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イラン戦争20日目、最後の裏口が撃たれた

前回、「19日にワシントンに向かう」と書いた。

20日目。高市首相が飛行機に乗る前に、裏口が燃えた。


裏口が閉じた

ホルムズ海峡には「裏口」がある。UAEのフジャイラ港だ。ペルシャ湾の内側を通らず、オマーン湾側から直接原油を積み出せる。サウジの東西パイプライン(ヤンブー経由)と並んで、海峡封鎖下でも原油を外に出せる最後の安全弁だった。

3月17日、そのフジャイラ沖でタンカーがイラン軍に攻撃された(NYT、Gulf News、UKMTO)。ホルムズ東側での成功攻撃は約2週間ぶりだ。構造損傷は軽微、乗組員は無傷。だが物理的な被害より、市場への効果のほうが大きい。

「最悪でもフジャイラがある」という前提が崩れた。迂回路を攻撃できるという事実の提示だけで、保険料は跳ね上がり、船主は配船を止める。

もう一つの裏口も、実は狭い。サウジの東西パイプラインは設計容量こそ日量700万バレルだが、実稼働は220万バレルにとどまる(CNBC、Bloomberg、Reuters)。世界が毎日ホルムズ海峡を通して運んでいた量は約2,000万バレル。パイプラインだけでは10分の1しか代替できない。

裏口は2つあるように見えて、片方は撃たれ、もう片方は細すぎる。

CBSの報道によれば、開戦以来、イランによってホルムズ海峡で約500隻のタンカーが足止めされている。NYTの集計では少なくとも16隻が直接攻撃を受けた。米国所有のタンカーにも弾が当たっている。

前日にドバイ国際空港が燃えた。その前にクウェートの空港と空軍基地にドローンが落ちた。そして17日、最後の安全弁が撃たれた。安全な場所が、順番に消えている。

通れる船、撃たれる船

同じ3月17日。海峡を通った船がある。

パキスタン船籍のアフラマックス級タンカー「カラチ」。3月15日にアブダビのダス島で原油を積み、AIS(自動船舶識別装置)をオンにしたままホルムズ海峡を通過した。非イラン船籍では開戦後初のケースだ(Reuters、Al Jazeera、WSJ、MarineTraffic)。パキスタン海軍はイラン海軍と直接連絡を取り、護衛なしで通過した。17日にカラチ港へ到着する予定だった。

米財務長官ベッセントはReutersに、インド、中国、イランの船も通過していると語った。

フジャイラ沖で撃たれた船がある。AISをオンにして海峡を通った船がある。同じ日、同じ海域で。違いは船籍と、誰の原油を運んでいるかだ。イランは海峡を「閉鎖」しているのではない。選別している。通す船と撃つ船を分けている。

この選別の基準がどこにあるのか、公式には明かされていない。見えているのは結果だけだ。パキスタンは通れた。米国所有のタンカーは撃たれた。

護衛の無意味

同じ3月17日、国際海事機関(IMO)のドミンゲス事務局長が声明を出した。

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