見出し画像

当直明け、寒い那須へ。仕事の延長線から旅が始まった|Genini旅 Day1

こんにちは。内科の医師をしています、くまのです。

今回は、【Geminiと旅をしてみた】in 那須高原編のPart 1です。

前回のPart 0では、出発前にGeminiへ相談しながら、「海・山・町中」の候補から那須高原を選ぶところまでを書きました。



今回は、いよいよ1日目。

といっても、爽やかに朝から出発、という感じではありません。

出発は金曜の昼前。

木曜は当直でした。

つまり、当直明けの身体のまま、少し早めに病院を出て、そのまま上野駅へ向かうという流れです。

ちゃんと旅に出る、というより、
仕事の延長線上から、そのまま電車に流れ込んでいく感じ。

白衣は脱いだはずなのに、
まだ身体のどこかに病院の空気が残っているような、そんな出発でした。

上野から那須塩原までは、約1時間。

「旅行に行くぞ」と気合いを入れるには少し短く、
「ちょっと日常から離れる」にはちょうどいい距離。

行きの電車では、車窓を眺めながら何か考えようと思っていたのですが、気づいたら寝ていました。

当直明けの身体は正直です。

目を閉じた瞬間に、
「はい、ここで休憩です」
と身体に言われた感じ。

景色を見ようとか、noteの構成を考えようとか、そういう気持ちは一応ありました。

でも、無理でした。

眠気の勝ち。

たぶん、旅はもう少し前から始まっていたのだと思います。

どこかへ向かう前に、
まず身体が休みを取り返そうとしていた。


那須塩原に着いて、最初に思ったこと

那須塩原駅に着いて、最初に思ったこと。

それは、

寒い。

本当に寒い。

「涼しい」ではなく、ちゃんと寒い。

上野を出た時の感覚のまま降りたら、空気がまったく別物でした。

しかも天気は、少しどんより。

晴れでもなく、雨でもなく。
空全体に薄い灰色の膜がかかっているような天気。

なんとなく、当直明けの頭の中みたいでした。

駅に降りた瞬間、

「あ、那須に来たな」

より先に、

「寒っ」

が出る。

でも、不思議とその寒さで、少しだけスイッチが切り替わった気もします。

病院からそのまま持ってきた身体と頭が、
冷たい空気に触れて、強制的に別モードへ切り替わる感じ。

リフレッシュって、
最初から穏やかに始まるものではなくて、
ときどきこうやって、身体の感覚から急に始まるのかもしれません。


黒磯へ。最初の作業場所は「みるる」

那須塩原駅から、さらに一駅。

黒磯へ向かいました。

今回、最初の作業場所として向かったのは、出発前にGeminiが候補に出してくれていた那須塩原市図書館、みるる

旅先で作業する場所をAIに選んでもらう。

言葉にすると少し未来っぽいのですが、やっていることは意外と素朴です。

知らない街で、
まずどこに座ればいいかを相談しているだけ。

でも、その「最初に座る場所」が決まっているだけで、かなり楽でした。

知らない街に着いて、
眠くて、寒くて、少しぼんやりしていて。

そこから自分で検索して、比較して、決めるのは地味に疲れる。

だから、候補があるというだけで、旅の立ち上がりがだいぶ軽くなるんだなと思いました。

みるるに着いて、最初に思ったのは、

ほんとに図書館、、、?

