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「日本は(世界的な)国家債務危機のドミノが始まる国になるだろう」

※日本はもはや、債券市場を脅かすことなく通貨を防衛することも、通貨を弱体化させることなく債券市場を支援することも、新たな債務を発行することなくエネルギー補助金を出すことも、既に逼迫している国民にさらなる負担をかけることなく増税することもできない状況にある。

(Japan Is the First Domino in the Sovereign Debt Crisis)

投稿日:2026年7月27日 マーチンアームストロング
 
https://www.armstrongeconomics.com/international-news/japan/japan-is-the-first-domino-in-the-sovereign-debt-crisis/
 
※関連:「改訂版03「日本に迫る国家債務不履行のリスク」
https://note.com/deep_snipe320/n/nf15cb5b29271?magazine_key=me73ef9c8bdac
 
1)マーチン・アームストロング(Martin Armstrong)氏の紹介(米国在住)
1,伝説のヘッジファンドマネージャー
2,アームストロング経済学の創設者
3,1997年頃、パリで開催されたBIS(国際決済銀行)の会議で、各国中央銀行総裁を対象に基調講演を行う。
4,英国首相であったマーガレット・サッチャーのアドバイザーを務める。また、友人でもあった。
5, EU創設時にアドバイザーを務める。
6,2025年10月にトランプ政権から、ウラジーミル・プーチン大統領とロシアが検討するに値する和平計画を立案するよう要請を受けた。そこでアームストロング氏は、「第三次世界大戦を防ぐための和平提案」と題する、200ページ近くの計画を立案した。
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7,2025年11月にアームストロング氏が米国のフロリダ開催したWEC(世界経済会議:毎年世界各地で開催)には、世界40か国以上から対面で1000人以上、そして数十万人のライブ配信者が参加した。クラウスシュワブ氏の世界経済フォーラムとは対極の世界の構築を目指している。
8,経営するPrinceton Economicsは、世界最大のアドバイザー企業である。各国政府、中央銀行、大企業、機関及び個人投資家な どに、各種の分析やアドバイスを提供している。
 ソクラテスはマーチン・アームストロング氏がトレードそして投資ツールとして開発し、ライフワークとして改良を続けているこの会社の量子AIコンピューターである。40年を超える運用実績があり、予測の確かさがすでに実証されている。
 またソクラテスは、マーケットのみならず戦争や国家の興亡さえも予測できる他に類例を見ない画期的なものである。
9,ソクラテス(Socrates)は、個人投資家・トレーダーや一般の方も、USD15/月から利用できる。
Global Financial Market Research Platform | Socrates
 
愛を広げよう

2)翻訳
 政府の暫定データによると、日本は2026年上半期に1兆100億円(62億ドル)の貿易赤字を記録した。これは日本が明日崩壊することを意味するものではないが、金利上昇、通貨安、輸入インフレに耐えられなくなった債務構造の基盤に、また一つ亀裂が生じたことを意味する。
 今年上半期の日本の輸出額は13.7%増加し、60兆6600億円に達した。輸入額は10.7%増加し、約61兆9000億円となった。円安が進み、日本製品が海外で非常に強い競争力を持つはずであるにもかかわらず、日本は依然として輸出よりも輸入の方が多かった。
 6月の統計によると、輸出は前年同月比19.3%増となり、10ヶ月連続の増加を記録した。一方、輸入は25.4%増と過去最高の11兆3000億円に達した。その結果、日本の6月の貿易赤字は4069億円となり、エコノミストが予想していた1200億円の赤字の3倍以上となった。2025年6月には1220億円の黒字を記録していた。
 日本は輸入エネルギーに大きく依存している。イランとの紛争やホルムズ海峡周辺の混乱により原油価格が高騰し、日本はより遠方の供給源に頼らざるを得なくなっている。6月の日本の原油輸入量は実際には13.7%減少したが、輸入額は59.3%増加した。つまり、日本は原油の購入量は減ったものの、支払った金額は大幅に増加したことになる。
 これは、通貨安と外部からのエネルギーショックが重なった結果である。円は対ドルで163円を超えるところまで価値が下落し、1986年以来の最安値を記録した。1年前は140円前後だった。原油、天然ガス、輸入食品、外国製工業部品など、あらゆるものが円建てで価格設定されると割高になる。

 日本は、金利が人為的にゼロ近辺に抑えられていたにもかかわらず、先進国の中で最大の国債残高を抱え込んだ。政府債務は、ほぼすべての主要な国際的な推計でGDPの200%を超えいる。更により広範な指標では230%以上となっている。政治家たちは、債務の大部分は日本の機関が保有しており、民間市場で売れ残ったものは日本銀行がいつでも買い取ることができるため、債務は問題にならないと自らを納得させていた。
 日本銀行は2026年3月時点で約485兆4000億円相当の日本国債を保有しており、これは政府の計算によると発行済国債総数の47.9%に相当する。これは自由市場ではない。政府が通常の金利でこれほど巨額の債務を賄うことができなかったため、中央銀行が市場の役割を担うようになったのだ。この仕組みはインフレが抑制され、円が国民の信頼を維持している間だけは機能した。しかし、現在、その両方の条件が崩れつつある。
 日本銀行は6月に政策金利を1%に引き上げ、31年ぶりの高水準とした。通常であれば、利上げは通貨を支え、インフレを抑制するのに役立つ。しかし、日本は通常の状況下にはない。利上げのたびに、ゼロ金利政策下で積み上がった債務の借り換えコストが徐々に上昇するのである。

