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靴箱で屍になったランニングシューズと、NEATという概念の話〜ジムに行ったことがない医師が週何回・何分やれば痩せるかを本気で調べた〜

今回のキーワードは「NEAT」。
消費カロリーの95%は、ジムの外で生まれています。

白状します。

私、ジムに行ったことがありません。

前回「適切なジム通いのの回数・時間について医師が答えます」と予告しておいてこれです。本当に申し訳ない。

でも待ってください。ジムに行ったことがないからこそ、「行けない側の本音」で調べられる。行ったことある人には書けない記事があるはずです。たぶん。きっと。

というわけで、ジム未経験の内科医が、週何回・何分やれば痩せるのかを本気で調べました。



まず、私のランニングシューズの話を聞いてください

少し前、GLP-1を使ってダイエットしていた頃のことです。

「体型維持のために毎日30分ジョギングしましょう」という言葉を信じた私は、おしゃれなランニングウェア、ランニングシューズ、NIKEのスポーツバンド付きのApple Watchまで購入しました。形から入るタイプです。

朝5時。子を起こさないようにそーっとベッドから抜け出し、ランニングスタート。30分後へとへとになり帰宅……と思ったら玄関で母を探して大号泣する子。

結末は想像の通り、靴箱で屍のように眠るランニングシューズです。

(GLP-1有料noteより)

いや、そもそも朝走るとか無理すぎませんか。

めちゃくちゃ汗かくけど朝シャワー浴びて髪乾かして……って皆どこからそんな時間捻出してるん。日焼けするし。春も秋も花粉症だから空気吸い込みたくないし。かといって夜道を走りに行く時間?あるはずない。子供預けられるジム?田舎にあるはずないし、そもそも自分が痩せるために子供を預けるって……私的にはナシ。

どう頑張っても無理要素しかない。シンママダイエット、ハードモードすぎ。

でもこれ、私だけじゃないですよね。

「ジムに行きたいけど行けない」という人が圧倒的多数のはずで、そういう人のために医師として調べてみました。



週何回・何分が医学的に正解なのか

先に答えを出します。

WHO(世界保健機関)・厚生労働省ともに推奨しているのは筋トレ週2〜3回・週合計30〜60分。有酸素運動は週150分以上

筋トレと有酸素を組み合わせると総死亡リスクが単独より約1.4倍下がるというデータもあります。

根拠は国際基準・国内基準ともに揃っています。

……で、これできますか。

週150分の有酸素運動。1日30分を週5回。シンママ医師には無理です。断言します。

だから現実的な話をします。

忙しい人が最短で結果を出すための、お尻と4分間の話です。



お尻の筋肉は「最強の燃焼エンジン」

ここで筋トレをするなら、どこを鍛えるべきかの話をします。

ボディビルダーのように全身をムキムキにする必要はありません。私たちが狙うべきは、効率よく代謝を底上げしてくれる「大型の筋肉」、つまりお尻(大臀筋)や太もも(大腿四頭筋)です。

下半身には全身の筋肉の約7割が集中しています。
腕立て伏せを100回やるよりも、スクワットを10回やる方が、代謝を上げる上では圧倒的に「タイパ(タイムパフォーマンス)」が良いのです。

(もちろん腕立て伏せできる人はやってください、飽くまでもチートな切り口で筋トレ論を述べています)

ーなぜ「お尻」なのかー
 お尻は単に脂肪を燃やすだけでなく、血糖値のコントロールにも大きく寄与します。大きい筋肉を動かすことは、血液中の糖を効率よく取り込む「巨大なスポンジ」を手に入れるようなもの。

 あと、個人的に、体重を落とすだけのダイエットは実に貧相な身体になる。鍛えられたおしりがプリンっと上がった峰不二子体型に憧れませんか…?(例えが平成)



週に数分の投資。「4分間の地獄」でアフターバーンを狙う

筋肉を維持したい、でも長い筋トレは苦痛。
そんな欲張りな私が取り入れているのが「HIIT(高強度インターバルトレーニング)」です。

全力で20秒動いて10秒休む、を8セット。たった4分間です。

この「短時間の地獄」を味わうだけで、運動後も数時間にわたって代謝が高い状態が続く「アフターバーン効果」が期待できます

HIIT後のNEATで更に消費カロリーアップ作戦。

週に2~3回、朝の4分間だけ。スマホをいじっている時間を、この4分間に差し替える覚悟を持ってください。

「忙しい」を言い訳にできない、最短・最速の筋肉防衛策です。


まずは騙されたと思って1回やってみる。
その最初の一歩が大事。

Youtubeに「HIIT」って入れて検索する。
1回やってみる。
そうすれば、毎日開くYoutubeのおすすめ動画に1つくらいはちょろっとHIITプログラムが映り込んでくる。

はじめの一歩が大事。
これ読み終わったらすぐやって(切実)!
私もやる!