というか、視界が抜ける。

図書館なんだけど、静かすぎない。

いわゆる「しーん」とした図書館ではなくて、
大きなリビングで、それぞれが好きなことをしている感じ。

本を読む人。
勉強する人。
PCを開く人。
子どもの声。
誰かが歩く音。

その全部が、うるさすぎず、でも無音でもない。

完全な静けさより、このくらいの生活音がある方が、私は意外と集中できます。

実家のリビングで勉強していた時の感じに、少し似ているのかもしれません。

コンセント付きの机も多くて、PC作業をするにはかなりありがたい環境でした。

「ここで作業する人、いるよね」

という前提で作られている感じ。

さらに印象的だったのが、階段を使ったスペースです。

ただ上り下りするための階段ではなく、
座れるようになっていて、
本を読んでいる人もいて、
少し秘密基地みたいでした。

図書館なのに、
「勉強しなければいけない場所」というより、
居ていい場所という感じが強かった。

これ、けっこう大事です。

ワーケーションで作業場所を選ぶとき、Wi-Fiや電源ももちろん大事です。

でも、それ以上に、
そこにいてもいい感じがするか
って大きい気がします。

みるるは、かなりその感じがありました。


夜ご飯は、提案されていたお蕎麦屋さんへ

作業を終えて、夜ご飯へ。

向かったのは、出発前にGeminiが候補に出してくれていた
生そば冨陽
です。

外観からもう、かなり良い雰囲気でした。

新しいおしゃれさというより、
昔からこの街にちゃんと根を張っている感じ。

お店の前の食品サンプルを眺めている時間も、なんだか旅っぽい。

中に入ると、木のぬくもりがある落ち着いた空間でした。

壁には文章や写真が飾られていて、
観光地のお店というより、
地元の人にも長く愛されてきたお店なんだろうな、という感じがします。

頼んだのは、そばとかつ丼のセット。

そばは香りがよくて、しっかり歯応えがありました。

当直明けの身体に、冷たいそばの香りがすっと入ってくる感じ。

そして、かつ。

柔らかい。

衣はサクサク感を残しつつ、
出汁と卵がふわっと絡んでいて、かなり好きな味でした。

でも、いちばん印象に残ったのは、たぶんコロッケです。

そばがきコロッケ。

人生で初めて食べました。

じゃがいものコロッケとは全然違う。

ほくほく、というより、
香ばしくて、少しもっちりしていて、
噛むたびにそばの風味がふわっと出てくる。

「あ、こういうコロッケもあるんだ」

という、かなり小さな発見。

旅って、絶景を見ることだけじゃなくて、
こういう知らない味に一口だけ出会うことでもあるんだなと思いました。

知らない街で、知らない味に出会う。

これだけで、旅はちゃんと始まっている気がします。


1日目の終わり、少し泣きそうなくらい寒かった

夜、ホテルへ向かう道は、思っていた以上に寒かったです。

田舎道。
小雨。
頬に吹きつける風。
ときどき細かい雨粒が混ざって、顔に当たるたびに目が覚めるような冷たさ。

「那須塩原、寒い」と思ったのは昼の時点でしたが、
夜はそれが本気を出してきた感じでした。

やっとホテルに着いて、ほっとしたのも束の間。

ここで、まさかの事件が起きます。

予約日を間違えていました。

当直中に予約したせいなのか、
ただ単に自分が抜けていただけなのかはわかりません。

たぶん後者です。

気づけば、土曜に宿を2つ取っている状態になっていました。

その瞬間、冷えていたのは身体だけじゃなかった気がします。

「あ、やってしまった」

と、心まで一気に冷える感じ。

しかも、キャンセル料は80%。

これは痛い。

かなり痛い。

旅先でこういうミスをすると、地味に効きますよね。

しかも当直明けで、寒くて、雨に打たれて、ようやく宿に着いたタイミング。

追い打ちとしては、なかなかの完成度でした。

でも、運よくその日は部屋が空いていて、予約を取り直してそのまま泊まれることに。

それだけでも十分ありがたかったのですが、さらにオーナーさんが、

「せっかく泊まってくれたんだから、キャンセル料はいらないですよ」

と言ってくださって。

ちょっと驚いて、
ちょっと申し訳なくて、
でも正直、かなり救われました。

冷め切っていた心と身体に、
いちばん効いたのは、もしかすると温泉より先にこの一言だったかもしれません。

旅って、景色や食べものももちろん大事だけれど、
こういう人のやさしさにふっと助けられる瞬間が、あとでいちばん残ったりします。

部屋に入ってからは、気が済むまで少し作業しました。

旅先でPCを開いていると、
休みに来たのか、書きに来たのか、少しわからなくなります。

でも、それも今回はたぶん正解でした。

書きたいものがあって、
少し場所を変えたくて、
その両方を抱えたまま来た旅だったので。

ひと段落したところで、その日は少し早めに就寝。

冷えた一日の終わりに、
ようやく身体の力が抜けていく感じがありました。

冷め切った心と身体が、少しずつほどけて、
気づいたらそのまま夢の中へ。


1日目を終えて

1日目は、正直、すごく整った一日ではありませんでした。

当直明けで出発して、
電車ではほとんど寝て、
那須塩原は思ったより寒くて、
宿の予約日は間違えていて。

予定通り、という感じでは全然ない。

でも、そのぶん、ちゃんと旅でした。

知らない街の図書館で作業して、
知らない味のコロッケを食べて、
寒い夜道を歩いて、
最後に人のやさしさに助けられる。

Geminiに候補を出してもらった旅だけれど、
実際に旅を作っていくのは、やっぱりその場その場の偶然なんだと思います。

AIが地図を広げてくれる。

でも、どこで寒いと思うか。
どこで眠くなるか。
どの味に驚くか。
誰の一言に救われるか。

そこは、ちゃんと自分の身体で受け取るしかない。

1日目を終えて、そんなことを思いました。


次回は2日目。

朝7時から少し作業して、
ファーマーズマーケットのような朝食会場で、
包丁の音とオルゴールを聞きながら一日が始まります。

▶Day2:歩いて、書いて、温泉に入って、また書いて

ちなみに、このnote全体の入口として「待合室」のようなページも作っています。

医療の記事だけでなく、診察室のエッセイ、旅の記録、勉強部屋のような記事も、少しずつ並べていく予定です。

ふらっと立ち寄るような感じで、気になる部屋からのぞいてもらえたら嬉しいです。


いいなと思ったら応援しよう!