しかし、長年この厳しい環境で生き抜いてきた彼女たちは、ただのモブ魔導師ではなかった。

一つだけ頼もしい約束をしてくれたのである。


平野が静かに覚悟を持って口火を切る。



「私たちは、構造の刻印(製図)のスピードには絶対の自信があります」

「初めのうちは慣れる時間が必要かもしれません」

「そこは多少無理してでもやります」

「だから……多分」

「大丈夫だと思います」


その力強い言葉を頂くだけで、どれほど心強かったことか。

彼女たちの覚悟を絶対に無駄にするわけにはいかない。

俺は頭をフル回転させる。


ここで一旦。


段階を明確に区切って戦術を組み立てることにした。


まずは、青木工業の絶対的な信頼を勝ち取るための第一段階だ。


田中産業とのやり取りは、お二人に完全に限定する。



そして、魔法情報の流出(情報漏洩)を防ぐため、作業場所をこの鍵付きの講師控え室に限定する。

持ち出し可能な端末は使用しない。

据置型の魔導板(パソコン)で行う。

さらに盗難防止用の太いワイヤーで魔導板(パソコン)を机に固定する。


先方が求める アナログ・ソリッド・ディフェンス〈物理的鉄壁防御〉 レベルを担保する。


徹底的……………………………!!


俺は三つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!


「発動せよ……! 」


アナログ・ソリッド・ディフェンス〈物理的鉄壁防御〉 ッ!!



04:ドーン・オブ・サバイバル・プラン〈夜明けの生還設計〉



第一段階で実績を作る。

先方の信頼を得た後。

第二段階として信徒(卒業生)たちの環境調査を行う。


自宅に据置型の魔導板(パソコン)があること。



ワイヤーが設置できる個人の専用個室を持っていること。

傭兵(人材)に限定する。

異門の傭兵徴用契約(業務委託契約)を結ぶ。

しかし、一番重要なのは10%の奉納金の削減(単価引き下げ)という過酷な条件をいつか跳ね返す。

そのために圧倒的な生産性の向上が不可欠だ。

断絶の境界線(納期)については、当面は魔導女師(女性講師)たちが行うことで、間に合うようにギリギリの工程設計をするしかない。

その後、無駄を減らし納期の短縮を図るのだ。

絶対絶命の危機的状況の中。


俺たちは生き残るためのギリギリの選択を迫られていた。


ギルドマスター(社長)は、理不尽な事態に判断すらままならない精神状態を迎えているに違いない。


だからこそ、俺が完璧な道筋を示す。

絶対に乗り越えさせなければならない。


午前0時過ぎ。

静まり返った魔導指導学校(資格学校)の片隅。


俺は現状でできるすべての泥臭い解決策を、一つの魔導設計書(企画書)に情報巻物錬成(パワポ作成)していく。



冷え切った空間。

魔導板(パソコン)の青白い光だけが俺の疲労困憊した顔を不気味に照らし出している。

静寂の中。

魔導鍵盤(キーボード)を叩き続ける乾いた音だけが、命を削るカウントダウンのように響き渡っていた。

膨大な情報の巻物(資料)をまとめ上げているうちに、窓の外がうっすらと白み始め、俺は気づけば朝を迎えていた。


静寂的……………………………!!


疲労でぼやける視界の中。


俺は四つ目の物理刃(自分軸)を心の中で高らかに詠唱した!


「いでよ……! 」


ドーン・オブ・サバイバル・プラン〈夜明けの生還設計〉 ッ!!


徹夜で仕上げたこの泥臭く緻密な内容が、術式の受諾官(取引先)である伊藤統括導師(部長)の心を射止め、絶望的な現状を打ち砕くことができるだろうか。


絶体絶命の窮地から仲間たちの覚悟と泥臭い ドーン・オブ・サバイバル・プラン〈夜明けの生還設計〉 で組み上げた一筋の希望の光。


果たして。


この血と汗の結晶である魔導設計書は、巨大ギルドの扉を開ける鍵となるのか。


タイムリミットはもう目の前に迫っている。


名もなきモブの反撃の狼煙が、今上がろうとしていた。


いざ、次なる階層へ。



【次回予告:ダンジョン第64階層】


徹夜で組み上げた起死回生の魔導設計書!

ついに青木工業の伊藤統括導師(部長)へプレゼンする運命の日がやってきた!

しかし、巨大ギルドの分厚い壁はそう簡単には崩れない!

厳しい追及と予期せぬ質問の連続に、ギルドマスターは言葉を失い、おじさんのMPも底を尽きかける!

「本当に情報漏洩は防げるのか?」という鋭い刃が喉元に突きつけられる中、おじさんが放った最後のアナログ戦術とは!?

タイムリミット寸前の攻防戦!果たして契約を勝ち取ることはできるのか!?

一瞬の油断も許されない、次なる死闘が今、幕を開ける!

次階層を見逃すな!

最後までお付き合いありがとうございます。

一気にこれまでの概要を知りたい方はこちら👇️👇️


【迷宮の深淵へようこそ】


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覚悟がある奴だけ、次のページをめくれ。

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