見出し画像

ToDo が増えすぎた僕が、 月曜にやめることリストを置いた話

タスクを減らして、 進む速度を上げる設計

月曜の朝、ToDo アプリを開いた瞬間に「うわ、こんなにある…」と絶望していませんか?

タスクは放っておけば生き物のように増え続けます。

増やすことしか知らなかった僕が、月曜の最初にやめることリストを置くようになってから、週の進み方がまるで変わりました。

これは、足し算だけで疲れていた僕が、引き算の設計で前に進めるようになった話です。


月曜の絶望から始まっていた

パソコンを開き、ToDo アプリを立ち上げる。
画面にズラリと並ぶタスクの山を見た瞬間、まだ何も始めていないのに、すでに息切れしそうになる。

「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ…」
「今週もこれ全部、こなせるのだろうか…」

かつての僕の月曜の朝は、この絶望からのスタートが定番でした。

フリーランス開発者として独立してから、タスクの種類は一気に増えました。
クライアント案件、個人開発(tsurilog と flowtask の 2 本を同時進行)、note の執筆、SNS 発信、技術学習、経理や事務処理……。
会社員のときは上司が優先順位をつけてくれていたものが、すべて自分で判断しなければならない。

だから、とにかく書き出すことで安心しようとしました。
思いついたことは全部 ToDo に追加。
いつか使えるかもしれないタスクも保留リストへ。
重要かもしれない勉強項目も念のため登録。
ちょっとしたメモも登録。

気づいたときには、Todoist の画面が際限なくスクロールするリストになっていました。

金曜の夜、あんなに忙しかったのに、結局重要なことは何も進んでいない——その絶望感で一週間を終える。
これが、しばらくの定番パターンでした。

タスクは生き物だと気づいた

当時の僕は、もっと効率的にこなせるようになれば解決すると思っていました。
時間術の本を読み漁り、ポモドーロタイマーを試し、タスク管理アプリのショートカットを覚える。

でも、いくらこなすスピードを上げても追いつきませんでした。

なぜか?

タスクは、消えないからです(汗)

メールを返せば返信が来る。
バグを直せば新しいバグが見つかる。
記事を一本書き終えれば、次のテーマが気になり始める。
SNS を確認すれば、気になるスレッドへの返信が生まれる。

タスクとは、生き物のように増殖し続けるものなのです。

全部消化することを前提にした瞬間、僕たちはその増殖スピードに永遠に追いかけられる側になります。
どんなに走っても、ゴールが後退し続けるトレッドミルの上を走っているようなものでした。

この全部消化するという前提自体が、間違いだったのです。

足し算しか知らなかった自分に気づいた

転機になったのは、GTD(Getting Things Done)の週次レビューを実践しているときのことでした。

GTD には、週に一度「次のアクション」を整理するレビューがあります。

その中に、

「委任できないか」
「そもそもやる必要があるか」

という問いがあります。

最初は、この問いを流していました。

「全部必要だから入れているんだ」

と思っていたからです。

でも、ある週に真剣に向き合ってみると——気づいてしまったのです。

「このタスク、なぜ登録したんだろう?」
「これ、誰かに求められてるわけじゃないな……」
「これ、3 週間前からずっとここにいるけど、結局やってないということは、本当は重要じゃないんじゃないか?」

足し算しか知らなかった。

タスクを追加することは毎日していたのに、タスクを削除することをほとんどしていなかった。

これは、容量が決まった引き出しに、際限なく物を詰め込み続けているようなものです。
当然、引き出しは開かなくなります。

引き算の設計——その概念が、初めて自分の中に入った瞬間でした。

月曜のやめることリストという習慣

そこから生まれたのが、「月曜の朝にやめることリストを置く」という習慣です。

月曜の朝イチに、15 分だけ時間を取ります。
そこでやることは、2 つだけ。

1️⃣ 今週の Big 3 を選ぶ
 
(この 3 つさえ終われば勝ち、という最重要タスク)

2️⃣ やめることリストを書く
 
(今週やらないこと、手放すことを明文化する)

Big 3 については以前の記事でも詳しく書いたので、今回は特に「やめることリスト」の方に焦点を当てます。

やめることリストに書くのは、こんなことです。

📍 今週は RSS をチェックしない
 (情報収集は Readwise の Ghostreader に任せる)

📍 Todoist の保留リストは今週見ない

📍 完璧になるまで公開しない、という姿勢をやめる
 (8 割完了で出す)

📍 毎日やろうとしていたルーティンの一部を今週は飛ばす

📍 返信が来たら即対応する習慣をやめる
 (まとめて一日 2 回確認に切り替える)

