防災こぼれ話┋中の人ノート:再会の夜、「現場で動く人」の本音
市役所での再会、その続き。
2年振りに再会した、なびとゆい。
あのあと、どうなったのか。
少しだけ、その先の話を。
※ゆいは、なびの同級生で、現場と行政の間に立つ実務者。
高卒で就職し、2年前に異動。つい最近、結市に戻ってきました。
“どうすれば現場で動くか”を考える視点を持つ存在です。
2人の再会の様子は、こちらの話をご覧ください↓
■ マガジン案内
この「防災こぼれ話」は、日々の気づきや現場でのやりとりをきっかけに、防災をやさしく、少しだけ深く考えていくシリーズです。
■ 本文
なび
「いや、ほんとに久しぶりやったな」
ゆい
「なびがそのまま市役所おるとは思わんかったわ」
なび
「そっちこそやろ。戻ってくるとか聞いとらんし」
ゆい
「まぁ、急やったしな」
(グラスを軽く合わせる)
なび
「で、今は何やっとるん?」
ゆい
「前と変わらんよ。
民間も行政も相手にするやつ」
なび
「一番しんどいやつやん」
ゆい
「まぁな。でも慣れた」
なび
「さっきの資料、あれ一瞬で分かるのすごいな」
ゆい
「いや、ああいうの結構あるで」
なび
「あるって?」
ゆい
「正しいこと書いてあるのに、現場で回らん資料」
なび
「……ああ、今日のやつやな」
ゆい
「作る側と使う側、ちょっとズレるんよな」
なび
「正しいこと伝えとるつもりやけどな」
ゆい
「うん。でも“正しい”と“動ける”は別やで」
なび
「それ、今日めっちゃ思ったわ」
ゆい
「現場ってな、余裕ないんよ。
だから“考えんでも動ける形”じゃないと回らん」
なび
「……なるほどな」
「理想は正しい。
でも、現場はそれだけでは動かない。」
なび
「でもさ、それ全部見て直しとったらキリないやろ」
ゆい
「まぁな。でも誰かやらな回らんし」
なび
「……抱えすぎとらん?」
ゆい
「……多少はな」
なび
「昔からやな、それ」
ゆい
「しゃーないやろ。頼られると断れんのよ」
なび
「それで自分の時間なくすやつな」
ゆい
「まぁな。でも、それで回るならええかなって」
なび
「それ、あかんやつやろ」
ゆい
「分かっとるよ」
(少し間が空く)
ゆい
「でもな」
ゆい
「正直、人に任せるより、自分でやった方が確実やと思ってまうんよ」
なび
「……」
なび
「なんかあったん?」
ゆい
「まぁ、ちょっとな」
(それ以上は言わない)
「信頼される人ほど、
自分一人で抱え込んでしまう。」
なび
「でも、戻ってきたんやろ?」
ゆい
「まぁな」
なび
「ほな、ちょっとずつでええやん」
ゆい
「……そうやな」
(グラスを持ち上げる)
なび
「無理すんなよ」
ゆい
「お前もな」
■ まとめ
現場で動く人ほど、
理想と現実の間で調整を続けています。
正しさを保ちながら、
“どうすれば回るか”を考える。
その積み重ねが、現場を支えています。
そしてもう一つ。
“頼ること”もまた、現場を回す力のひとつです。
■ あとがき
あなたは、「誰かに頼る」こと、できていますか?
一人で抱える方が早い。
そう思う場面は、きっと多いと思います。
でも、少しだけ頼ることで、
回るものもあるかもしれません。
ゆいもまた、その途中にいます。
※この「防災こぼれ話」は、これからも月曜に投稿しながら、その時に必要だと思うテーマを、そのままの形でお届けしていくシリーズにしていく予定です。
少しずつですが、日常の中にある場面も含めて、いろいろな形でお届けしていきます。
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