ダンジョン第13階層【実録】『大魔女の絶対領域で20分間の公開処刑!異次元おじさんが放つ「涙の直訴」と大逆転の魔導設計書』
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01:アブソリュート・テリトリー〈絶対不可侵領域〉
タイムリミットが眼の前に迫っていた。
大魔女の都合もある。
急がなければ、俺の強制ログアウト(失業)は免れない。
俺は地下の修練場を飛び出した。
ワガママボディ(鈍重な肉体)を揺らして拠点の心臓部である執務の間へ駆け込んだ。
ドバンッ……!!
勢いよく境界門(ドア)を開けた。

静寂に包まれた執務の間に重低音が響き渡った。
「何事よ」
「静かにしてちょうだい」
大魔女が鼓膜をやぶくような、冷徹で鋭利な一撃が飛んでくる。
「も、申し訳ございません」
「失礼しますッ!」
俺は汚れきった吸着布(ハンカチ)で額から吹き出す豚汁のような脂汗を必死に拭く。
大魔女の周囲5mに展開されるアブソリュート・テリトリー〈絶対不可侵領域〉へ足を踏み入れた。
この空間を満たす凍りつくようなオーラ(威圧感)。
押しつぶされそうだ。
俺は嗚咽にも近い息苦しさの中。
やっとの思いで声を絞り出した。
「あ、あの……昨日」
「魔導設計書(提案書)が出来上がりました」
「説明の時間を5分だけください……!」
02:アブソリュート・ドミネーション〈絶対的支配の重圧〉
「あっち行ってちょうだい」
「こっちは今」
「遠隔詠唱(電話営業)で未覚醒の信徒(見込み客)に連絡してんだから!」
しまった……!
完全に『理』の合致点(タイミング)を読み違えた!
昨日。
「明日の夕方まで」
大魔女とに言われた。
「何時なら都合がいいか」
ステータス・アノマリー・スキャン〈魔法状態検知(空気読み)〉を完全に怠っていたのだ。
圧倒的、致命的ミス………………………!
その場で俺は、ただただ棒立ちになった。
アブソリュート・ドミネーション〈絶対的支配の重圧〉に触れ、寒さと絶望で全身の筋肉が石化の呪い(モチベーション喪失)にかかった。

一歩も動けない。
もうだめかもしれない。
そんな絶望に打ちひしがれていた。
その状態で20分ほど経っただろうか。
周りの巫女(事務員)たちは平然といつもの静けさの中。
魔導鍵盤(キーボード)を叩く。
俺だけが時間の止まった魔法陣の中に囚われているかのようだ。
顔面から流れる脂汗すら完全に凍りついた。
ただひたすらにMPが、削られていく残酷な公開処刑の時間。
そこに、呑気に饅頭を頬張りながら入ってきた人物がいた。
魔導指導団の団長だ。
団長は室内を見渡すなり、こう告げた。
「……この状況、どうしたの?」
巫女がそっと耳打ちする。
団長は大魔女の近くに寄っていった。
「梅木さ、そろそろ休憩でもしたら?」
「饅頭食べる?」
鬼の形相だった大魔女の顔が少し和らいだように見える。
巫女が気を利かせて大魔女のお気に入りの漆黒の覚醒水(コーヒー)を机の上に置く。
03:メンタル・コミットメント〈腹を括る覚悟〉
「で?」
「あんた、聞いてんの?」
「聞いてんのかって言っているのよ!!」
氷の銅像のようにカチコチになっていた。
俺はその怒声でようやく我に返った。
「あ、すいませんッ!」
大魔女は漆黒の覚醒水を一口すすり、一言放つ。
「……5分だけよ」
「は、はいッ!」
手元の情報の巻物(資料)を手渡そうとする。

激しい震えでうまく渡せない。
左手で震える右手を押さえながら、なんとか机に置いた。
乾ききった口の中の唾をごくりと飲み込む。
極度の緊張からすっかり染み付いた加齢臭。
脂汗のニオイを気にしていた。
俺は時折自分のワキに鼻を近づけてクンクンと嗅ぐ。

異次元おじさん特有のルーティンを挟む。
そして、呼吸を整えた。
「よし、匂わない」
俺のメンタル・コミットメント〈腹を括る覚悟〉を見せてやる……!
大きく深呼吸する。
息を吐き切る。
泥臭い物理刃〈自分軸〉を放った。
「結論から申し上げます」
「生還率20%上昇は可能です」
「いや、絶対にできます」
大魔女は情報の巻物をペラペラとめくりながら冷たく言い放つ。
「根拠は何なのよ」
「信徒〈生徒〉たちに生気がないからです」
「彼らはすでにサイレント・ゴーレムズ〈生気を失った信徒〉と化しています」
大魔女がこいつ何言ってるのという顔で睨みつける。
怯まずに続けた。
「本人が凱旋門(ゴール)を分かっていない。」
「未来が想像できていない。」
「希望を持っていないんです。」
「北極星〈譲れない価値観〉を失った者は迷走しかしない。」
異次元おじさんは語りかける。
そして、柔らかにゆっくりと告げた。
「なぜかおわかりですか?」
「前回までの突破攻略策(試験対策)で最後まで続けた数はたった57%なんです。」
「悪魔的錬金術〈搾取のビジネスモデル〉の中で絶望する」
「燃え尽きちゃってるんです!」
再び、辺りは一層凍りついてた…………。
04:アルティメット・サクリファイス・オファー〈背水の陣の直訴〉
俺は涙声を抑える。
さらに一歩踏み込んだ。