重要なのは、やめることをポジティブな宣言として書くことです。

「〜しない」ではなく、「今週は〜を手放す」という言葉で書くと、義務感ではなく選択感が生まれます。

これを書いた月曜は、不思議と今週は守られているという感覚がありました。

なぜ月曜に置くのか

やめることを決めるタイミングは、週の始まりである月曜が最も効果的だと気づきました。

金曜の週次レビューで来週やめることを決めることもできます。
でも、金曜に決めたことは週末を挟んで記憶が薄れやすいのです。

月曜の朝、1 週間のタスクリストを目の前にした状態でやめることを決めることで、その週のリアルな状態に即した判断ができます。

「あ、これ今週はどうせ手が回らないな」
という直感が、最もクリアな状態で働きます。

また、月曜の朝にやめることを宣言すると、その週の途中でそのタスクが頭に浮かんでも「今週はやめると決めた」という錨が効いて、手を出さずにいられます。

人間の意志力は有限です。
その都度やるかどうか判断するより、週の最初に一度だけ決める方が、ずっとエネルギーを節約できます。

決断疲れ(Decision Fatigue)という概念がありますが、まさにこれです。
月曜の判断コストを一度払うことで、火曜以降のすべてのやるかどうか迷うコストを一気に消せるのです。

やめることの選び方

やめることリストに何を書けばいいか迷ったときのために、僕が使っている基準を共有します。

【基準 ①】 3 週間以上手をつけていないもの

Todoist を眺めて、3 週間以上ずっとそこに居続けているタスクがあれば、それは重要ではないか今の自分には合っていないサインです。
削除するか、いつかやるリストに送り込み、今週の視界から消します。

【基準 ②】 義務感だけで続けているもの

「やった方がいい気がして」
「誰かにやった方がいいと言われて」
「昔決めたから」

——そういう理由だけで続けているタスクや習慣は、やめる候補筆頭です。

フリーランスの仕事は、誰かに課されるものではなく、自分が選ぶものです。
義務感のタスクが多いほど、創造性と集中力は削られていきます。

【基準 ③】 やれなかったことへの罪悪感が大きいもの

週次レビューをしていると、また先送りしたタスクが毎週出てきます。
2〜3 週連続で先送りしているものは、今週のやめることリストに入れる候補です。

先送りとは多くの場合、本当はやりたくないか優先順位が低いシグナルです。
罪悪感を感じるたびにエネルギーを消耗するくらいなら、一度明確に今週はやらないと決めた方が、精神的にずっと楽になります。

【変化】 追いかけられる感覚が消えた

やめることリストを月曜の儀式にして、いくつかの変化がありました。

最も大きな変化は、週のスタートの質感が変わったことです。

以前の月曜は、「今週も消化できるか」という受け身の感覚で始まっていました。
タスクに追いかけられる、防衛戦のような感覚です。

でも今は、月曜の朝に「今週はこれだけやる。これはやらない」と宣言することで、週が攻めの設計になりました。

追いかけられるのではなく、自分が選んで進んでいる感覚。

これは、フリーランスとして長く走り続けるために、思っていた以上に大切なことでした。

また、やめることで生まれた空き時間が、意外なほど価値を持ちました。
予定していないことに手を伸ばせる余白。
tsurilog の設計を考えるひらめき。
締め切りが迫る前に少し先の準備を仕込む時間。

タスクが減ることで、残ったタスクへの集中度が上がり、速くなるどころか深くなるという感覚が生まれました。

フリーランスこそ引き算の設計が要る

会社員の頃は、タスクの優先順位をある程度、上司や組織が整理してくれていました。

「これは今週中に」
「それはまだいい」

という判断を、環境が肩代わりしてくれていたのです。

フリーランスにはそれがありません。
タスクを足すことも削ることも、全部自分の判断です。

だから、足し算だけをしていると、いつかタスクの重さに潰れます。
僕は実際に、完璧主義とマルチタスクの組み合わせで、一度燃え尽きた経験があります。

あの頃の反省として学んだのは、ブレーキの設計を持つことでした。

アクセルを踏む技術(タスクをこなす速度・効率)よりも、ブレーキを踏む技術(タスクを手放す判断・引き算の習慣)の方が、フリーランスとして長く走り続けるためにずっと重要だと今は確信しています。

吃音症を持つ僕にとって、

「疲れた」
「もう無理かもしれない」

という声を人に伝えるのはいつも難しいことでした。

でも、やめることリストは自分自身への宣言です。
誰かに言葉にして伝えなくても、今週の自分に向けて「これは手放す」と書くだけで、心が少し軽くなる——それを知ってから、月曜の朝の意味が変わりました。

【今すぐできる】 月曜のやめることリスト 実践ステップ

最後に、今日からすぐ試せる形でまとめます。

【ステップ ①】 月曜の朝 15 分を設計タイムとして確保する

カレンダーに週次設計として登録しておくのがおすすめです。
この 15 分だけは、メールもチャットも見ない。

【ステップ ②】 今週の Big 3 を決める

「今週はこの 3 つさえ終われば勝ち」
という最重要タスクを 3 つ選びます。
緊急なことではなく重要なことを基準に選ぶのがポイント。

【ステップ ③】 やめることリストを書く

以下の問いに答えながら、3〜5 項目を書き出します。

☑ 3 週間以上手をつけていないタスクはないか?
☑ 義務感だけで続けていることはないか?
☑ 毎週先送りして罪悪感を感じているタスクはないか?
☑ 今週なくても本当に困らないことはないか?

