ダンジョン第62階層【実録】『10%の奉納削減と絶対納期!巨大ギルドが突きつける絶望の条件』!
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01:アブソリュート・ディファレンス〈絶対的な規模の格差〉
ついに、境界外の魔導委託(在宅)システムについて、関係者の同意がまとまった。
俺とギルドマスター(社長)は、準備のために術式の受諾官(納入先)である青木工業の伊藤統括導師(部長)のもとへ説明に向かった。
術式の受諾官(納入先)について魔王ツンが説明する ワン。

青木工業は、名もなきモブ(一般社員)が500人規模、宝物庫(売上)金貨300億枚の中堅ギルドだ ワン。
名もなきモブ(一般社員)がたった5人しかいない零細の田中工業にとって、ギルド(会社)の命運を握る最大の術式の受諾官(取引先)だ ワン。
そびえ立つ巨大な城(オフィスビル)のゲート・オブ・ディスペア(受付)へ向かう道中。
俺はギルドマスター(社長)に最終確認をする。
「伊藤統括導師(部長)に確認することは二つです」
「一つ目は、純度(品質)は維持したまま、魔導指導学校(資格学校)の優秀な信徒(卒業生)を充てた境界外の魔導委託(在宅)へ切り替えたいこと」
「二つ目は、体制構築のため断絶の境界線(納期)を3日遅らせてほしいこと」
ギルドマスター(社長)は硬い表情で頷いた。
極度の緊張から、俺は「無い髪をかきあげる仕草」という悲しいルーティンに走った。

幻の前髪を豪快にかきあげようとして指が頭皮に突き刺さり、そのままズルッと滑って自らの眼球を強打。
「目が、目がァ!」と悶絶し床を転げ回る。

『おい、おっさん』
『敵の本陣で勝手に自爆して、受付を野戦病院に変えてる ワン!』
自虐的………………………!!
激痛を堪える。
俺は一つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!
「発動せよ……!」
アブソリュート・ディファレンス〈絶対的な規模の格差〉 ッ!!
02:ネゴシエーション・オブ・ザ・エッジ〈崖っぷちの交渉〉
受付を済ませ、重厚な扉の奥にある戦術評議室(会議室)へと通される。
しばらくすると、伊藤統括導師(部長)が忙しそうに険しい顔をして入ってきた。
彼から放たれる目に見えない不可視重力(プレッシャー)が、部屋の空気を重くしていく。
「今日はどうされたんですか、田中ギルドマスター(社長)」
「こちらは?」
伊藤統括導師(部長)の鋭い視線が俺に向けられる。

「こ、こちらは、魔導指導学校(資格学校)の魔導師(講師)である異次元おじさんです」
ギルドマスター(社長)は畏縮しながら俺を紹介した。
俺は深々と頭を下げ、魔法の符(名刺)を取り出した。

「私、異次元おじさんと申します」
「これから新たな術式の受諾官(取引先)になっていただく者です」
三人はそれぞれ、重苦しい空気の中で椅子に腰を下ろした。
「で、今日は一体どんな話ですか」
伊藤統括導師(部長)の言葉には明らかに苛立ちが混じっていた。
ギルドマスター(社長)は言葉を選びながら慎重に話し始める。
「供物の奉納(納品)の仕方についてご相談が……」
「実は最近、人手不足で従業員へかなり負担をかけている状況です」
「そこで、一部の供物の奉納(納品)を外部委託しようと考えております」
ギルドマスター(社長)は俺の方をちらりと見た。
「魔導指導学校(資格学校)の優秀な信徒(卒業生)を対象に、境界外の魔導委託(在宅)で魔導錬成(作業)を進め、最終的に我が社が供物の奉納(納品)するという形に変更したいのです」

伊藤統括導師(部長)は腕を組んだまま、黙って話を聞いていた。
まるで値踏みするかのように、俺たちを絶対零度の冷視線(アブソリュート・ゼロ・アイズ)で見つめている。
ここからは、俺が説明を引き取る。
「伊藤統括導師(部長)。私から二つお願いがあります」
「一つ目は、この境界外の魔導委託(在宅)化を認めていただきたいということ」
俺は真っ直ぐに伊藤統括導師(部長)の目を見つめた。
「二つ目は、その新しいシステム構築のために、3日ほど断絶の境界線(納期)を遅らせてほしいのです」
緊迫……………………………!
俺は二つ目の物理刃(自分軸)を心の中で高らかに詠唱した!
「いでよ……!」
ネゴシエーション・オブ・ザ・エッジ〈崖っぷちの交渉〉 ッ!!
伊藤統括導師(部長)は腕組みをしながら、さらに渋い顔つきになる。
応接室の温度が一気に下がった気がした。
03:カウンター・ブレイド・パージ〈逆襲の排除宣告〉
重苦しい沈黙の後、伊藤統括導師(部長)が冷たい声で口を開く。

「……それは、困ったな」
その言葉に、ギルドマスター(社長)の肩がビクッと跳ねる。
「今でも、依頼から供物の奉納(納品)まで1週間かかっている」
「それを10日となると、こちらも業務に多大な支障が出る」
伊藤統括導師(部長)は、冷酷な目でギルドマスター(社長)を見据えた。
「それであれば……他の術式の受諾官(取引先)に仕事を回すしかないな」
冷たい刃が喉元に突きつけられたような感覚。
長年の付き合いなど、巨大ギルドにとっては単なる過去の記録に過ぎないのだ。
「ちょうどいい機会だ」
「田中社長のところは、いつも断絶の境界線(納期)が遅れがちだったから再検討していたところなんだよ」
「他社から奉納金(取引金額)を10%下げた金額で取引させてほしいという提案もいただいている」