でも実は、ジムより効率的なものがあります

…と熱く語りつつ、ここが今日の記事で一番伝えたいことです。

私たちが1日に消費するエネルギーのうち、ジムで汗を流す「運動」が占める割合は全体のわずか5%程度です。

消費カロリーの残り95%は、基礎代謝と日常の動作で消費されています。

この「日常の動作」による消費エネルギーを、専門用語でNEAT(非運動性熱産生)と言います。

5%のために続かないジムに通うより、95%のNEATを少しだけ底上げする方が、圧倒的に効率が良い。

まずはフットワークを軽くすること。欲を言えば「無駄に動く」こと。これを脳に叩き込んでください。

具体的には:

  • エレベーターを使わない:職場で毎日実践するだけで相当変わる

  • 歯磨きスクワット:朝晩3分、お尻を突き出してゆっくり沈む。お尻(大臀筋)は全身で最大の筋肉。ここを動かすだけで基礎代謝の維持に直結する

  • 階段1段飛ばし:回診や移動のたびに実践。お尻への負荷は倍増する


「明日からジムに行こう」は一生できません。でも「次の階段で1段飛ばそう」なら今すぐできます。

ちなみに私が薬なしで10kg落とした時、やっていたことは「汗だくで毎日8階まで階段」ただそれだけでした。

NEATについてさらに詳しく、GLP-1使用中のリバウンド防止と合わせて解説しています。



それでもジムに行くなら、これだけ知っておいて

「NEATで十分」と言いつつ、ジムに行ける環境の人には行ってほしい。
正直うらやましい。

ジムに行くなら知っておくべきことが2つあります。

①有酸素運動と筋トレ、どっちが先?

答えは筋トレが先、有酸素が後です。

筋トレを先にやることでグリコーゲン(糖の貯蔵)が消費される。その状態で有酸素運動をすると、脂肪をエネルギーとして使いやすくなります。

逆にすると有酸素で先にエネルギーを使い果たして、肝心の筋トレがヘロヘロになる。

②食後に運動すると血糖スパイクが防げる

前回の血糖コントロール記事でも書きましたが、食後30〜60分に体を動かすと筋肉が血糖を吸収してくれてスパイクが抑えられます。

ジムに行くなら食後がベスト。脂肪燃焼と血糖管理、両方取れます。

ただし空腹時に運動した後に糖質メインのものをドカ食いするのは最悪の組み合わせです。私がスープパスタで意識を失いかけたのはこのパターンでした。笑



拝啓:ジムに行けない人へ~ガチじゃなくていい。賢く動け~


まとめます。

★5%のジム枠はHIITで効率化する。
週2〜3回、たった4分。
全力で20秒動いて10秒休む。
それだけでアフターバーン効果が数時間続く。
ジムに行けなくても、この4分が「運動」の枠を十分カバーします。

★95%のNEAT枠は日常で稼ぐ。
エレベーターを階段に変える。
歯磨きしながらスクワット。
子供と全力で公園で遊ぶ。
消費カロリーの大部分はここで決まります。

★鍛えるならお尻一択。
下半身に全身の筋肉の7割が集中している。
スクワット10回の方が腕立て100回より代謝への効果が高い。
タイパ最強です。

「忙しくて運動できない」のではなく、「忙しさを全て運動に変換する」。

ジムの月会費を払う前に、まず階段を使ってください。
タダです。


より根本的に食欲や代謝を医学的にコントロールする方法として、GLP-1という選択肢があります。私自身の失敗談も含めて、こちらで詳しく解説しています。

[GLP-1の真実|医師が自分で試してわかったこと→]



最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は…

ピンチ。これはリアルタイム連載で。

「また少しずつ太り始めた。GLP-1終了2週間後の現実と、ここから戻す作戦」

GLP-1をやめると太るのはなぜか。医師が自分のリバウンドをリアルタイムで止めにいきます。2週間後に結果報告します。

こんだけ偉そうに毎回ダイエットのこと書いているんだから、コスパよく、タイパ良く、痩せられるはず…頑張れ私。

まずは太ってしまった敗因について分析します。

2日後にお会いしましょう🌷


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