「魔導女師(女性講師)たちも、かつては同じ信徒だったはずなのに……」
「いつの間にか忘れてしまっている!」
「誰が信徒たちに寄り添っていく」
「親身になっていく」
「凱旋門まで連れて行くんですか!?」
「信徒別の術式適合率(理解度)の正確な集積録(記録)すらないんですよ!」
静まり返った執務の間。
俺の荒い息遣いが響き渡る。
「私には秘策があります」
「それは………………………………」
全MPを振り絞る。
禁断のアナログ魔法を大声で口にした。
アルティメット・サクリファイス・オファー〈背水の陣の直訴〉ッ!
「授戒の一対一の秘儀〈対策授業中における個別相談〉を実施します!!」
ざわっ…………………………!
その場にいた全員が首をかしげた。
時間のない授戒の一対一の秘儀。
超高位魔法(効率化)を重んじるギルド(組織)では極限の魔力の空転(非効率)だからだ。
「もちろん、突破攻略策の傾向と出る順での攻略(対策)は並行してやります」
「叡智の審判(試験)の理の急所(ポイント)も押さえていますッ!」
大魔女は腑に落ちない様子。
こちらを見つめている。
そこでまたしても、団長が割って入った。
「いいんじゃない?」
「梅木さ」
「仮に異次元おじさんがダメだったら、今回誰にする?」
まさに悪魔的丸投げ体質〈責任回避の組織文化〉の究極形ッ……!
大魔女は少し考え……………。
沈黙の後。
重い口を開いた。
「……仮よ。あくまで仮」
「ダメそうな素振りが少しでも見えたら、即刻なしだから」
一瞬、何が起こっているか理解できなかった。
立ち尽くしていた。
「臭いのよ」
「仕事するからとっとと行って」
団長が優しく俺の肩をポンッと軽く叩いた。
「よかったね」
「異次元おじさん」
05:ソウル・エグゾースト〈摩擦と疲弊〉
我に返った俺。
そのまま放心状態で執務の間を後にした。
フラフラと地下修練場へ戻る。
片隅のパイプ椅子にドスンと腰を下ろす。
大魔女の圧倒的なオーラに耐えた。
自分の物理刃を放ちきった代償。
激しいソウル・エグゾースト〈摩擦と疲弊〉が全身を襲う。
強烈なステータス異常(ダメージ)となって俺の体を縛り付けていた。
俺は遠くを見つめている。
張り詰めていた糸が切れたように、自然とボロボロ涙が溢れ出した。
「ああぁぁ……怖かったぁ……」
「本当に、死ぬほど怖かったぁ……!!」
異次元おじさんが、まるで子供のように泣きじゃくっていた。

『おいおい!』
『そこは普通「やったー!」とか「勝った ワン!」じゃねーのかよ!』
『第一声がそれかよ!』
『ダサすぎる ワン!』
脳内で魔犬ツンが愛あるツッコミを入れる。
中おじさんの情けない鳴き声。
微かに薄暗い廊下まで虚しく響き渡っていたのだった。
【次回予告:ダンジョン第14階層】
命がけの洗礼儀式(プレゼン)を突破した異次元おじさん!
だが本当の地獄はここからだった!
前代未聞の「授業中の個別相談」という極限の物理の刃の策(アナログプラン)に魔導女師たちは唖然!
次々と襲い掛かる絶望。
時間を削られる魔導女師たちの猛烈な反発!
異次元おじさんに襲い掛かる新たな問題とは!
「おっさん、自分で自分の首を絞めてる ワン!」
四面楚歌のアウェー環境。
ついにHPもMPも限界突破!?
波乱の幕開け、絶対に見逃すな!
最後までお付き合いありがとうございます。
【迷宮の深淵へようこそ】
この「クソゲー(社会)」から強制ログアウトさせられた、銅貨110枚(時給1,100円)スタートの男の生存戦略。

覚悟がある奴だけ、次のページをめくれ。
後述手記
最近、ちょっと物語の異世界語の習得が追いついてない。
異世界マスター辞書なるものと作っています。
どこまで言葉を入れるかに苦心してますね。
入れすぎるともはや何の話やらさっぱり分からないくなりますもんね。
もし、これぐらいならちょうどいいみたいな割合とかあれば、コメントにこっそり教えてください。
ブレイクタイムの階層でマスター辞書の中身すこしお見せもしようかなと。
まさにこのダンジョンへの現在の最下層までの探索が一気にしたい冒険者はこちら👇️👇️
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