伊藤統括導師(部長)の口から放たれたのは、容赦のない理不尽な全員解雇(アブソリュート・パージ)に等しい死刑宣告だった。
「ちょっと待ってください! 伊藤統括導師(部長)!!」
ギルドマスター(社長)は顔面蒼白で、噴き出す魔力(脂汗)を流し慌てて弁解する。

最悪の展開だ。
このままでは、田中工業の宝物庫(売上)の柱が完全に消滅してしまう。
俺はすかさず身を乗り出して割って入る。

ここで押し切られれば、生還の地平(ゴール)は完全に崩壊する。
「伊藤統括導師(部長)!! 整理させてください」
絶望…………………………!!
俺は三つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!
「発動せよ……! 」
カウンター・ブレイド・パージ〈逆襲の排除宣告〉 ッ!!
「まず、境界外の魔導委託(在宅)で魔導錬成(作業)を進めることについては、問題ないでしょうか」
「そして、断絶の境界線(納期)が今までと同じであれば、取引の継続は可能でしょうか」
伊藤統括導師(部長)は、少しだけ考え込む素振りを見せた。

「……それでは、こうしましょう」
「境界外の魔導委託(在宅)でも構わない」
「けれども、魔法情報の流出(情報漏洩)について、どう対策するか考えてください」
「断絶の境界線(納期)は、今まで通りの日数で絶対に守ってほしい」
そして、彼は最後にとどめの一撃を放った。
「そして、奉納金(取引金額)は今までの10%引きでお願いしたい」
04:ラスト・リゾート・オファー〈背水の陣の最終提案〉
境界外の魔導委託(在宅)化は認められたものの、納期は据え置き、さらに金額10%カットという過酷な条件。
しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。
俺はパラドクス・デザイアー(背反の天秤)に揺れる心を抑え込み、必死に食い下がる。

「……もし仮に、今の厳しい条件をすべてクリアしたとして」
俺は伊藤統括導師(部長)の目を真っ直ぐに見据えた。
「これから安定した供物の奉納(納品)が続けられるようであれば、取引量は増やしていただくことは可能でしょうか」
伊藤統括導師(部長)は少し表情を緩め、頷いた。

「構わないよ」
「うちも術式の受諾官(取引先)を増やそうとしていた」
「純度(品質)と供物の奉納(納品)が守られるなら、今まで頼んでいた経緯もあるから取引量は増やしてもいい」
「しかしね」
伊藤統括導師(部長)の目が再び鋭く光る。
隙を見せれば一瞬で切り捨てるという商いの理(マーチャント・ロジック)が込められていた。
「外部に情報が絶対に漏れないという条件は、クリアできるかな?」
「……分かりました。1週間だけ、お時間をください」
決意…………………………!!
俺は四つ目の物理刃(自分軸)を心の中で高らかに詠唱した!
「いでよ……! 」
ラスト・リゾート・オファー〈背水の陣の最終提案〉 ッ!!
「伊藤統括導師(部長)が必ず満足いただける魔導設計書(提案書)をご提示します」
オロオロと頭を下げるギルドマスター(社長)の肩を貸しながら、俺たちは逃げるように青木工業を後にした。
事務所に戻り、ギルドマスター(社長)は応接室のソファに深く腰を下ろした。

「……こんなことなら、今まで通り私が無理をしてでも仕事を受けておけばよかった」
「新しいことをするなんて……やっぱりリスクでしかなかったんだ」
後悔を口にする彼に、俺は強く否定した。
「それは違います」
「これはいずれ必ず来る危機でした」
「社長の古いやり方は、新しいやり方を提供する企業へ乗り換える理由になる」
「変わらなきゃいけないタイミングだったんです」
俺はなだめつつも、内心では激しい焦燥感に駆られていた。
完璧な情報漏洩対策。
納期を死守しつつ、10%の金額カットを跳ね返す圧倒的な業務効率化。
長年の属人化から脱却しようとした矢先に突きつけられた、高すぎるハードル。
想定外の事態に、今後どう乗り切るべきか。
おじさんのMPは再び危険水域へと突入し、深い絶望の淵で一人静かに思い悩んでいた。
いざ、次なる階層へ。
【次回予告:ダンジョン第63階層】
10%の奉納カットと絶対納期!
巨大ギルドから突きつけられた無慈悲な条件!
しかし、真の地獄はここからだった!
「情報漏洩対策」という高すぎる壁の前に、おじさんたちの計画は完全に暗礁に乗り上げる!
手詰まりの状況下、ギルドマスターの顔からは完全に生気が失われていく!
タイムリミットはわずか1週間!
絶体絶命のピンチに、おじさんが絞り出した起死回生の秘策とは!?
魔境の洗礼を浴び、おじさんのMPはついに限界突破の危機に!
一瞬の油断も許されない、次なる死闘が今、幕を開ける!
次階層を見逃すな!
最後までお付き合いありがとうございます。
一気にこれまでの概要を知りたい方はこちら👇️👇️
【迷宮の深淵へようこそ】
この 「クソゲー(社会)」 から強制ログアウトさせられた、時給1,100円スタートの男の生存戦略。

覚悟がある奴だけ、次のページをめくれ。
まさにこのダンジョンへの現在の最下層までの探索が一気にしたい冒険者はこちら👇️👇️
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