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「サッカーしかしてこなかった」は、勘違いだった。35歳元Jリーガーが13年間鍛えていた⚪︎⚪︎の話。

「サッカーしかしてこなかった」

引退した時、自分のことをそう思っていた。

Honda FC、カマタマーレ讃岐、アスルクラロ沼津、鹿児島ユナイテッドFC、AC長野パルセイロ。13年間、5つのクラブでプレーした。

でも振り返ると、僕は現役中からサッカー以外のこともやっていた。

コロナ禍で物流がストップした時、スポンサー企業が困っていた。自分の人脈を使って販路を広げる手伝いをした。マグロ一本丸ごと60kgを産地から直接手配して届けたこともある。

「ビジネスをやろう」と思ったわけじゃない。目の前で困っている人がいたから、自分にできることをやっただけだ。

でも、当時の僕には、なぜ自分にそれができるのか説明できなかった。

「サッカーしかしてこなかった」はずなのに、なんでサッカーと関係ないことまでできるのか。自分でもよく分からなかった。

2ヶ月前、noteに「35歳、無職、元プロサッカー選手」と書いた。

それから2ヶ月。いろんな人に会う中で、ある人に言われた一言が、この13年間のモヤモヤを全部説明してくれた。


「砂森くんのOS、めちゃくちゃ強いね」

人材業界のプロと話す機会があった。

元プロサッカー選手のキャリアは、ビジネスの世界からどう見えるのか。率直に聞いてみた。

返ってきたのがこの一言だった。

「サッカー選手は、OSが強いんですよ。ただ、ビジネスのアプリがインストールされていないだけで」

OSとは、スマホの基盤ソフトのこと。iOSやAndroid。どんなアプリも、OSがなければ動かない。

つまり、こういうことだ。

サッカー選手は、練習と試合の中で「基盤になる力」を鍛え上げている。判断力、適応力、自己管理力、チームの中で動く力。これがOS。

一方で、財務やマーケティングといった専門スキルは入っていない。これがアプリ。

でも、OSが強ければ、アプリは後から入れられる。

この一言で、全部つながった。

コロナ禍でスポンサー企業を手助けできたのもサッカーと全く違う分野の問題を解けたのも、僕のOSがサッカーで鍛えられていたからだったと思う。

「サッカーしかしてこなかった」んじゃない。サッカーで、OSを鍛えていたんだ。


 構造が見えれば、何にでも応用できる

じゃあ、僕のOSの中で一番効いているものは何か。

構造を見抜く力だと思う。

サッカーでは、90分間ずっと「判断」し続けている。

カウンターが得意な相手に、「リスク管理なしで攻撃」とも言えない。攻撃をやりきるマインドを持ちながらも同時に相手を見る。状況を読む。競り合いで分が悪いなら、早めに落下地点に入る。足の速い選手には、背後のスペースを消す。味方が抜かれそうなら、少し早めにカバーに入る。

体力だけじゃない。頭の消耗も相当なものだ。

でも、これって要は「構造を読んで、動く」ということだ。

相手がこう来るなら、こう動く。この構造なら、この対応が正解。

この頭の使い方は、ピッチの外でもそのまま使える。

たとえば株のチャート。5分足の値動きで一喜一憂するのと、4時間足で全体のトレンドを見るのでは判断がまるで違う。リーグ戦も同じかもしれない。目先の1試合の勝ち負けと、シーズン全体の流れ。どの視点から見るかで判断が変わる。

もっと身近な例で言えば、川の下流でゴミを拾い続けても、上流でゴミを捨てている人がいたら永遠に終わらない。目の前の現象じゃなく、根本の原因がどこにあるのかを見る。

この「構造を見る目」が、サッカーをやっているうちに自然と鍛えられていたと再確認できた。

僕がコロナ禍でスポンサー企業を手伝えたのも、サッカーも同じ頭の使い方で、課題解決に向き合っていたんだと思う。当時はそんな自覚なかったけど。


毎日やっていることを、別の言葉にしてみる

この構造を見る力だけじゃない。サッカー選手が毎日やっていることを、別の言葉で言い換えてみると、こうなる。

- 試合中、味方と相手の位置を見て瞬時にポジションを変える
リアルタイムの意思決定力

- チームメイトの調子や変化に、練習の中で気づく
チームの状態把握力

- 試合に出られない時期、何が足りてないのかそしてどうトレーニングに向きって練習するのか
逆境での自己管理力

- 移籍先の新しいチームにすぐ馴染む
新しい環境への適応力

どれも選手にとっては当たり前すぎるのかもしれない。毎日の食事するのと同じくらい無意識でやっているから。

でも、こうやって言い換えた瞬間、どの企業でも「欲しい」と言われる能力に変わる。

持っていないんじゃない。言葉にできていないだけだ。

これはサッカー選手に限った話じゃない。どんな仕事でも、毎日やっていることの中に、自分では気づいていない価値がある。


「サッカーしかしてこなかった」の本当の意味

ここまで書いてきて、改めて思う。

「サッカーしかしてこなかった」は、「サッカーしかできない」という意味じゃなかった。

13年間、毎日判断し、構造を読み、適応し、自分を管理し続けてきたということだった。

足りなかったのは能力じゃない。自分が持っているものを説明する言葉だった。

新しいスキルを身につけろとか、ビジネス書を読めとか、そういう話じゃない。自分が毎日やっていることを、違う角度から言い換えてみる。すでに持っているものに気づくだけでいい。

焦って、自分に合わない道に飛びつく必要はない。

目の前のことに集中していい。サッカーで道を極めていい。ただ、自分がやっていることの価値を、時々立ち止まって言葉にしてみる。それだけで、次のステージに進む時の景色は全然違うものになる。


まず、自分の言葉で書いてみてほしい

最後に1つだけ。

言葉にする一番の近道は、書くことだ。

僕は2ヶ月前にnoteを始めた。「35歳無職」と書いた。正直怖いというか不安というか。

でも、書いたことで自分の考えが整理された。書いたことで仲間が見つかった。書いたことで今の仕事につながった。

どれだけ技術が進んでも、自分の言葉で書いたものと、そこに集まってくれた人との関係は、誰にもコピーできない。

だからまず、小さく始めてみてほしい。

この記事を読んで何か感じたことがあれば、コメント欄に書いてみてください。 一言でいい。

それが「自分の考えを言葉にする」最初の一歩になる。

もしnoteやXで自分の考えを書き始めた人がいたら、ぜひ教えてほしい。僕が読みに行く。

泥臭く、一歩ずつ。

↓追記。アンケート設計に関する記事を書きました。


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