※解説:債務の借り換えコストが徐々に上昇
 日本は長年、超低金利(ゼロ金利・マイナス金利)で国債を発行してきました。しかし、金利の上昇局面において、古い低金利の国債が償還を迎えると、現在の高い金利で新しい国債を発行し直す(債務の借り換え)必要があります。この過程で増加する国債の利払い費(コスト)の事を指します。
以上

 日本の2026年度予算は過去最高の122兆3000億円に達した。利払いと償還を含む債務返済支出は10.8%増加し、31兆3000億円となった。これは、一般政府支出(122兆3000億円)の4分の1以上が既に過去の借入金の返済に充てられていることを意味する。
財務省は、債務返済費用が2029年度までに40兆3000億円に達し、政府支出総額の約30%を占める可能性があると試算している。年間国債発行額は、2026年の水準から28%増加し、同時期には約38兆円になると予測されている。政府が追加債務を発行する主な理由は、既存債務の返済コストが上昇しているためである。
これが国家債務スパイラルです。利息の支払いと旧債券の償還のために、新たな債券を発行しなければなりません。金利が上昇すると、政府はさらに多くの借入を必要とします。借入が増加すると、投資家は財政リスクと為替リスクを補うために、より高い利回りを要求します。このプロセスは悪循環に陥ります。

 日本の10年国債利回りは7月22日時点で約2.74%に達し、1年前の水準を1%以上、上回った。日本はゼロ金利に近い水準を前提とした財政システムを構築してきた。2.74%という利回りは、かつての米国債利回りがはるかに高かったことを覚えているアメリカの投資家にとっては取るに足らないものに見えるかもしれないが、そのような比較は無意味である。危険性は、名目金利だけでなく、政府の税収基盤に対する債務規模の大きさに左右されるからである。
 日本銀行はジレンマに陥っている。円防衛のために積極的に利上げを行えば、政府の債務返済コストが増加し、銀行、保険会社、年金基金などの国債保有機関に損失を与えることになる。一方、利上げを低く抑えすぎれば、円からの資金流出が続き、円安が進み、輸入インフレが加速する。大規模な国債購入を再開すれば、債務が自然には賄えないことを裏付けることになり、円に対する信頼がさらに損なわれることになる。
 日本はすでに推定2150億ドルを為替市場への介入に費やしているが、円は依然として40年ぶりの安値にまで下落している。為替介入は構造的な財政不均衡を是正することはできない。政府は一時的に自国通貨を買い入れることはできるが、もはや意味をなさない政策を世界の資本に信じ込ませることはできないのである。

 日本はもはや、債券市場を脅かすことなく通貨を防衛することも、通貨を弱体化させることなく債券市場を支援することも、新たな債務を発行することなくエネルギー補助金を出すことも、既に逼迫している国民にさらなる負担をかけることなく増税することもできない状況にある。日本の高齢化は状況をさらに悪化させている。税基盤は縮小する一方で、年金、医療、社会保障の負担は増大している。2026年度予算における社会保障費は約39.1兆円に達した。国防、インフラ、教育、エネルギー補助金、あるいはその他の分野に資金を充てる前に、債務返済と社会保障費だけで政府支出の膨大な部分を食いつくす状況にある。
 62億ドルの貿易赤字は日本の経済規模全体に比べれば控えめな額であり、それ自体が国家債務不履行の兆候となるものではない。貿易報告書一つで日本が破産したと主張する者は誇張している。この報告書の重要な点は、経済メカニズムに余裕がなくなっていることを示している点にある。すなわち、戦争によってエネルギー価格が上昇し、円安によってその価格がさらに高騰し、輸入が輸出の伸びを上回り、インフレによって日本銀行は利上げを余儀なくされ、利上げによって世界最大の先進国債務負担を抱える日本の債務返済コストが増加する、というメカニズムである。
 日本は、他のどの主要経済国よりも近代的な金融実験を推し進めた点で、最初のドミノと言える。ゼロ金利やマイナス金利を常態化させ、中央銀行が国債市場を支配することを容認し、国内貯蓄が財政赤字を永久に賄えると想定したのだ。日本と同じ運命を回避できると信じて、後に欧米も同じ道をたどった。
 フィッチ(格付け会社)は現在、先進国政府の債務が2026年末までに過去最高の75兆8000億ドルに達し、世界のGDPの104%に相当すると予測している。そのうち、上位10位の先進国が69兆ドルを占めることになる。日本は最も極端な例かもしれないが、決して孤立したケースではない。
 日本の貿易赤字もまた、警告信号と言えるだろう。国家債務危機は、必ずしも財務省からの正式な発表から始まるわけではない。通貨安、介入の失敗、債券利回りの上昇、輸入インフレ、国内資本の滞留、そして利払い費に充てられる税収の割合の増加といった形で、危機は徐々に顕在化していくのである。
 日本は単に円安や一時的なエネルギー問題に直面しているだけではない。あらゆる利用可能な政策が、どこかで新たな危機を生み出すという瀬戸際に立たされているのだ。こうして信頼は崩壊し始め、いったん政府債務に対する信頼が失われると、中央銀行が単に通貨供給量を増やすだけでは、その信頼を回復することはできない。

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