アメリカ全州訪問記 カンザス州|聖地に立つ祈りの番人
カンザス州:初訪問は2026年4月(アメリカ47州目)。

オクラホマ州から北上してカンザス州へ入ります。2時間半ほど、170マイル(約270キロ)走り、同州の最大人口都市ウィチタへ移動します。
テキサスから北上した前回の旅路はこちら↓
広大な大平原の真ん中にあるこの街は、近代的でありながら、西部のカウボーイ時代の面影もあり、先住民の聖地には巨大な番人(約13メートル)が立っています。

ピザ小屋
ここは、日本でもおなじみのピザハット発祥の地です。ピザハットは1958年にウィチタ大学の近くで誕生しました。今は大学のキャンパス内に創業当時の店舗があり、博物館になっています(入場無料)。まずここを目指しますが、残念ながら営業時間外でした。

ところで、ピザハットのハットは「Hut(小屋)」であり、「Hat(帽子)」ではありません ( •̀∀•́ ) ドヤッ!(うっかり最近まで勘違い)。
紛らわしすぎるロゴも「帽子」ではなく、「小屋の屋根」を模しています。


建築の巨匠が遺した街の景色
次は20世紀を代表する近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトが手掛けたアレン邸へ移動します。1915年にカンザス州元知事ヘンリー・ジャスティン・アレンのために設計した邸宅です。
この邸宅は「最後のプレイリースタイル(草原様式)の住宅」として建築史において極めて重要な作品です。
また、ライトが日本の「帝国ホテル」の設計を進めていた時期と重なるため、日本の建築美が反映されています。
今回は外観だけですが、屋根には赤粘土の瓦が使われ、軒先の並べ方や、屋根の棟(頂上部分)の仕上げに「日本の瓦屋根」に着想を得た独特のラインが取り入れられています。


フランク・ロイド・ライトの建築作品は全米にあり、2019年に8作品が「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。
※イリノイ州オークパークには、彼が初期の20年間を過ごした自宅兼事務所が残っています。こちらは別途記事で紹介予定です。

続いて赤レンガの建物が並ぶOld Townを抜けて進みます。古き良きアメリカの雰囲気で、バーで一杯飲みたいところですが先を急ぎます。
先住民の聖地へ
10分ほどで最終目的地のThe Keeper of the Plains(平原の番人)に到着。
ここは2つの川(アーカンソー川とリトル・アーカンソー川)が交わる、アメリカ先住民にとって特別な場所です。

ナビの指示通り北側の駐車場に着くと、ほぼ満車でした。後で分かりましたが、南側に広い駐車スペースがあるので、そちらがおすすめ。
歩いて橋を渡ると間もなくお目当てのものが見えます。
川の合流点で祈りを捧げるインディアン像は、太陽が昇る真東を向いています。先住民の文化では、東は新しい始まりや生命を象徴する神聖な方角です。

ネイティブアメリカンの文化では、世界にあるすべてがサイクルで巡っていると考えていたようです。
自然のサイクル: 太陽や月は丸く、日の出と日没を繰り返します。季節も円のように巡ります。
命の循環: すべての生き物は地球から生まれ、最後は土に還ります。彼らの生死観では、死は「生命の環(サークル・オブ・ライフ)」の通過点です。
興味深いのは、万物に魂が宿ると考えていたようで、日本人の根底にある八百万の神や自然崇拝の感覚に近いと感じました。

像の足元には、サークル・オブ・ライフが。この地のネイティブアメリカンは、「火・水・風・地」が世界を形作る4大要素で、これらの調和で命の輪が完成すると考えました。
「ネイティブアメリカン」と言っても、かつては500以上の部族が存在し、200種類もの言語が話されたと言われています。一方で根底にある「生命の循環」や「自然崇拝」の精神は、多くの部族に共通する概念のようです。
砂漠、大平原、森など、広大なアメリカの各地で、それぞれの目の前にある自然環境によって異なる世界観が生まれたのかもしれません。
夜はライトアップや岩場から火が出るような演出があるようですが、日没前に食料調達(黄金の炭酸水を含む)も済ませたかったため、退散します。。
旅の短い一コマでしたが、穏やかな川沿いの風に吹かれて、大平原の長い歴史と対峙するような不思議な時間でした。
早朝移動で始まり、テキサスを出発してオクラホマとカンザスを巡り、ホテル到着で1日が終了。
明日はほぼ移動時間となり、テキサスに戻ります。そこで規格外のツノを持つ牛の行進が見られるのか。。
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