【ステップ ④】 書いたらそのタスクを視界から消す

削除するか、いつかやるリストへ移す。
今週の作業画面に見えないようにすることが大切です。

【ステップ ⑤】 週末に「やめてよかったもの」を一つ確認する

「やめても大丈夫だった」
という小さな成功体験を積み重ねることで、次の週も迷わず手放せるようになります。

減らすと前に進む

タスクを減らすことは、サボりじゃない。
諦めでも、逃げでもない。

「何を選ぶか」という能動的な判断です。

僕は長い間、タスクを足し続けることが頑張っている証拠だと思っていました。
でも、増やしたタスクのほとんどは「いつかやるかもしれない」という不安から生まれたもので、本当に前進するためのものではなかったのです。

月曜の朝にやめることリストを置くようになってから、週のはじまりに感じていた絶望が少しずつ選択に変わっていきました。

タスクが減ると、残ったものへの集中が深まります。
集中が深まると、進む速度が上がります。
進む速度が上がると、余白が生まれます。
余白が生まれると、また新しいアイディアが湧いてきます。

引き算が、次の足し算をより意味のあるものにしてくれる——それが、月曜のやめることリストから学んだ一番大切なことです。

あなたの月曜のタスクリストにも、今週手放せるものが一つくらいあるはずです。
ぜひ、探してみてください。

ひとりごと

足し算だけで進もうとしていた頃の自分を思い出しながら書きました。

やめることを決めるというのは案外勇気がいる行為で、最初は「本当にやめていいんだろうか」と不安でした。

でも「やめても大丈夫だった」ことへの経験の積み重ねが、次の判断をどんどん軽くしてくれる。
引き算の習慣は、続けるほど効いてくると感じています。

2026© おおとろ

Substack はじめました

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

X では短い言葉で、note では整理した文章で発信していますが、Substack では、もっと途中経過の思考や削りきらなかった葛藤、技術者として日々考えていることを書いています。

もし興味があれば、覗いてみてください。

会社員(元システムエンジニア)からフリーランスとなり、
15年目に突入しました。

納期と障害対応に追われる毎日の中で、
「もっと自由に、もっと本質的にものづくりがしたい」
そう思ったのが独立のきっかけです。

現在は、技術と文章を軸に、
仕事がラクになる仕組みや続けられる働き方を発信しています。

あわせて読みたい

▼ 月曜にやめることと同時に今週の重要な 3 つも決めたいときに

やめることリストと合わせて使うと最も効果的なのが、今週の Big 3 を選ぶ習慣です。
タスクを減らしながら何に集中するかを絞ることで、週の進み方がまるごと変わります。

▼ 週末の振り返りを反省会にせず、来週のやめることを軽く決めたいときに

今週前に進んだこと・来週やること・来週やめることの 3 つの問いだけでできる、15 分の週次レビュー術を公開しています。
やめることリストを習慣にするための、週サイクルの設計に最適です。

▼ そもそもタスク管理を GTD で整えたいと思ったきっかけから振り返りたいときに

やめることリストの根っこにある GTD との出会いと、Todoist × Obsidian で週次設計を整えるまでの試行錯誤を記録した原点の記事です。

▼ 予定が詰まりすぎていることに気づき、スケジュールから余白を作りたいときに

タスクだけでなく、カレンダーにもやめることが必要です。
予定を詰め込む習慣から余白を守る発想への転換が、創造性と集中力を取り戻す鍵になります。

次の一歩を一緒に決める作戦会議室へ

やめることリストを月曜の儀式にして、週の進み方が変わった——そんな気づきをリアルタイムで共有しているのがフリーランス開発者の作戦会議室です。

タスク設計の試行錯誤、GTD × PDCA の運用、週次・月次レビューの型……フリーランスとして前に進むための仕組みを、一緒に深めていきませんか。

「何をやめるか」を一緒に考えたいと思ったら、ぜひ覗いてみてください。

参加する

ここから先は

0字

メンバーシップ ¥ 500 /月

■メンバーシップ 15 年目フリーランス開発者のひとり戦略を支える作戦会議室です。\ 案件に追われる…

ベーシックプラン

¥500 / 月

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。もしこの記事が「役に立った」「心に響いた」と感じたら、珈琲一杯分サポートいただけると嬉しいです。あなたの温かい応援を力に、また次の創作活動に励みます。