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泰夢(たいむ)のお話:21

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コンビニで食べるゴハンも美味しいものです!
それでは、どうぞ!!

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 学習スクールの教室の中も、それほどすずしかったわけではなかったのだけれども、授業が終わって外の商店街に出た泰夢(たいむ)は、けっこうエアコンが効いてたんだと思った。
 照りつける太陽の光はジリジリとしていて、泰夢はあわてて大通りのひさし屋根の下に入った。
(ぼうし、もってくりゃよかったな……)
 学校の友だちの中には日差しに気を使うヤツもいて、いつも長ソデをきていたり、後ろに日よけのついたぼうしをかぶったりして大変だなと思う泰夢だったが、今日ばかりはその友だちが正解だと思った。
 自分の住んでいる街よりも山の上にあるだろうから、それで太陽が近くて日差しが強く感じるのかなとも思ったけれども、ふと、たん任のオバジイの話が頭によみがえり、そんな事はないよなと自分で笑う。
 地球と太陽の間のきょりはとんでもなく広くて、一億五千万キロぐらいはなれているらしい。
 これはジェット飛行機で飛んでいってもニ〇年近く、新幹線でも六〇年ぐらいかかるきょりだというのだから、もうとほうもないくらいにはなれているわけで、だから泰夢の住んでいる街の場所と、今いるこの場所の高さが変わったぐらいでは、日差しが強くなることなどないのだ。
 それでも日差しが強く感じるとすれば、そのひみつはおそらく空気にあるそうで、都会の空気の中には小さなチリやゴミ、ガスなどがたくさん混じっているので、そのチリやゴミなどの光があたってくっ折してしまうけれども、車やビル、人などが少なく自然が豊かな田舎では太陽の光をじゃまする物が少ないため、太陽の光もまっすぐとどきやすいのだという話だった。
(……やっぱ、明日からぼうしかぶっとこ)
 太陽をさけるようにひさし屋根の下を通り、駅の方へと急ぐ。
 もちろん目当てはコンビニだった。
 学習スクールに来るまでは、今日が午前中だけで終わりだと知らなかったので、泰夢にとっては思わぬ自由時間になり、もちろんこのまま帰っても良かったのだけれども、どうせならコンビニがどんなものか見ておきたかったし、ネット通信ができるならついでに学校の友だちと連らくをとって、なんならちょこっとゲームでもしていきたかった。
 それに、せなかのデイパックの中には祖母に作ってもらったお弁当があるので、これをどこかで食べなくてはならなかった。 
 コンビニでおかしとジュースでも買って、イートインスペースで食べればちょうど都合がいいだろう。

「いらっしゃいませー!」
 自動ドアをくぐり、エアコンの効いたコンビニの店内に入ると、レジの所にいた店員さんがそう声をかけてくれた。
 お昼の時間なのでお弁当やおにぎり、サンドイッチなど昼食を買う大人たちでもっと混んでいるのか思ったとが、買い物客はまばらだった。
「チョコバーとポテトチップと、あとグレープサイダー…」
 買い物カゴにおかしとジュースを素早くほうりこんでレジに向かうと、持たされたスマートフォンを機械にかざしてしはらいを終える。
 もっと買いたいと思ったけれど、あまりたくさん買うと、後で母に文句を言われるかもしれないので、ちょっと少なめにした。
 もしもの時のため用に、ちゃんとしたお財布も持ってはいる。
 中には本物のお金も入っていて、こっちを使えば母に知られることはないのだけれども、どこで買ったのか、何を買ったのか、なんのために買ったのか……といちいち聞かれたり、報告したりしなくてはならず、逆にめんどうくさいのだ。
 しゅびよく目当てのものを手に入れた泰夢は、ペットボトルやおかしのふくろをかかえて、そのままイートインスペースに行く。
 店内の様子と同じようにここも人ほとんどおらず、いちばんおくにあるイスにすわってテーブルの上に買ったものを置いて、デイパックからお弁当箱に冷たい麦茶の入ったミニボトル、それからゲーム機とイヤホンを取り出し、そして中身を出されてすっかりしぼんでしまったデイパックを空いているとなりの席に置いた。
 まずははらごしらえをしようと、お弁当ぶくろからおはしとお弁当箱を取り出し、フタを開けて中を見る。
 中はシソのふりかけのかかったごはんに、たまご焼きとウインナー、そしてレンコンとニンジンのにものが入っていた。
「ばあちゃん、ありがとうございます━━いただきます!」
 学習スクールで集中して授業を受けたからか、思っていたよりもずっとおなかが空いていた泰夢は、お弁当の中身に思わずのどを鳴らす。
 たまご焼きのはしっこにシソのふりかけがくっついて、むらさき色にそまっていて、その部分がまた美味しかった。
 ごはんをおはしで持ち上げると中は二だん構えになっていて、二だん目にはかつおぶしと細かくきざんだネギをおしょうゆで軽く混ぜたものがしいてあった。
「うわ、うっめぇ…」
 家では食べるきかいがない祖母のお弁当に、泰夢の顔にもおもわず笑みがうかぶ。
 いつもは少し苦手でちょっとかくごをしてから食べるにもののニンジンも、味がしみていてニンジンのイヤな味がせずとても美味しかった。
 ゲーム機をネット回線につなげる設定をしながらお弁当を食べようと思ったていたのだけれども、それもすっかりとわすれてしまって、一気に食べ終えてしまった。
「……ごちそうさまでした」
 ミニボトルから冷たい麦茶を飲んで一息つくと、そのまま帰ってもいいかなぁという考えが泰夢の頭の中にうかんだ。
 いやいや、それでは最初の目的から外れてしまうぞ!とこれを思い直し、お弁当箱を素早くかたづけてデイパックにつっこむと━━そうしていよいよ、ゲーム機を手に取った。
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やっとゲームで遊ぶ準備が整った泰夢でした。
では、次回もお楽しみに!

小林るい


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